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転生ヒロインは方言がなおらない  作者: 玲於奈
CHAPTER (1):
6/14

Ⅵ.思考放棄

前話、加筆修正しておりますので、よろしければ、どうぞ。




(さて、今後の身の振り方も決まったし、そろそろ着替えてみんなに顔見せしよ。)



そう考えた私は、現実逃避気味にこのまま布団にくるまっていたい気持ちをかなぐり捨てて、ベッドから降りてタンスにむかう。


タンスに入っていたのは、シンプルな丸襟のブラウスに、その上から被るタイプの紺色の、これまたシンプルなジャンバースカートだった。

ジャンバースカートでも、軽く腰を絞ってあり、布地自体の質も中々に良いものだった。



(なんかこれ……私が今まで着てた服よりも上等な気がする…。)



今世でも、母親と生活を切り盛りするために身を粉にして働いていたというのに、なんだか複雑な気分になりながら、着替えていく。


多分、教会に出資している人の気前がいいのだろう。


ジャンバースカートを上から被ったせいで乱れた肩甲骨辺りまである、少しくせ毛の髪を、窓に映る自分の姿を見ながら軽く整える。


この世界の硝子製造技術は、前世よりは劣っているようで、かなり表面に歪みがあるため、鏡ほど、自分の姿はよく見ることはできないが、色彩や大まかな輪郭は映る。


この世界では鏡は割と高価なので、平民でも中流階級以上ぐらいでないと所持していないことが多い。

したがって、私自身は、まだはっきりとは自分の姿を見たことはない、が、



(……なんかもう、ツッコミたくなかったけどさぁ…ヒロインって……淡い桜色の髪に、碧眼だったよねぇ??どーーっなってるのかなぁ…これは……)



そう、窓にぼんやりと映る私は、


薄いピンクがかったブロンドなのである。



まだ、髪はいい。まだピンク寄りなだけ許せる。

ジャンルとしては完璧に金髪だが。


問題は、瞳の色である。

私の目は、、はちみつをとかしたような、金色なのである。


最早みどりの『み』の字の欠けらも無い。



私は、前世の記憶が戻る前のリベラの記憶も、勿論あるが、かといってかなり小さい時、物心つく前の記憶はさすがにほとんどない。

でも、なんとなーく、以前は確かに碧だった気もするのだ。



(……考えるの、やめよ。)



もうなんだか面倒くさくなってきた私は、考えることを放棄した。なんかもう、目の色や髪の色なんぞどうでもいいではないか。



色々と考えていたせいで、身支度に余計に時間をかけてしまった私は、急いで部屋を後にした。






…………後に、この瞳の色がもつ意味に、振り回されることも知らずに。




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