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星の宮の妖祓い  作者: 春伊
第4章
59/88

1話④


 正直に言って妹は苦手だった。

 どこに行くにも、何をするにもついて来る。

 勝手について来るくせに、よく愚痴や文句を言っていた。


 周りの大人は「仲良しだね」で済ます。

 

 いつだったか「星の宮」という集団がいる事を知った。

 こことは、違う理念で動き、妖を祓っているらしい。

 その時は、いろんな人がいるんだ。くらいにしか思わなかった。


 でも、


 その「星の宮」を潰す計画を立てていると聞いた時は、疑問が湧いた。

 何故?

 別に似たような人達なだけなのに。


 周りの大人に聞いても、はぐらかされるだけだった。

 人を殺してでも潰す価値のあるものってなんなのだろう?


 そこからだった。

 「月の杜」に不信感を抱くようになったのは。


 そもそも「月の杜」は「星の宮」に対抗して作られたことを知った。

 仲違いがあったらしい。

 内容はどんなものかは知らないが、組織が分裂するほどの諍いだったのだ。

 相当のものだったんだろう。



 妹に聞いてみた。

 俺らのいる「月の杜」と「星の宮」について。

 妹はなにも感じていないようだった。

 当たり前か、昔から、そう言われてきたのなら。



 ……当たり前なのか?



 「月の杜」を出て行こうと決めるまで、そんなに時間はかからなかった。

「置いていくの?」

 妹が聞く。

「置いていくんじゃない、俺は行く。夜月がついて来るのか、ここにいるのか決めるんだ」

「……そ……」

「俺は行くから」

「……」


 初めて妹は付いて来なかった。

 あの日から11年が過ぎた。





お読みいただきありがとうございました。

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