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第三章~始まりの鼓動~

 大音先輩は少し変だ。

しかし悪意はなさそうなので翌日体育館裏に行ってみることにした。

体育館裏に近づくにつれ騒音が・・・

何の音だろう?

気になって歩み寄る

そして体育館裏に着いた

あたりを見渡したが誰もいない

先輩は嘘を吐いたのか?

そう一瞬思ったのだが

あんな嘘を吐いても一円の得にも成らない。

必ず先輩は来る そう信じていた

僕の予想は半分当たって半分はずれた

先輩は既に居たのであった。

体育館裏方面の扉を開けると今の世の中を全て引き裂くかの如く強烈なギターの音が

え?

体育館勝手に使用して良いのでしょうか?

「やぁ 待っていたよ2分遅刻だね」

遅刻というか待っていたのですが・・・

扉が開かなかったら一生先輩には気づけなかったであろう

「はぁ・・・すみません」

何故か謝る僕 情けない

「で・・・バンドを組むというのは?」

「見ての通りだよ 我がバンドにはギターのメンバーが足りないのだ」

「でも先輩さっき弾いていたじゃないですか?」

「ああ あれはおふざけだよ 担当はドラムだから」

おふざけであのレベルか・・・凄い人だと少し尊敬

と思いきや、そのおふざけで使われたギターは直ぐに先輩の腕により木っ端微塵にされた・・・ 弦は弾け飛びボディーの破片が飛び散りネックは完全に曲がった状態だ。さっきまで尊敬していたのがバカバカしく思える

 「こいつはもう不要だ。ギター担当は君だからね。」

「何で僕なんですか?他の吹奏楽部とかの音楽に精通している人の方がギターやるには良いのでは?」

「ウザイんだよね。音楽理論とか知っている奴。オレ様は何にも知らないから独学なんだ」

オレ様って言ったよね・・・?オレ様って言ったよね・・・!!!

「だから君にギター担当して欲しい」

「あの・・・お言葉ですが ギターのギの字も知らないひよっこですよ?」

「知っているかい?『ひよっこの可愛さ我に匹敵』という言葉を」

そんなもんあるか!

「いや・・・あの・・・」

「じゃあここでチャンスをあげよう」

「チャンス?」

「二者択一だ」

「ギター担当をやる・オレ様の雌豚になる」

あの・・・僕は男ですよ?

沈黙が続く

「しっかたねぇなぁ!演奏聞かせてやるよ!それで入りたくなるはずだ」

仕方なく聞くことになった

ギター無しでどうやって・・・(バラバラギターならあるが使用不可)


きちんと刻まれるドラム寸分の狂いもない(と思った)

ベースの重厚感ある音が世界観を作りだしていた


落ち着こう いままで「ドラムとベースだけのバンド」ってあったっけ?

ないと思う。

でも僕は何か楽園へ誘われるような感覚に陥った

楽園というか 音に塗れた感覚に陥った

以前小学校の音楽の教師が言った言葉があった


「歌でも楽器でもヘタでも良い 楽しければそれでいいんだよ。

そうすれば、人も楽しんでくれるから」


ハッキリ言って先輩達のドラムとベースが上手いのかどうかは解らない

でも自分は今楽しんでいると言うことは事実である

認めざるを得ない

「見ての通りだよ 我がバンドにはギターのメンバーが足りないのだ」

先輩の言葉が蘇る

ギターのメンバーが足りない・・・

こんな凄いバンドに

ヴォーカルとギターが足りないなんて皮肉な物だ


「うーん 正直やりたいことはない。」

という母へ返した自分の惨めな言葉が脳の中にこびり付く


パァァァン ギュィィィン

演奏が終了した


「どうだ!?入る気になったか?」

「自分でも役に立てるのならお願いします」

「よかろう その代わりサボリ反抗は一切認めない いいな?」

「はい」


「じゃ、俺ベース担当の正人っていうからよろしく」

「よろしくおねがいします」


自分の中で「将来と言う名の木の根」が生え始めているような気がした

この時の鼓動は体中に刻まれながら僕は夜を迎えた


大音先輩に正人先輩

此処から始まる僕らのバンドの歴史・・・

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