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第二章~話題~

次の日学校に行くと話題は僕の話で持ちきりであった。これだから世間は嫌なものだ。

昨日の廊下事件(事件と言うほど悪いことをした覚えはないのだが)の話題で勉強の話題など1ミリもない

みんな・・・もうすぐ受験生だよね?

まぁ人のことを言えた身分ではないが。

そんなことをボーっと考えているとき肩を軽く叩かれた

知らない人 少し大人っぽい

言い忘れたが僕の通っている中学校は中高一貫校(一部の寄付金を出せる輩が高校にストレートで上がれるという、物凄く嫌味な制度のもとで成り立っている。もちろん僕は例外だが…)なのである。

もしや高校生?

「やぁ」

「え・・・?あの~すみませんが・・・誰ですか?」

マジで知らない

「知らないの!?」

知らないから聞いているんでしょ

「大音だよ高一の大音努おおねつとむだよ」

「はい・・・それで大音先輩が何のご用件なのでしょうか?」

今日の僕は偉く慎重に話している気がする

「俺を馬鹿にするな」

いつ馬鹿にしましたか?

「ちゃーんと見てたんだぞ。おまえが廊下に立たされるまでを。」

あなたは授業に出ていなかったんですか?

「ああ・・・そうなんですか」

「何を言いたいと思う?」

「チョット解りません」

というよりサッパリである

「俺は君のことが好きだ」

は?

この人頭いっちゃった?


「何故なら、廊下に立たされるという状況下で

不良どもに写真を撮られるという人として最低の局面に出くわしてもなお微動だにせず落ち着いていたからだ。」


アノ状況が人として最低の局面だったら

ヤクザにナイフを突きつけられた人はどういう風に感情表現をすればいいのだろうか?


「はぁ・・・」

「ん?用件早く言えってか?」

「もう授業開始まで1分もないので・・・」

「そうだったな。用件を簡潔に言おう」

何故か緊張する

「バンド組もう!っていうか組め!」

頭がお互いにおかしくなったかと思った一瞬だったが先輩は勝ち誇ったかのような顔をしていた

バンドか・・・

返答に困る

「返事は明日の五時に体育館の裏にて さらば」

・・・それって小説とかでひ弱な子がボコボコにされる場所の定番ですよね?

まぁ悪意はなさそうだ

僕は自分のことが話題に上がったことがどれだけ自分に影響を及ぼしているのかは全く予想が着いていなかった。

その後僕がどれだけの人と出会い

どれだけの人との別れを経験し

どれほどの感情を抱きこの青春と呼ばれる中学生活を送るのか

今の僕には知る余地もなかった

そう 

あの先輩と

あの人たちと

あの日々を送ることなど

夢物語であっただろう

帰宅をして

いつものように無音の部屋に閉じこもり

先輩のことを考える

「あの先輩は何を考えているのだろうか」

勝手に言葉が漏れる

親はそんな気持ちを踏みにじるかのように

勉強しろ ほれ 勉強とはしゃぐので

流行のiPodをひったくりひっそりと好きな音楽を聴いて無視することにした。

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