第三十八劇『終戦』
天満「ぐわぁぁぁっっ!」
アーミア「天満さんっ!」
ネオス「あはははは!いいぞ!実に気分がいい!」
アーミア「もう止めて!アオス!」
ネオス「アーミア……危険だからこの中に…!」
アーミア「何?きゃぁぁぁっっ!」
にゅう「アーミアがネオスの『錬』に囲まれたにゅ〜!」
天満「ぐ…何だって…!くそっ!真雪を放せっ!」
ネオス「かなり強引な手だが…仕方ない…僕の『錬』で、完全にアーミアを覚醒させ、真雪という人格を破壊してやる!」
天満「くそぉぉぉーーーっっっ!」
ネオス「『デビルズジャッジ』!」
天満「あ、剣がっ!ぐ…ぐぅぅぅわぁぁぁぁっっっ!」
シンセーテン「天満!」
ネオス「あはははは!弱い弱い!」
天満「く…そ…。」
ネオス「トドメだぁぁぁーーーっ!」
にゅう「にゅーっっ!」
シンセーテン「天満ぁぁっ!」
天満「くそ……ここまでか……真雪……!」
ネオス「あはははは!終わったぞ!終わったぞぉっ!あはははは!」
?「何を高笑いしてんだ?あ?ネオスよぉ!」
ネオス「何だと…!」
天満「『ジアス』……みんな…!」
ジアス「へっ!やっぱりまだまだだな天満よぉ!そんなんじゃディークに笑われるぜ!」
シャウト「素直じゃないなジアス。天満のことが心配で、一番急いでたくせにな。」
ジアス「うるせえっ!そんなんじゃねえよ!今のコイツじゃ、あのネオスはキツイだろうが!」
シンセーテン「それが心配って言うんだよ…。」
ジアス「コイツは何もかも一人でしようとしやがるから、俺がこうやって…!」
シンセーテン「はいはい、分かった分かった。君は他人のこと言えないでしょ…(ボソ)」
ジアス「テメエな!」
シャウト「よさないか二人とも!」
ミラァ「そうそう、そんなことしてる場合じゃないじゃんか!大丈夫、天満?」
天満「ミラァ…。」
ユズキ「あまり一人で無茶をなさらないで下さいね。」
琴花「でもまあ、ネオスを扇くんに押し付けたのは、私らだけどね…。」
天満「ユズキさん…琴花…。」
剣斗「おいおい、ボロボロじゃねえかよ!」
アイズ「全くだ!もしかして、お前はもう諦めるのか?」
天満「剣斗……アイズも……みんな…無事だったのか…。」
剣斗「またお前の悪いクセが出てるぞ!今は自分のことを考えるべきだろうが!」
アイズ「僕は自分を信じてる天満に、ネオスを任せたはずなんだがな!」
天満「あ……ごめん…。」
剣斗「他人を気にしすぎて、自分のことを無関心になる!本当に悪いクセだっつうの!」
天満「ごめん…。」
剣斗「な〜んてな!まあ、そこがお前のいいトコでもあんだけどな!」
天満「剣斗…。」
アイズ「だからといって、諦めるとは許せることじゃないぞ!」
天満「…アイズ。」
アイズ「僕はお前に託した。何故だと思う?」
天満「え?」
アイズ「信じたからだ。天満なら必ず、命を諦めずに、生きていてくれる。そう信じたから、僕はお前に託した……いや…僕だけじゃない、ここにいる奴ら、お前が今まで触れてきた者が、お前に託したんだ!天満になら、全てを託せるとな!」
天満「アイズ……みんな…。」
シャウト「そのとおりだ!私は天満を信じているぞ。」
ミラァ「アタシはずぅーっと信じてるもんね!天満ならやれるって!」
ユズキ「ええ…ここにいないですが、ノアさんも、そして私も、もちろん信じています。」
ジアス「昔のように、何もできねえ、守れねえ馬鹿じゃ、もうねえだろうが!根性見せやがれ!」
琴花「中途半端は駄目だよ!真雪を助けんでしょ!」
剣斗「そうだぜ!真雪を助けられんのは、天満だけなんだからな!」
にゅう「そうにゅ〜!そうにゅ〜!天満だけにゅ〜!」
天満「…みんな…。」
アイズ「…もう一度聞くぞ。」
天満「アイズ…。」
アイズ「もう諦めるのか?」
天満「……ごめん…みんな…。」
剣斗「天満…。」
天満「馬鹿だよな俺……俺にはみんながいるのに…。」
シャウト「うむ。」
天満「俺は……諦めない!」
剣斗「天満!」
天満「俺は真雪を救う!もう諦めたりするもんか!真雪を救う!そのために、ここまで来たんだ!」
サイガ「これが『ディーノ』なんか…。」
ジアス「へっ!」
シンセーテン「『翡翠眼』になったね。」
ネオス「いつまでそうしているんだい?退屈だよ……『ディーノ』…。」
天満「みんなが俺を支えていてくれる…信じてくれる…。俺はもう…負けないっ!行くぞ、ネオス!」
ミラァ「いっけーーーっ!」
ネオス「お前らは存在してはいけないんだっ!」
天満「誰もが必死で生きてる!明日があるから、そう信じて、必死になれるんだっ!」
ネオス「それを踏みにじったのは誰だっ!」
天満「……確かに…酷いことをする人達はいるよ!それは俺自身分かっている!」
ネオス「そうだっ!生きる価値など無いんだっ!」
天満「命はただそこにあるだけで、素晴らしいモノなんだ!」
ネオス「くっ!だが僕は奪われたんだぞ!」
天満「ぐわっ!…確かに…お前が奪われたモノは…もう取り戻せない。」
ネオス「取り戻せるさっ!この娘の体を使えばなっ!」
天満「いいや!取り戻させない!俺の大切な人は、奪わせないっ!」
ネオス「黙れっ!正しいのは僕だっ!」
天満「お前は間違ってるんだっ!」
ネオス「ぐ……『ドリューマ』よ!我に力を!」
天満「ディーク!俺に力を貸してくれっ!アイツを、お前の親友を止めたいんだっ!」
ネオス「ディークは死んだ!僕に負けたんだっ!僕の正しさに負けたから死んだっ!」
天満「ディークは負けてない!お前が生きてることが、ディークの信念が勝っている証だっ!」
ネオス「くっ!何を!」
天満「ディークはお前を信じた!だから生きてるんじゃないのか!お前は!」
ネオス「だ、黙れっ!」
天満「ディークは……ディークは最後までお前を信じた!」
ネオス「ぐっ…!」
天満「もう分かってるだろ……親友のお前なら…。」
ネオス「う…うるさい…!」
天満「ディークはお前を殺しはしなかった。一度だけじゃなく、二度目の時も殺しはしなかった。」
ネオス「それは奴が弱かったからだ!」
天満「違うっ!」
ネオス「う…。」
天満「この『翡翠眼』が全てを教えてくれたよ。ディークは……お前を殺せなかった…。殺したくなかった…。だから再び封印した。もう…お前と戦いたくないから、自分の命と引き換えにして…。お前がいつか……再び…エルフ達を信じられる日が来ることを願って…。」
ネオス「……。」
天満「はぁ……でもディークも卑怯だよな…。自分は親友と戦いたくないから、俺を創って……他人任せにした……でも…それだけネオスが好きだったんだ。大切な友だったから…。」
ネオス「……もういい…。」
天満「…。」
ネオス「…アイツは馬鹿だよ……戦っている時も…涙なんか流して…。馬鹿みたいに…僕のことを信じて疑わなかった…。僕を殺せたはずだったのに…。」
天満「そこまで分かってて、何故戦わなきゃならないんだ?」
ネオス「…もう…戻れないんだよ…。僕の心は憎悪でいっぱいだ。もう引き返せないんだよ。」
天満「何でだ!」
ネオス「僕はもう決めたんだっ!僕は僕の信じた道を進む!」
天満「く……そうか…。」
ネオス「僕は『破壊神』としてここに立つ。それを止めたいなら、止めてみろっ!ディークの後継者『ディーノ』……いや…扇天満!」
天満「ディークの想いと一緒に……お前を止める!互いに譲れないモノがある!それを懸けて決着をつけるっ!」
ネオス「ああ…これで全てが…。僕は勝つ!アーミアと一緒に生きるんだっ!」
天満「真雪は渡さないっ!俺の全てで絶対勝つ!」
ネオス「………。」
天満「………。」
ミラァ「何で二人とも動かないの?」
シャウト「お互いに次が最後だからだ。一撃に全てを込めてるんだ!」
ジアス「気付いてるかシャウト。」
シャウト「ああ…ネオスの奴…。」
ジアス「『ドリューマ』の意識に勝ってやがる!」
琴花「ちょっとちょっと!それって!」
ジアス「今の奴は強ぇぜ。手がつけられないくらいにな。」
ユズキ「勝てるのでしょうか?」
剣斗「勝つ!天満は負けないって!なあ、アイズ。」
アイズ「僕は天満に任せたんだ。勝たなきゃ許さない。」
サイガ「せやな…お前が信じてる男なんや…ワイも信じるで。」
にゅう「頑張れにゅ〜!応援するにゅ〜!」
ネオス「………。」
天満「………。」
ネオス「…最後だっ!」
天満「最後だっ!」
ネオス「『ファイナリティ・カオスエンド』ッッッ!」
天満「行くぞシンセーテン!ふんばってくれっ!」
シンセーテン「全部ぶつけるよっ!」
天満「ネオスッ!これで…終わりだっ!ディーク…『月天皇舞』っっっ!」
ネオス「なっ!それはディークの技っ!くっ!」
二人「うおぉぉぉーーーーーーーっっっ!」
ネオス「僕は…僕はぁぁぁーーーっっっ!」
天満「人は変われる!人が変われば、世界だって変われるんだぁぁぁーーーーーっっっ!」
皆「いけぇぇぇーーーーーっっっ!」
天満「うおぉぉぉーーーーーーっっっ!」
ネオス「…ふ……。」
天満「はあはあはあはあ……う…。」
剣斗「天満!大丈夫か!天満!」
天満「…真…雪…は……?」
ネオス「…こ…ここだよ…。」
アイズ「ネオスッ!」
天満「真雪…ぐ……真雪…。」
真雪「う…。」
天満「真雪!」
真雪「て…天…く……ん…。」
天満「ま…真雪…良かった!」
真雪「ありがとう……天くん……会いたかった…。」
天満「真雪!」
ネオス「アーミア…君は…。」
シャウト「ネオス…お前…。」
ネオス「負けたよ……僕が守れなかったモノを…君は守った………完全に…僕の負けだ…。」
天満「ネオス……ネオス!体が!」
ネオス「これが…『ドリューマ』を取り込んだ報いなんだよ……力を完全に制御できなかった……もうすぐ…自然に還るんだ…。」
シャウト「ネオス…ディークは…。」
ネオス「分かってる……分かってるよ…ディーク……それでも僕は…この道を選んでしまったから…。」
天満「…ネオス…。」
ネオス「天満……強かったよ…。」
天満「ネオスもね…。」
真雪「あ、あの…。」
ネオス「ん?」
真雪「アーミアさんが……ごめんねアオス…だそうです。」
ネオス「そうか……ありがとう。はぁ…これで僕は完全に一人だな…。」
?「そんなことは無いぞアオス。」
?「そうよアオス。」
?「パパには私達がいるでしょ!」
ネオス「『ディーク』!『アーミア』!『ミーファ』!」
ディーク「世話がやけるな、全く…。」
アーミア「そうね…。」
ミーファ「本当だよ!」
ネオス「そうか……迎えに来てくれたんだね……ありがとう…。」
天満「ネオス…。」
ネオス「死は…優しいな……こんなにも優しかったんだね…。」
ディーク「では行こうか。」
アーミア「行きましょう。」
ミーファ「行こうよ!」
ネオス「ああ…行こう…案内してくれ……僕は…もう一人じゃ……無いんだね……嬉しいなぁ…。」
天満「ネオス……さよなら…。」
(ゼロは)
ゼロ「また…いつかお会いしましょう。ご機嫌よう…ネオス様…。」
次回に続く