1話④
正直に言って妹は苦手だった。
どこに行くにも、何をするにもついて来る。
勝手について来るくせに、よく愚痴や文句を言っていた。
周りの大人は「仲良しだね」で済ます。
いつだったか「星の宮」という集団がいる事を知った。
こことは、違う理念で動き、妖を祓っているらしい。
その時は、いろんな人がいるんだ。くらいにしか思わなかった。
でも、
その「星の宮」を潰す計画を立てていると聞いた時は、疑問が湧いた。
何故?
別に似たような人達なだけなのに。
周りの大人に聞いても、はぐらかされるだけだった。
人を殺してでも潰す価値のあるものってなんなのだろう?
そこからだった。
「月の杜」に不信感を抱くようになったのは。
そもそも「月の杜」は「星の宮」に対抗して作られたことを知った。
仲違いがあったらしい。
内容はどんなものかは知らないが、組織が分裂するほどの諍いだったのだ。
相当のものだったんだろう。
妹に聞いてみた。
俺らのいる「月の杜」と「星の宮」について。
妹はなにも感じていないようだった。
当たり前か、昔から、そう言われてきたのなら。
……当たり前なのか?
「月の杜」を出て行こうと決めるまで、そんなに時間はかからなかった。
「置いていくの?」
妹が聞く。
「置いていくんじゃない、俺は行く。夜月がついて来るのか、ここにいるのか決めるんだ」
「……そ……」
「俺は行くから」
「……」
初めて妹は付いて来なかった。
あの日から11年が過ぎた。
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