第三十九劇『祝宴』
真雪「みんな…。」
シャウト「無事のようだな。」
ジアス「みたいだな。」
ミラァ「でもホント良かったよ！」
真雪「ありがとう、シャウトさんに、ミラァちゃんに、地門くん。」
ジアス「違ぇよ、今の俺はジアスだ。天満の中にいた時の地門はもういねえよ。だからジアスだ。」
真雪「…うん。」
琴花「真雪…。」
真雪「琴花……琴花ぁ！」
琴花「怖かったよね！待たせてごめんね！真雪ぃ！」
真雪「ううん！信じてたもん！絶対皆が助けてくれるって！怖かったけど…信じてたから！」
剣斗「真雪。」
真雪「剣ちゃん…。」
剣斗「ほらほら、お前の旦那が待ってるぜ！」
琴花「そうだよ真雪！扇くん、本当に頑張ったんだから！」
真雪「剣ちゃん…琴花………天くん…。」
天満「…真雪…。」
真雪「あ…あの…。」
天満「…おかえり、真雪。」
真雪「…た…だい…ま……天くん。」
天満「真雪！」
琴花「うわちゃあ…。」
剣斗「おうおう、熱い熱い！」
ミラァ「はは…。」
シャウト「ミラァ？」
ミラァ「あの二人には割って入る隙なんて無かったんだね…。強い絆で繋がってんだもん……はは…敵わないや…。」
シャウト「ミラァ……本当に大きくなったものだな。体も…心もな。」
天満「真雪…俺…。」
真雪「え…！」
琴花「お！もしかして告白か！」
剣斗「マジで！」
真雪の心「え…ちょっと天くん……こんなところで…皆が見て…。」
天満「俺…いっぱい話したいことがあるんだ！」
真雪「え…？」
剣斗と琴花「はい？」
天満「仲間もいっぱいできたんだよ！」
真雪「え、あ、うん…良かったね！……天くんの馬鹿…。」
天満「ん？何か言った？」
真雪「別に！」
琴花「はぁ……扇くんて……天然…。」
剣斗「アハハ！まあ、あれが天満だけどな！」
サイガ「へぇ、あれが天満の姫さんなんか？」
アイズ「そのようだな。」
サイガ「何やアイズ、知らんかったんか？」
アイズ「一回しか見たことが無かったからな。」
シャウト「本当に終わったのだな…。」
ジアス「これで安心して眠れるだろうよ、ディークもな。」
シンセーテン「本当に長かったね…。」
ジアス「へっ、俺達ができなかったことを、あんなガキがやるとはな。」
シャウト「今回のことで、再認識させられたよ。」
シンセーテン「何を？」
シャウト「一人じゃ、無理だってことさ。」
シンセーテン「そうだね…その通りだよ。」
ジアス「俺は一人でも全然大丈夫だけどな。」
シンセーテン「はいはい、ジアスは強い強い。」
ジアス「テメエ！」
シャウト「はぁ…変わらないな…本当に…。」
ミラァ「アハハ！」
天満「それじゃ『マドラド』に戻ろう！」
にゅう「戻るにゅ〜！戻るにゅ〜！」
（舟に戻る）
天満「あ、『ノア』！無事だったんだ！良かった！『ウェルカ』も…良かった。」
ウェルカ「ほっほっほ。お主らも無事で何よりじゃ。」
ノア「本当に良かったです。」
アイズ「ケガしているのか？」
？「それは私のせいなんです。」
ノア「違うよ『イリス』姉さん！」
天満「姉さん！姉さんだったのか？」
ノア「そうです。僕の大切な家族です。」
イリス「ノア…。」
ウェルカ「いやでも、本当に無事で良かったわい。天満……終わったのじゃな？」
天満「うん…終わったよ。」
シャウト「よしっ！『マドラド』に向かうか！」
ユズキ「あの…もしよろしかったら『メイルーン』に私を降ろして頂けますか？」
シャウト「あ、そうだな。他はどうする？」
ノア「僕達も『バルガレア宮殿』までお願いします。」
シャウト「分かった。ではまず『メイルーン』に行くぞ！」
（『メイルーン』に到着）
ユズキ「長っ！」
海の国の長「ユズキ！」
ユズキ「皆さんの具合は！」
海の国の長「よくやってくれたなユズキよ！皆が氷から解放されたぞ！」
ユズキ「…そ…そうですか…良かった……ゼロは嘘をついていなかった…。」
ミラァ「どうやら、ゼロの言ったとおりだったみたいだね。」
剣斗「みたいだな。」
ユズキ「長、天満さん達です。」
天満「天満です。」
海の国の長「ほう…いい目をしてるのぅ。なるほどの…。」
天満「あの…これを…。」
海の国の長「『クリアソウル』！そうか…『ドリューマ』を止めてくれたんですな。」
天満「これは、長さんが預かっておいて下さい。」
海の国の長「わかりました。天満殿、剣斗殿、ありがとうございますな。」
天満「いえ、じゃユズキさん。」
ユズキ「はい、ありがとうございました。今日は皆の側にいたいんで、明日『マドラド』に行きます。」
天満「うん。」
剣斗「じゃ待ってるよ！」
ユズキ「はい！」
（『バルガレア宮殿』へ）
ノア「ただいま…『サンゼバル』様。」
サンゼバル「待っておったぞ。ノア……イリス…。」
イリス「私は…。」
サンゼバル「これから汗水垂らして働いてもらうぞ！宮殿を立て直すのをのぅ。覚悟するんじゃぞ！」
イリス「…あり…がとう……義父さん…。」
ノア「あは！」
ウェルカ「ワシを忘れとりゃせんか？」
サンゼバル「忘れとったわい。」
ウェルカ「ふん…。」
ノア「ウェルカがすねてる……似合わないですね…。」
サンゼバル「全くじゃ！」
イリス「ふふ…。」
ノア「天満…僕も明日『マドラド』に行きます。」
天満「待ってるよ！」
（『マドラド』に到着）
天満「『ソリッド』さん！」
ソリッド「待ってたぞ天満！とうとうやってくれたな！」
剣斗「しんどかったけどな！」
ミラァ「何かここも久しぶりだなぁ…。」
？「おかえり…ミラァ。」
ミラァ「あ……ラ……ララァーーーっ！」
ララァ「ふふ、たくましくなったじゃない！ミラァ……おかえり……シャウト…。」
シャウト「終わったよ。君にも色々話すことがあるよ。」
ララァ「時間はたっぷりあるわ。」
シャウト「そうだな…。」
ソリッド「でも本当に君達が無事で良かった！」
天満「ありがとうございます。」
ソリッド「……変わったな…天満…。」
天満「え？」
ソリッド「天満だけじゃない。剣斗も琴花も……皆…でかくなったな…。真雪も無事で良かった。」
真雪「はい！」
ララァ「天満さん…。」
天満「ララァさん！あなたに教えてもらったこと、本当に僕を助けてくれました！ありがとうございました！」
ララァ「私は何もしていません。ただ戦い方を教えて差し上げただけです。」
天満「そんなことないです！僕は本当に感謝しています！」
ララァ「ふふ、ミラァ…貴方もよく頑張ったね。」
ミラァ「ララァ…えへへ！」
ソリッド「さあ、今日は宴だ！思う存分楽しんでくれっ！」
（宴の最中）
ララァ「そう…司郎さんが…。」
シャウト「ああ…相変わらずの馬鹿だったよ。」
ララァ「ミラァ…今まで言えなくてごめんね。」
ミラァ「ううん……アタシのためを思ってのことだもん。」
ララァ「ミラァ…。」
ミラァ「アタシ、天満達と旅ができて本当に良かった！前よりずぅっと強くなった気がするもん！」
シャウト「ふふ…。」
ララァ「おかえり…ミラァ…。」
ミラァ「ただいま…お母さん！」
（アイズは）
アイズ「これからどうするんだ？」
サイガ「ワイにはやらなあかんことがある。」
アイズ「ゼロが言ってたことだろ？確か…『ハクウェル研究所』…。」
サイガ「…。」
アイズ「話してくれ…サイガ。」
サイガ「…お前のためや…。」
アイズ「え？」
サイガ「それは…。」
（ジアスは）
ジアス「ふぅ…。」
シンセーテン「何しんみりしてるの？似合わないよ？」
ジアス「うるせえ！」
シンセーテン「月か…綺麗だね。ディークのことを考えてるんでしょ？」
ジアス「アイツは…幸せだったかな？」
シンセーテン「幸せだって。」
ジアス「なんでだ？」
シンセーテン「僕達が生きてるからだよ。ディークの幸せは、僕達が幸せに生きることだもの。」
ジアス「そう…だったな…。」
シンセーテン「だからきっと笑ってるよ！」
ジアス「イヤミな笑いでな！」
シンセーテン「アハハ！月に…ディークに乾杯だよ！」
ジアス「ああ…。」
（剣斗は）
剣斗「やっと終わったって感じだな。」
琴花「お互い生きてて良かったね。」
剣斗「全くだ！………琴花。」
琴花「何よ。」
剣斗「生きていてありがとうな。」
琴花「剣斗………私こそ。」
剣斗「お前がいてくれたから頑張れた。サンキュ！」
琴花「私だって…。」
剣斗「お前のツッコミあっての俺だからな！」
琴花「何それ！それだけの存在かい！」
剣斗「アハハ！冗談だって………ありがとうな。」
琴花「こちらこそ…。」
（天満は）
天満「というわけだよ。」
真雪「本当に色々あったのね。」
天満「…真雪…ごめんな。」
真雪「え？」
天満「俺が連れてきたせいで、真雪にこんな…。」
真雪「でも…助けてくれたでしょ？」
天満「真雪…。」
真雪「ずっと信じて待ってたもの。天くんが助けに来てくれるって。」
天満「真雪！」
真雪「え！て、天くん！」
天満「本当に無事で良かった！大好きだよ…真雪…。」
真雪「私も…好き…天くんが大好き！」
天満「真雪…。」
真雪「天くん…。」
にゅう「何してるにゅ？」
天満「のわぁっ！にゅ、にゅう！」
にゅう「何してたにゅ？にゅ〜にゅ〜、何してたにゅ〜？」
天満「な、何もしてないよ！な、なあ真雪！」
真雪「かわいい…。」
天満「へ？」
真雪「にゅう…だっけ？私真雪、よろしくね！」
にゅう「真雪…天満の恋人にゅ〜？」
真雪「へ？」
天満「な、何を！違うって！」
剣斗「そう違う！恋人なんて小さなものではないのだ、この二人はもう夫婦なのだ！」
にゅう「にゅーっ！凄いにゅーっ！」
真雪「ちょっと剣ちゃん！」
天満「おい剣斗……覗いてたな？」
剣斗「覗くなんて……ただ俺は温かく見守ってただけさ！」
天満「そ、それを覗きというんだよ！あ、こら、逃げるな！」
琴花「あ〜あ、いいトコだったのになぁ。」
真雪「琴花まで！もうっ！馬鹿ぁぁぁーーーーっ！」
（翌日）
天満「もうすぐノア達が来るかな？」
ノア「天満！」
天満「ノア！あれ？イリスさんは？」
ノア「姉さんは宮殿だよ。」
天満「そうか。」
剣斗「ユズキさんも来たぜ！」
ユズキ「皆さん！」
シャウト「これで全員揃ったな。」
？「そうですねぇ。揃いましたね。」
天満「『ゼロ』！」
ゼロ「お久しぶりです皆さん。」
剣斗「何しに来やがった！」
ゼロ「いえ、ただ挨拶をしておこうかなと。戻られるんでしょ？人間界に。」
天満「ああ…。」
ゼロ「ネオス様を救って頂きありがとうございました。」
天満「…アンタは帰らないのか？」
ゼロ「僕にはこの世界の方が合ってますからね。」
天満「そうか…。」
ゼロ「ふふ…では皆さん…ご機嫌よう…。あ、でももしかしたら、また近いうちに会えるかも！」
ミラァ「行っちゃった…。」
剣斗「アイツだけはホント分からん。」
天満「じゃあミラァ、『あそこ』に案内してくれるかい？」
ミラァ「うん！」
次回に続く
