1話②
一乃の仕事机の前に置いてある小さな机を囲んで、5人が長椅子に座る。
開口一番に口を開いたのは、龍臣だ。
「全員、ちゃんと任務の内容は分かっているか?」
「「星の宮」の外へ調査してきてほしい」
一乃がポツリと言う。
その言葉を補足する朝晴。
「外と言っても、隣の敷地だけどな。塀によじ登れば見えそうだけどな」
「調査と言っても、具体的に何をすればいいのかは分からないわね」
「椎名様は何を見て来てほしいんだろう……?」
「”見て”来るだけだったら、凪だけでもいいもんな」
朝晴が凪を見る。
凪は顎に手を当てて考える。
「5人じゃいけない……なにか理由があるのかな?」
「照星さんは、未来が見えますから」
突拍子もないことを言ったのは一乃。
一瞬、部屋が静寂に包まれる。
その静寂を裂いたのは凪だった。
「うん……そうだね」
「え? 椎名様って未来が見えるの?」
「おい、初耳だぞ?」
「凪、そうなのか?」
「う、うん……」
しどろもどろの凪に代わって一乃が答える。
「たまに、見える。とおっしゃっていました。いつ見えるのかは分からない、らしいです」
「……そう言われてしまうと、そうなのか……」
「で、いつ調査に行くかだ」
龍臣が気を取り直して言った。
「別に日にちは指定していないし、今からでもいい訳だが……」
明蘭が4人の顔を覗き込む。
「行ってみる?」
初めて5人で出ることになった。
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