2話 部屋①
2話は過去のお話と本編のお話があります。
今回は過去編です。
初めて会ったのはいつだったか。
雨のひどい日だった。
朝から耳鳴りが鳴っていて、頭痛がするくらいだった。
あの時は「星の宮」の廊下にしゃがみ込んで庭を見ていた。
向こう側の廊下に人影がある。
白い影が2つ。
一宮様がいる。
小さくて、白髪の長い髪に白い着物を着た女の子もいた。
見たことがある。
力の判定に来ていた子だ。
「!」
女の子が急にこっちを向いた。
慌てて顔を伏せる。
目が合ったような気がした。
恐る恐る、もう一度顔を上げて向こうの廊下を見た。
あの子はもう別の場所を見ている。
一宮様が誰かと立ち話を始めた。
「ふー」
冷や汗が出た。
「……いや、別に焦らなくてもいいのか」
今度は前を見た。
植木の葉っぱに水滴が沢山付いている。
小さなカタツムリも、のそのそと歩いていた。
「あの……」
声がした。
「!」
振り向くと、あの子がいた。
さっきまで、向こうの廊下にいたのに……
「ど、どうしたの?」
女の子が、右手を出した。
左から右にゆっくり動かす。
「?」
なんだ?
「……あれ?」
耳鳴りが消えた。
「うるさかったですよね」
そう言って白い子が踵を返した。
「ま、待って!」
白い子が止まって振り向く。
「……君は……」
「? 一乃です」
不思議そうに彼女は答えた。
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