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転生ヒロインは方言がなおらない  作者: 玲於奈
CHAPTER (1):
7/14

Ⅶ.きらきら天使さん

クリスマスは、クルシミマスです。

休みたい。




「あ、てんしさんだぁ~~」


「きらきらてんしさん~~」


みんなが居るという食堂にあたる部屋に私が入った途端、「天使さん、天使さん」と言いながら、3、4歳ぐらいの、私より小さな子供達がワラワラと私の周囲に集まってくる。


「??」


私が頭にはてなマークを浮かべながら、とりあえず子供達を受け入れていると、先程私の部屋に来た修道服を着た、シスターと思われる女性が、苦笑しながら近づいてきた。



「この子達は、1週間前に、ここに運ばれる気を失った貴女を見た時から、ずっと『天使さん、天使さん』って言ってたのよ」


「??なんの話ですか?」


「貴女のことを言ってるのよ?」



困惑する私に、シスターは柔らかい微笑みを浮かべて言う。


シスターから視線を離して、自分の腰にしがみついている3人の子供達を見下ろす。



「…………私…??」


困った顔をする私をしっかり見つめる子供達。



「てんしさん!!」


「おねぇちゃん、てんしさんみたい!」


「きらきらしてる~~」


脈絡もなくそう言うちびっこ達に、私より2、3歳年上と思われる女の子が、うっとりとして、補足するように続ける。


「あなた、きれいね!!髪と目が、きらきらしてるのよ!!」



なんと。

私は色彩が物理的に光っているらしい。


確かに、私の金色の髪と目は、光を浴びるときらきらしてきれいね、と、昔近所の野菜屋さんのおかみさんに褒められたことがある。

当時は、きれいと言われて舞い上がった記憶があるが、今となっては、なぜピンクと碧ではないのか、というただただ疑問をもつ対象でしかない。


と、いうか、普通に黒髪がよかった。


ピンクとか金髪とか、前世日本人だった私には、どうしてもコスプレっぽく見えてしまう。

この世界は、さすがゲームの世界というべきか、やたらと色彩豊かな髪色と瞳の色をしている。

特に、魔力をもつ人間は、自らの持つ属性に色が出やすい。

例えば、火属性だったら、赤髪だったり、水属性だったら青髪だったり。

それでも、自分のような、金色の瞳や、他色混じりの金髪なんぞ見たことがないが。


大丈夫、もう色は気にしないと決めた、と自分に言い聞かせていると、私にしがみつくちびっこを回収したシスターに自己紹介を促された。


軽く自己紹介をしながら、周囲の人達を観察する。


ここには、3~5歳の子供達が私を含め、5人、6~10歳と思われる子供達が8人、11、12歳のここでは最年長と思われる子供達が4人と、計17人の子供達が保護されているようだ。


大人は、神父の初老の男性が1人、中年のシスターの女性が2人と、子供達をまとめている若いシスターが1人と、4人で経営しているようである。




挨拶が一通り済んだ後、年長者の男の子に、教会を案内されながら説明を受けた。


この孤児院では、12歳になったら自立して、外に働きに出るそうだ。

孤児院が職場まで、斡旋してくれるらしい。

なんと、就職率100%。素晴らしい学び舎である。

いや、保護施設なのだが。


与えられた服の質も含め、孤児院にも関わらず、中々に環境は整っているようだ。


ここでなら割と安心して暮らせそうだと貧乏性な私は冷静に分析していた。







裏の共同墓地の、母さんに会いに行った。


母さんの名の刻まれた立て札の前に跪き、両手を合わせて目を瞑った。


(母さん、ごめん。ほんとは後5年も、いや、もっともっと、生きられたのに……。教会は、良いところそう。私……生きるから!!乙女ゲー参加、絶っっったいに回避するからね!!)



感傷的になるのは、もういい。


もう十分に悲しみや、寂しさは、涙で流した。


それよりも、前向きに生きる宣言を母さんは待っているに違いない。



そう考え、目を開き、暫くの間、札に刻まれた母さんの名___ナージャ、という名を眺めたあと、立ち上がり、そっと母さんの墓に背を向けた。






そんな私の背中を、嬉しそうに微笑んだ母さんが見送っていたような、そんな気がした。








なんか、今回(も?)すごい文章下手な気がします。

また訂正するかもです。

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