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第四劇『怪事』

天満「そうだ。みんなに言っておくけど、『オルテナ』には狂暴な『邪霊』がいるから気を付けてな。」


真雪「じゃれい?何それ?」


天満「『邪道の霊神』のことだよ。そいつらが、この世界にはウヨウヨいるんだ。」


琴花「え?霊神は力を与えてくれるんじゃないの?」


天満「確かに霊神は自然の力が具現化したモノ。その力を利用するエルフ達もいる。だけど理性を持ってる霊神は少ないんだ。そして強い力を持ってる霊神を『真霊神』て言うんだけど、ほとんどは野生化し、動物達のように生息してる。その中でも好戦的な霊神を『邪霊』って言うんだよ。」


剣斗「へぇ〜、本当にこの世界は変わってんのな。まあ、エルフ達は、これが普通なんだろうけど。」


?「そのとおりです。ほらほら、噂をすればなんとやらですよ?」



(邪霊が二体現れる)



天満「はっ!みんな、あれが『邪霊』だ!どうやら向こうは敵意丸出しみたいだな。みんな、戦闘開始だ!」


皆「おう!」


剣斗「まずは俺からだ!ギルティ、いくぞ!くらえっ!『雷牙』っ!」


邪霊「ギャァァァァ!」


琴花「やるじゃん!よーし、私だって!力を貸してねフーちゃん。………『エアショット』ッ!」


剣斗「やるぅ!一匹吹っ飛ばしたぜ!」


邪霊「グガァァァァ!」


真雪「危ない剣ちゃんっ!お願いシルフィア…………『ブルーシールド』!」


邪霊「ガ?グガ?」


剣斗「み、水が…すげぇ…!」


天満「はは…皆スゴいじゃん!よしっ!こいつでトドメだ!『飛燕斬』っっ!」


邪霊「ギャアアアア………グ……ガ…。」


皆「ヤッターーー!」


?「ほう…これはなかなか。どうやら霊神の武具を持ってるみたいですね。彼らをどう見ます?『レイダー』?」


レイダー「さぁな…。」


?「おや、興味ないんですか?それとも、彼らと戦いたくてウズウズしてるんですか?『氷の霊神』さん?」


レイダー「それはお前だろ?あのガキと戦いたい………そんな目をしてるぞ。だがいいのか?尾行なんて指令出てないだろ?さっさと消せよ、あんなやつら。お前なら簡単だろうが。なんせ『瞬迅のゼロ』なんだからよ。」


ゼロ「まあ、いいじゃないですか。しばらくは様子見で。『あの方』だって許して下さいますよ。」


レイダー「はあ…とことん暇な奴。」


剣斗「天満もスゲェよ。霊神の力を借りてるわけでもねぇのに。」


天満「はは、ララァさんに稽古してもらったからね。でも霊神がいなきゃ、属性攻撃はできないけどね。見たところ、真雪は『水』、剣斗は『雷』、琴花は『風』のようだね。」


剣斗「そうか。天満は霊神の武器を持ってないのか。」


天満「まあね。エルフは霊神がなくても戦えるからね。」


琴花「それじゃあ、エルフが霊神の力を借りたら、メチャメッチャ強くなるんじゃないの?」


天満「確かに普段の力に霊神の力がプラスされるからね。」


真雪「じゃあ、そんなエルフが現れて、戦うことになったら勝てないんじゃ…?」


天満「………でも、俺達は一人じゃない。俺達が力を合わせれば、きっと乗り越えられるよ。」


真雪「う、うん。そうだよね。」


天満「さあ、『ラグミア』はもうすぐだ。みんな、頑張ろう!」


皆「おう!」



(『ラグミア』に到着)



剣斗「ここが『ラグミア』…。」


天満「そう…みたい。少なくても、地図上では…。」


琴花「で、でも。町が無いじゃん!」


真雪「家が壊されてる…!ひどい……。」


?「う、うわぁぁぁぁ!」


皆「!」


天満「あっちだ!」



(声のする方に行き、そして到着)



天満「あ、あれは!ド、『ドーム』…!」


真雪「『ドーム』って?」


天満「聞いた話じゃ、邪霊の中でも、特に気性が激しく、一度暴れだしたら、気が済むまで周りを破壊しつくす。俺も見たのは初めてだよ。でも、普段は森の中で暮らしていて、町に来ることは滅多にないのに。何でだ?」


剣斗「そ、そんなことよりどうするんだ?このままにしておいたら、町が全壊してしまうぞ!」


天満「分かってる!でも、今の俺達に勝てるか分からない。それほど強いんだ。それに………剣斗、属性攻撃してみてくれ!」


剣斗「え?あ、ああ!くらえっ!『雷牙』っ!」


ドーム「………。」


剣斗「き、効いてない?どうしてだ?」


天満「やっぱり…ドームに効くのは『火』だけなんだ。他の攻撃は、ほとんど効果無いんだ。」


剣斗「な、何だって!じゃ、どうすれば…?」


ドーム「『ダストブレイク』!」


天満「や、やばい!」


皆「うわぁぁぁぁ!」


ゼロ「おやおや、いけないですねこれは。しょうがない、ん?」


?「『ファイアボール』!」


ドーム「グガァァァ!」


皆「!」


?「何やってんの!だらしないよ!」


真雪「『ミラァ』ちゃん!」


ミラァ「イェーイ!後はアタシに任せといて!『ファイアボール』!」


ゼロ「ほう…運がいい。『火』の霊神の使い手ですか。面白くなってきましたね。」


レイダー「暇人だな……完全に。」


ドーム「ググ……『ダストブレイク』!」


真雪「ミラァちゃん!『ブルーシールド』!」


ミラァ「助かったよ真雪!それにしても『ファイアボール』じゃキリがないなぁ…それなら………天満!アイツを足止めしといて!」


天満「え?でも…?」


ミラァ「大丈夫!普通の攻撃なら多少は効くから!」


天満「わ、分かった!剣斗っ!」


剣斗「任せろっ!せいっ!はっ!たぁっ!」


天満「はあぁぁぁ!『空飛連斬クウヒレンザン』っ!」


ドーム「グギァァァ!」


ミラァ「ありがとう二人とも。覚悟してねドームちゃん!トドメだよ!『フレイムストライク』!」


ドーム「ギガァァァ………グ……」


天満「はあはあはあ……。や、やった…!」


皆「やったーーーっっ!」


ミラァ「エヘヘ!ミラァちゃんスッゴイ!」


琴花「ホントだよ!」


真雪「でも、何でミラァちゃんが?」



(ミラァはララァとのやりとりを説明した)



天満「そうか…。でも危険だよ?本当にいいのかい?」


ミラァ「当たり前だよ!アタシも皆と一緒に戦うよ!」


天満「分かったよ。これからよろしく。」


真雪「よろしくねミラァちゃん。」


ミラァ「ミラァでいいってば!友達でしょ!あ、それとこの子も紹介しておくね。」


剣斗「筆?ま、まさかそれ…?」


ミラァ「そう、この子は『火の霊神チェア』だよ。」


チェア「…ねぇ…ミラァ…。チェア……は…恥ずかしいよ…。うう…もう戻って…いい?」


ミラァ「相変わらずシャイだねチェアは!」


?「アンタらはいったい?」


琴花「あ、さっき叫んでた人?」


真雪「怪我はありませんか?」


?「ああ、ありがとう。私はこの『ラグミア』に住んでる『ニル』という。」


天満「あなたが!無事で良かった。ソリッドさんからこれを…。」



(報告書を渡す)



ニル「なるほど、君達が…。わざわざありがとう。人間にもなかなかできる奴がいるんだな。」


天満「ニルさん…。」


ニル「とりあえず、今返書を書く。少し待っててくれ。」


天満「はい。」


ゼロ「なかなか面白かったですね。さて、どうしましょうか?」


レイダー「消すんじゃないのか?」


ゼロ「いえいえ。それよりもっと近くで観察したくなりました。どうでしょう、あの人達の仲間になるというのは?」


レイダー「正気か?何を企んでいる?」


ゼロ「企むだなんて……僕はただ面白いモノが見たいだけなのですから。ふふふ…。」


レイダー「はあ…一体何を考えてることやら……。」


ゼロ「ふふ…。」


ニル「これが返書だ。よろしく頼む。」


天満「分かりました。それでは。」


ニル「本当に感謝する。ありがとう。」


天満「いえ。絶対戦争をくい止めましょうね。」


ニル「もちろんだ。帰りの道中気を付けて。」



(町から出る)



天満「それにしても、何でドームが町にいたんだろ?」


ミラァ「分からない。でも最近、邪霊の力が強くなったり、おとなしい霊神が邪霊化したり、変なことばかり起きてるの。」


天満「それも、戦争と何か関係があるのかな?」


ミラァ「とにかくソリッドにも、『ラグミア』での出来事を話そう。」


天満「そうだね。ところで、さっきは本当にありがとうねミラァ。」


ミラァ「て、照れるじゃない!そんな何度も言わなくていいよ!」


天満「アハハ!ゴメンゴメン。」


真雪「………。」


琴花「あんなに楽しそうにして……天くんのバカ…って顔してるよ。」


真雪「こ、琴花!な、何言ってるのよ!」


琴花「隠してもダメだって!でも扇くんは真雪の気持ちに気付いてるのかなぁ?」


真雪「だからさっきから何言ってるのよ!こ、琴花だって、剣ちゃんとどうなのよ?」


琴花「あ、あんなバカと私がどうにかなるわけないじゃない!私はもっと優しくてカッコイイ人をゲットするのだよ!オホホホホ!」


剣斗「ひ、暇だ…。」


ミラァ「これからどうするんだろ?具体的にどうすれば、戦争を回避できるのかな?」


天満「確かに…。だけど戦争を起こさせないって思ってる人が集まって考え動いてるんだ。必ず争いは止まるさ。俺が、俺達が起こさせない!」


ゼロ「いやぁ〜、さすがは『ディーノ』さん。あなたのお考えに感服致しました。」


皆「!」


天満「誰だ?」


ゼロ「初めまして。僕は『トール地方』の『バルガレア宮殿』に仕える『神官』です。人は僕のことを…。」


皆「…ゴク。」


ゼロ「……『おちゃめなゼロちゃん』て言います!」


皆「………。」


ゼロ「おや…ハズしましたかね?」


レイダー「馬鹿…。」


天満「ん?それは…?」


ゼロ「ああ、この短剣は『氷の霊神レイダー』です。」


天満「え…と、それで何か用ですか?」


ゼロ「実は私も皆さんの力になりたいと思い、声をかけたんです。」


ミラァ「でも、何で神官さんが?」


ゼロ「もちろん戦争を起こさせたくないからです。神に仕える僕にとって、争いは敵ですからね。それで、同盟軍に僕も入りたいと思い、ここまで来たのです。」


皆「………。」


レイダー「ほ、本当に仲間になろうとしてやがる。(ボソ)」


ゼロ「どうでしょうか?」


天満「俺達では決められないから、とりあえず、ソリッドさんに会って下さい。」


ゼロ「ソリッド?」


天満「同盟軍『エデン』の隊長です。」


ゼロ「へぇ……分かりました。」


天満「それでは行こうか。」


ゼロ「はい。」



(『マドラド』に到着)



皆「あっ!」


天満「また、ドームだって!何で?」


ミラァ「考えるのは後だよ天満!」


天満「あ、ああ。」


ゼロ「皆さん。ここは僕に任せて下さい。」


天満「え?」


真雪「一人じゃ危険です!」


ゼロ「まあ、見てて下さい。………とこしえの蒼き霜氷そうひょうよ、我の力となり、さらなる修羅を討ち滅ぼせ……『ラストフリージング』!」


ドーム「ガ?グギャァァァァ!」


皆「!」


天満「い、一発…。しかも『氷属性』で…!」


ミラァ「強力過ぎだからだよ!ドームの耐性を遥かに上まったんだよ!」


天満「い、一体何者なんだ?本当に神官なのか?それに、この威力…!」


ゼロ「ふふ…。」



次回に続く





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