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星の宮の妖祓い  作者: 春伊
第2章
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1話③

「これは……」

 全員で龍臣が持ってきた紙切れを見る。

「なにこれ? 符? 朝顔に化けてたってこと?」

 晴蘭がマジマジと見て言った。

「そういうことになるな」


 龍臣が明蘭に向き直る。

「四宮、今日、晴蘭がやって来て、助けてほしいと言われたぞ。詳しく教えてくれないか?」

 

 紙切れを訝しげに見ていた明蘭は1つため息をつくと話し始めた。

「分かったわ……」

 肩にかかる髪を手で後ろに流す。1つ1つの仕草が美しい。


「今、困っているのは……許嫁のことよ」

「え?」「?」

 多くの人に疑問が浮かぶ中、壁に寄りかかっていた晴蘭があっけらかんとして言った。

「あーやっぱり、それかー」



「許嫁? 四宮は、その……婚姻を結ぶのか?」

 四宮明蘭はまだ二十歳くらいだろう。

 別に結婚を急ぐような歳でもない。

 それに、許嫁がいたことを初めて知った。



「そうよ。私が『はい』と言ってしまえば、全部がとんとん拍子に進んでめでたく成婚するわ」

「なんで困っているんだ?」

「嫌なのよ」

「いや? 結婚が?」


「許嫁が!!」

 いつになく大きい声を上げる明蘭。

 一同はその勢いに驚く。


「幼馴染とはいえ、なんか! なんか嫌なのよ! どうして親の決めたことを守らなきゃいけないわけ? 私には私の運命の人がいるのに! あの人はなよなよしてるのよ! それでいて女の子を守れると思う!? なにが『お化けが怖い』なのよ! こっちはそれを相手してるっていうのに!」

 一気に話した明蘭は、一呼吸して続ける。


「両親は、今になって『早く結婚しろ!』『今しないと婚期を逃すぞ』とか言って、急かしてきて! か弱い男は興味ないわ! 私にはきっといつか白馬の王子様が来てくれんだから! それまで絶対、結婚なんかするもんですか!」

 一同は唖然とし、誰も答えられない。

 静かな中、明蘭が肩で息をする音が聞こえる。



 龍臣が朝晴に小さい声で聞いた。

「白馬は……白い馬だよな? 五宮、”おうじさま”って知ってるか?」

「い、いや?」

「”さま”が付いているから偉い人なのでは?」

 環奈もヒソヒソ話しに加わった。


「明蘭、どうどう……」

 晴蘭が、明蘭に近づいて落ち着かせようとする。

 


 どんな言葉をかけていいのか分からず、龍臣は悩んだ末の言葉をかける。

「……困った問題だな」

「本当よ」


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