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星の宮の妖祓い  作者: 春伊
第5章
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4話③


「一乃ちゃん、大丈夫?」

 朝晴が一乃を見た。

「はい、ありがとうございました」

 いつもの、のんびりした声で答える。


 しかし、一乃が俯いた。

「でも……まだです」

「?」


「来ます」


 一乃が言うと同時に、急に体が重くなった。

「っ……なにこれ?」

「なんだ?」


 一乃が東の空を見ている。

「何が来るんだ?」

 龍臣が聞いた。

「……分かりません、でも……」


 空を見たまま一乃が答えた。

「「月の杜」の場所は分かりました」


「え……」

「そこから、沢山来ます」


「……どういうこと?」

 明蘭が心配そうに聞いた。


「……「月の杜」が生み出した、妖が、こっちに来ます」

「なんで、そんなことが分かるの?」

「力を使っている……術を使っている方が、似ているんです……奈取さん、夜月さんにも似ている……人の」



「まぁ、そんなもんやね」



「!」

 急に奈取の声が聞こえてきた。


 凪が黄色い花を持っている。

 そこから聞こえてきたようだ。

「奈取?」

「なんやー?」

「流されてなかったんだな」

 龍臣が冷たく言う。


「嫌なこと言わんといて」


「一乃さんに感謝すべきよ」

「……本当だよね」

 明蘭と凪が次々に言った。


「分かっとる、分かっとる。ええんか? 今、悠長に喋っててええんか?」


「奈取さん」

 一乃が呼んだ。


「一宮はん、さっきの約束や。手がかりを教えたる」


「今、来ている妖、どのくらい分かっとる?」


「すごく大きいもの1つと……小さいものが沢山」


「? ……まぁええわ。それ、俺が世話になった人が作ったもんや」


「先に言っとくで? 大きい方は封印せんほうがいい」


「封印? それほどの妖なのか?」

 龍臣が聞く。

「見たら分かるで、目ん玉、飛び出るかも知れへんな。封印なんてしたら土地が滅びるで」

「じゃあ、どうすれば?」

「……そこら辺は自分らで考えてや」


「……「月の杜」は……」

 一乃が言いかける。

「?」

 朝晴が一乃を見た。

「今から来る妖を作ったことで「月の杜」の力が消えています」

「……え?」

「地力を使い過ぎています。たぶん……このまま……」

「……「月の杜」は衰退して無くなるのか」

 凪が一乃の言葉を繋げた。

「……」

 朝晴が黙った。



 空が段々と暗くなる。

 太陽が重い灰色の雲で隠れた。



「……なにか」

 全員が東の空を見上げる。


「……あっちです。林の方」

 一乃が東の方向に指を差す。




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