1話 『ジェロシーア』
新長編連載です!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
読 ん で い た だ け る と 嬉 し い で す!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
す ぐ 終 わ り ま す が ね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
俺の名前は異世界最強太郎!!!!!
異世界最強が名字で太郎が名前だ!!!
座右の銘は『最強オブ最強イン最強』!!!!!
好きな料理はオムライス!!!!!!!!!!!
特技は剣を振れば敵を倒せること!!!!!!!!
そして趣味は女にモテること!!!!!(さっき決めた)
「へっ!!!!!!!!!!」
勇者への任命式の前室で一人、俺は大笑いした。
――――俺は異世界に転生し、とある一家の子どもとして生まれた。
転生前に神に授かった才能『最強』(超直接的)という能力を授かり、幼いころから国の危機を救ってきた。
そして今日、俺がこの国にやってきてやってから20年が経ち、やっとのことで国王に呼ばれ、この国の勇者として、正式に魔王討伐を命令されるための任命式が行われる。
部屋を出て、俺は綺麗に敷かれた豪華な赤い絨毯を堂々と歩き、黒いマントを風になびかせる。
国王、側近の待つ舞台へと俺は歩みを進めた。
俺は国王の目前に堂々と立ち、国民に背を向けた。
――――一か月前、この国の勇者として選抜される大会で一位に余裕で上り詰めた。
全員雑魚だった。全員俺の剣一振りで倒れてしまった。
まぁ、必然だったのだが。
「タロウに命ず――」
おっと、国王のお出ましだぜ。
「我ドレミファ国王の命令の元、魔王を打倒してくるがよい!」
俺に指をさす。
この式のために集まった国民が、勇者となった俺を讃え、気持ちのいい称賛の嵐を浴びせた。
この高揚感、たまらねぇぜ!!!
「そして、魔王を倒した暁には、私の娘、ジェロシーアを嫁にやろう!」
奥からピンク色の髪をした清楚な女が現れた。
その女は俺と目が合うと、恥ずかしそうに顔を赤らめてそっぽを向いた。
「加えて、お主には次の王の権利を譲渡し、永劫の幸福を約束しよう!」
観衆の称賛の声が益々高まった。
「さぁ、勇者タロウよ。民の前で剣を掲げよ、その剣に、勇者に相応しき紋章が宿るであろう!」
俺は国民の方に顔を向け、剣を掲げた。
「俺は最強だ! 世界を脅かす魔王を屈服させることを必ずや約束しよう!」
すると、伝説の剣『アマツノ・ツヨイケン』の取手に、剣の紋章が描かれた。
快晴の空の下、伝説の剣は輝きを放った。国民の歓声が国中に轟く。
国王の娘ジェロシーアが俺の左手を掴み輝く目で「よ――――ドを」と呟いた。
遠くで見てもそこそこ大きかったが、近くで見ると胸が大きい。それ以外に集中できなくなってしまう。そのせいもあって、ジェロシーラが呟いたことをうまく聞き取れなかった。
任命式が終わり、俺は早速荷物を纏めてこの国から旅に出た。俺の旅を祝福し、国民の殆どが小さい国旗を振って送ってくれた。
城下町の西門から出て、俺は空を見上げた。これから旅が始まる。
きっと苦難もあるし、楽しいことだって何度もやってくるだろう。
俺はそんな旅に出る――。
とか、やってらんねぇな。
レベルはカンスト。ステータスだってもちろんカンストだし、全ての魔法が扱え、剣技も使えるし、スキルだって使える。それに、装備は神から与えられた最強の武器と防具がある。
一先ず、俺は西のある一番近くの村に寄っていくことにした。
このまま魔王城に直行しても、どうせ伝説の剣の一振りで勝てるだろう。だがこのまま冒険を終わらしちまうなんてつまらねぇ。存分に楽しみ、遊んでから軽く魔王を討伐して帰ってきてやる。
恐らく、国王は俺がすぐ魔王を倒してくるとはおもっていないだろう。
何故なら、少し前に突然攻めてきた魔王軍勢に俺が手加減をして、戦うのに不慣れな場面をみせたからだ。
そう! あれはこの冒険を悠々と過ごし、苦の中にある希望という光を演じ、全世界の人々を俺の虜にするという作戦の始まりでもあった。
俺が少し戦いなれていないという事を晒し、国民にほんの少しの不安感をあおる。そして、世界の町や村を訪ね、その地域のトラブルを全て解決し、魔王との苦戦を演じて感動を生ませ、全ての人が俺を慕うようになるという素晴らしいストーリーだ。
俺の産まれたあの国は一夫多妻が認められていて、妻の数に制限なんてものはない。魔王を討伐し、各地で見つけた良い女を国に連れ帰り、ハーレム天国を作ってそれからの生活を安泰なものへと変えることができる。
――――いや、変えてみせる。
◆
転生前は、学校のクラスで虐められて不登校になった。
それから、高校に何とか入学したが、中学のころから虐めを行ってきた奴らが俺の噂を広め、高校でも虐められるようになり、その後、学校の屋上から飛び降り自殺。
最悪の人生だった。
だが、そんな惨めな俺はもうここにはいない。最強という称号を持った俺は、この世に敵なんていないし、怖い物なんて一つもない。
絶対に女を手に入れて魔王を倒し、未来永劫の幸福を手に取ってやる。
家に引きこもり同級生に怯えていた惨めな昔の俺ではないんだ。
◆
次話もよろしくお願いいたします!