第十三章~灰色~
前回の一件、僕は悪いことはしていないはずだ。
しかし、誤解という名の鎖で縛られてしまった。
ん~
黒でもなければ白と言うには証拠(手紙)がある。
灰色と言うところだろうか?
その色は、部活動にも支障をきたした。
「早くギターチューニングしなさいよ!」
怒る蘭
「作曲くらい私だって勉強してやるわよ!」
反抗の乙姫
「コイツばかだから」
「おまえには作曲は無理。アシで十分。」
火に油を注ぐ先輩(←もちろん大音先輩…
火に油が付くと、部活動という村全体に燃え上がるらしく、
その炎は、力尽きず、激しい激論を交わしていた。
「あんたはチビなんだからずっと音楽やってりゃいいのよ!」
「なによ!ちょっとスタイルが良いからって!何も知らないくせに!」
「はぁ?一応アシスタントなんですが?」
「どうせアシスタントなんて荷物持ちに決まっているでしょ!あーきもちわるい!」
「冗談はおよし!あんた、どうせ妬んでいるんでしょ?栗山といる時間が私の方が長いから…!?」
「そんなことで(以下略」
それが30分所か、3時間続いた。
結局結論のでない無駄な時間を過ごしたわけだが
運の良いことに、広瀬がやってきて、乙姫をかっさらった。
こんな日が毎日続くと想うと、頭が痛い。
僕は帰宅して、とりあえず(実は県内の実力模試があったのだが)模試の成績をみせ、
親を黙らせたところで、部屋に入った。
音楽を始めてから、無駄な時間を過ごさなくなったせいか
勉強も密度が濃くなったらしい。
が、
今度は恋について考えなければいけない。
俺の希望としては円満
だが無理だろう
第2志望は、蘭と上手くやっていくこと。
乙姫を犠牲にしても。
第3志望は、乙姫と上手くやっていくこと。
蘭を犠牲にしても。
第4志望はあってはならないが、
2人とも犠牲にするという手段。
頭が混乱気味のまま、とりあえず、ギターのコード進行をやってみた。
適当に散らかった部屋に、妙に響くギターの音
其れが、明日を彩るかのように…