4話④
明蘭は舞を踊り終えた。
視界がふわふわしている。
終わった。
観客がみな、拍手をしてくれる。
達成感と疲労感がドッと体の奥から出てきた。
観客に向けて一礼する。
さらに拍手が大きくなった気がした。
―――
演目が終わり、大広間で舞台を見ていた人も外の屋台へ行ったのか、少なくなっていた。
舞台袖の入り口で、一乃と環奈が壁に寄りかかりながら雑談をしている。
ふと、一乃が神妙な顔で環奈に言った。
「……昔、先生が祭りで買って来てくれた甘いもの覚えてる? 一緒に食べた……赤くて、丸くて……」
両手で小さな丸を作る一乃。
「りんご飴のことですか?」
「そう、それ」
一乃が少し申し訳なさそうに言う。
「あれ……食べた時」
「その、ずっと、行ってみたくて」
環奈が一乃を見た。
「……環奈と、祭り、行ってみたかったの」
「んんんん! 行きましょう! 行きましょう! りんご飴探しに行きましょう!」
「いいの?」
「当たり前ですよ! 手繋いで行きますよ!」
一乃と環奈が手を繋いで、大広間を足早に出て行った。
そんな様子を龍臣、朝晴、晴蘭の男3人が見ている。
「青春だねぇ〜」
「俺たちも行こうよ」
「? 明蘭ちゃんと行かないのか?」
「明は秋都さんと行くから大丈夫」
「二宮は? 桔梗さんはいないのか?」
「父上の相手で付きっきりだ……三宮はいるのか?」
「今日に限って任務で外出中だそうだ」
「じゃあ……」
3人が顔を見合わせる。
「男3人で行くか〜」
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