ペンギン三兄弟 〜 30話 天気になあれ の巻
ペンギン三兄弟
チャン・・・性格は几帳面。声がいいが顔がデカい。
サングラスをかけている。つぶあんが大好き。
ドン・・・体はちっちゃいが、器用に何でもこなす。
収集癖あり。
ゴン・・・ド天然。普通のことが超不器用。
日々体を鍛えてる。ゴジラが大好き。
ペンギン三兄弟、チャン、ドン、ゴン。
今日も仲良く暮らしています。
しとしとしとしと
もう何日も梅雨の雨が続いています。
チャン「いやあ、いくら雨好きのオレたちでも、さすがにそろそろ晴れてほしいと思うよな」
ドン「そうだね、明日は町内の花火大会だしね、ピーカンに晴れてほしいな」
ゴン「晴れてほしいときは、やっぱアレでしょ」
チャン「アレって何?」
ドン「あー、アレね」
ゴン「そう、アレ!」
チャン「だから何?」
ドン「アレはアレだよなあ」
ゴン「チャン、わかんないの?」
チャン「わかんないから聞いてるんじゃん」
ドン「チャンは考えないからわかんないんだよ」
ゴン「そうだよ、チャンはちゃんと頭使わないとバカになっちゃうよ」
チャン「ふん、使ってもバカだって言いたいんでしょ」
ドン「ちゃんと考えればわかるって。ほら晴れてほしいときに作るやつだよ」
ゴン「そう、白くて丸くて」
チャン「白くて、丸くて?あ、わかった」
ドン「なになに?」
チャン「おにぎり」
ドン「ブッブー、はずれ」
ゴン「正解は、てるてる坊主でしょ!」
チャン「わかってるよー、わからないフリしただけだよ」
ドン「どうだかねー?」
ゴン「じゃ、作って」
チャン「みんなで作ろうよ」
ドン「じゃあ、チャンが頭の丸を作って、
ゴンが体作って、ぼくが顔を描くよ」
ゴン「え、オレ作るの無理、顔なら描けそう」
ドン「じゃあ、チャンがてるてる坊主の頭作って、僕が体作ってひもつけて、ゴンが顔描きね」
チャン「じゃあ作るよー」
チャンはティッシュペーパーを何枚か丸めてボールを作ります。
そして、ドンは、そのボールにさらにティッシュペーパーをかぶせて、糸でしばります。
最後に、ゴンが、マジックで、頭に目や口を描きます。
3羽は夢中で、てるてる坊主を作り続けました。
チャン「ねえ、もう家の中のティッシュがなくなっちゃった」
ドン「結構作ったねー」
ゴン「作りすぎちゃったかなあ、ざっと200個はあるぞ」
チャン「全部つるすのも大変だぞ」
ドン「明日に間に合うかなあ」
ゴン「よーし、がんばるぞー」
3羽は、それから夜通しがんばって
軒下に、てるてる坊主をつるしました。
軒下に、てるてる坊主がぎっしりと並んで
ぶら下がる様は、
なかなかキレイに見えました。
3羽は、その光景にすっかり満足して、
そして、くたびれて、ぐっすりと眠りにつきました。
ひゅー、どっかーん!
3羽は、大きな音で目を覚ましました。
チャンがあわてて外をのぞきました。
チャン「うわあ、みんな見て見て」
ドン「おー、すげー」
ゴン「きれー」
夜空には、大きな花火が広がっていました。
そして軒下には、200個のてるてる坊主が、にっこりと揺れていました。
おわり