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第四章~Fender Stratocaster~

 翌朝から昼休みと放課後を練習の時間に充てられた

しかし未だ初日である

何だこのスパルタ気味な部活・・・

そもそも部活の名前も決まっていないのに何故体育館で毎日練習ができるのか謎であるが敢えて突っ込まないことにした。

まずギターを買いに行くと先輩は張り切っていた

それが初日の練習らしい。

ちなみに正人先輩は自主練習で大音先輩は当分僕の指導に当たるらしい

「初日の質問だ。答えてみな」

「はぁ」

「返事は『はい』」

「はい」

「ガキよ・・・ギター選びで一番大切なのは何だか解るか?」

「ガキって・・・」

「失礼 ガキンチョって呼ぶよ」

「さあ ガキンチョの答えを聞かせてもらおうか」

「うーん メーカですかね」

「バーカだね ガキンチョは(笑)見た目だよ」

「見た目・・・ですか」

「そう。いくら良いギターでも自分の嫌いな色とかだったらやる気は失せるだろ?」

「うーん」

「わからんか」

「異性で例えよう。いくら美人でもたまたま自分の好みじゃない女性だったら付き合う気になれないだろ?」

「まぁたしかにそうですね」

「それと一緒だ!」

「まぁなんとなくわかりました」

そのあと僕の意見を最大限考慮した結果のギターはFender Stratocasterフェンダー・ストラトキャスターだった。

正規の値段は解らなかったが楽器屋の店長とかなり長い時間話していて

笑いながら大音先輩は

「君のギター無料だって よかったね」

と言いながら微笑んだ。絶対何かあるだろ・・・

アンプは部室(体育館)にマーシャルのアンプを隠してあるから大丈夫という不安の声

しかし情けないことにマーシャルと言われても何が何だか解らなかった。


 もう何だかんだ二日目の練習になった

「ガキンチョ!」

ガキンチョ言うな・・・

「弦を切れ」

「なんでですか?」

「しらんのか?店にある奴は鉄製のヤワな弦なのだよ。色んな輩が試奏しているからね。ようは錆びているってわけだ。ダカラまずは弦の交換から。ほれっ!」

渡されたのは予備の弦。

先輩に怒られながらもずっと教わった

意外に力がいる物だと痛感した

普段の運動不足がたたっているのかこのひ弱な手はなんだろう?この手で旋律を奏でられるのだろうか?

「よーしいいね」

始めて褒めてもらった(?)

「明日は任務が2つある」

「任務ですか・・・」

「部員の勧誘とチューニングの練習だ。チューニングは一日でマスターしてもらう」

なんですかこの鬼先輩・・・

仕方なくうなずく僕・・・ ギターをやるには仕方がないのかと思った。

もっとも、ギターの費用などは全て先輩が出してくれているから文句は言えないが何処から金が出ているのかが凄く怪しい。 なんか詐欺でもやってないだろうな?


 「一弦がEで・・・」

「のろま!」

「とりあえず指示するとおりペグ回してご覧。チューナーはオレ様が用意した。ガキンチョにあげよう」

意外に苦戦 調弦ってこんなに大変なんだと思う・・・

何故こんな事をしてまでギターを弾きたがるのだろうみんなは・・・

そんなことを考えているうちに だんだん慣れてきた

慣れてきて波に乗っていた時

「おうちで練習しな」

「マジすか・・・」

「うん。こんなことを教えるオレ様じゃないから」

「はぁ」

「やり方は解っただろ?ならやってみろ」



帰宅するといつも無音の自室がギターの弦の1音1音に包まれていた。

これがギタリストとしての始まりの第一歩なのかも知れない。

でもこれで終わってしまうかも知れない。

虚しすぎる。

そんな虚しさを無くすため先輩についていくことにした。

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