4話 舞 ①
「もう始まるよ。明蘭が踊る」
舞台に光が灯り、演目が始まろうとする。
「どこかに犯人がいるかも知れない」
「どうしようか……」
頭を悩ましていると、後ろから声が聞こえてきた。
「う~~~ん……」
秋都の声だ。
やっと目を覚ましたようだ。
「あ、やっと起きましたね。明蘭さんの舞が始まりますよ?」
環奈が秋都に近寄って話しかける。
秋都は、ハッと気が付き大きな声を出した。
「明蘭さんは!? 無事ですか?」
「秋都さん覚えてるの?」
「あ、あまり……ですが、ひどいことをしてしまった気が……」
「明蘭さんに怪我はありませんよ」
「そうだよ、秋都さんを殴ろうとしてたからね」
真実を伝えてしまう晴蘭に顔面が青くなる秋都。
「ええ、ええ!?」
「大丈夫ですよ。未遂ですから」
横から龍臣が割って入る。
「そんなことはいい。あなた、自分に取り憑いていた人物は分かるか?」
龍臣の言葉に、下を向いて考える。
「ここに来る前、あの人と一緒でした……でも……」
「あの人?」
「はい……箱も陶器もくれた、使用人です」
「また使用人か!」
「でも、正直信じられない……ずっと昔から家で働いていた人なのに……」
愕然とする秋都に朝晴が言った。
「その人の居場所って分かるか? 顔の特徴とか分かる範囲で教えてくれ」
「居場所は……たぶん会場のどこかにはいるとは思うのですが……」
「顔は? 身長とか」
「急にそう言われても……あまりにも普通な顔だから」
「サラッと失礼なこと言いますね」
会場の明かりがフッと落ちた。
演目が始まる。
大広間いる、みなが舞台の方に目を向ける。
「まずいぞ、始まる」
「! これです!」
秋都が思い出したように声を上げた。
取り出したのは小さな鈴。
「使用人はこれを持っています」
「鈴?」
「これで連絡が取りあえるんです。術を組んだ者同士なら、どこにいても話が出来ます。あの人も、よく誰かと話していました」
「その鈴を探すのか? どうやって……」
「俺が探します。細かい位置は分かりませんが……」
そう言って、秋都が鈴を両手で持ち顔の前に持ってきた。
ぶつぶつと小さな声で言葉を紡いでいく。
小さな光が両手の中に灯る。
「どこだ……」
秋都の顔に汗が伝う。
一乃が秋都に近づいた。
右手を秋都の両手に近づける。
手の中の光がふわっと大きくなった。
「!」
ハッと秋都が顔を上げる。
「見つけました! 庭にいます! ここから見て東側の庭! 松の木の近くにいます!」
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