表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星の宮の妖祓い  作者: 春伊
第1章
4/88

2話 二宮 ①

「それで? ――急に鏡が現れた、と」

「そうです」


 薄暗い部屋の奥に格式高い椅子に座って話をしているのは、妖を退治、封じる者たちの集団「星の宮」の頭である、椎名照星(しいなしょうせい)

 目の前で、報告しているのは一宮の頭領 一宮一乃(いちみやいちの)と付人の環奈、そして、

 二宮の頭領 二宮龍臣(にのみやたつおみ)と付人の桔梗。

「話を聞いているだけでは、あまり納得出来るものではないが……目撃した者が多くいる。信じるしかないのだろう」

 照星は、腕を組みながら4人に言った。



「良かったですねぇ、鏡ちゃんと帰って来て」

 照星の横に座って、議事録を書いている秘書がふわふわ笑って言った。

「帰って来たのはいいが、犯人が特定されていない。外の人間なのか、組織の人間なのか、どんな目的で鏡を隠したのか」

「一乃さんは何か気づいたことありますか? 1番、鏡の近くにいらっしゃったんですよね? その……ネズミが出て来たときとか」

「……」

 秘書の問いに沈黙で返す。


「まぁ分かりませんよね、みなさんも一緒にいて、見ていたのに、誰も、なにも、情報も得られなかったんですから」

 照星が小さくため息をつく。


 秘書の言葉に龍臣も少し反応した。

 確かに、なにも無かったはずの空間に突然、亀裂が入った。光が溢れ、中からは大量のネズミが出現。ふと、棚に目を向けると鏡が現れてた。

 自分はなにも分からなかった。なにも感じなかった。

 不可解なことが目の前で起きたと言うのに。


 二宮とあろう者が……。


 膝に置いた拳をギュッと握った。


「いい」

 照星が優しく言う。

「また、なにか分かったら報告してほしい」



 4人が部屋を出ようとする。

 照星が一乃に言った。

「一乃、小さなことでもいい。なにか気付いたら教えてくれ」

「はい」

 小さく答えた一乃は部屋を出た。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ