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第三十四劇『正義』

天満「『ドリューマ』の復活なんて絶対させないぞネオス!お前のしていることは、お前の大切なモノを奪った王達と同じだ!」


ネオス「うるさい…。」


天満「自分達のために罪のない者達を次々と殺した王達と全く同じだ!」


ネオス「黙れっ!『カオスエンド』ッ!」


天満「ぐわぁぁぁっ!」


ネオス「僕は天地を統べる神だ!『天神地祇』は我が『黒皇』だけだ!偽りの国や王など、この世界には必要ない!」


天神「ぐ…そこで必死に暮らしている者達がいる。ただ明日のために毎日を生きてる。それを踏みにじるお前の行いを許すことはできない!」


ネオス「ふ…我が一部が降臨するまで相手をしてやるよ!」


天神「俺は……俺はお前を倒す!」


ネオス「…分からないな。何故命を懸けてまで戦おうとする?」


天満「確かに…この『オルテナ』に来て、まだそんなに経ってない…。そんなに思い入れもないかもしれない…。」


ネオス「…。」


天満「だけど!」


ネオス「!」


天満「死なせたくない人達がいるから!」


ネオス「くだらな…。」


天満「くだらないなんて言わせないぞ!」


ネオス「な!」


天満「お前にも守りたい大切なモノがあった…いや…あるはずだ!」


ネオス「ぐ…。」


天満「お前の怒りは理解はできる…。だがお前のやろうとしてることは多くの人達を不幸にする!」


ネオス「理解は出来ても納得出来ないということか…。」


天満「俺はこの世界に来て、たくさんのエルフと知り合った。みんな自分達の世界を守ろうと必死に戦ってる。」


ネオス「この醜い世界をかい?」


天満「エルフも人間も成長できる生き物だ!そして変われる生き物だ!」


ネオス「変われなどしない!」


天満「いいや!変われる!そして変われば、世界も変わるんだ!」


ネオス「幻想だ!」


天満「俺達一人一人の想い…世界を変えたいと想う心…それがあれば大丈夫だ!」


ネオス「そんなのは理想でしかない!」


天満「最初は小さな理想でも……その想いを持つ者達が増えれば、世界は変わるんだ!理想は現実になるんだ!」


ネオス「エルフや人間はそんなに綺麗じゃない!」


天満「それでも俺達は生きてるんだ!自分の生きてる世界が好きだから!だから守る!生きたいから!」


ネオス「変わること…など……出来るかっ!」


天満「お互いに譲れない願いがある。だがお前の思想は間違ってる!」


ネオス「力もない、ただ群れることと、争いを生む手しか持っていない者達に未来なんてあるものかっ!」


天満「なら見せてやるよ!俺達の想いの力を!未来がある証拠を!」


ネオス「僕が正しいんだっ!」


天満「皆の想いと一緒に戦う!俺は俺の全身を持って、お前を止める!」


ネオス「なら僕は僕の全霊を込めて、お前を討つ!」


天満「行くぞ!ネオス!」


ネオス「来い!『ディーノ』!」


天満「『爆燕天斬バクエンテンザン』!」


ネオス「『ダークネスゲイル』!」


天満「くっ……互角か!なら『襲双天翔シュウソウテンショウ』!」


ネオス「ちぃ……『カオスレイン』!」


天満「負けるかっ!」


ネオス「負けだっ!」


天満「ぐわぁぁっっっ!」


ネオス「こんなもんかっ!情けないね、後継者!」


天満「まだだ……。」


ネオス「ん?」


天満「間違ってるお前なんかに負けるかっ!」


ネオス「ディーノォォォーーーっっっ!」


天満「はあぁぁぁぁぁっっっ!」


ネオス「はあぁぁぁぁぁっっっ!」


天満「『空牙天星破クウガテンセイハ』!」


ネオス「『グランド・デス』!」


二人「うわぁぁぁっっっ!」


天満「はあはあはあ…。」


ネオス「はあはあはあ……馬鹿な……これほど…。」


天満「はあはあ…この世界では…想いの強さが力になる。」


ネオス「僕の想いがお前に劣っているというのか!」


天満「確かに…お前の想いは強いだろうさ…。だがお前は一人だ…。俺には…皆がついてる。俺は一人じゃない!」


ネオス「こざかしいわぁぁぁぁっっっ!」


天満「シンセーテン!」


シンセーテン「うん!アイツを倒すよ!」


天満「『超霊化』だ!」


ネオス「何!その体でまだ!」


天満「言っただろ?俺は皆と一緒に戦ってる。皆の想いが俺を支えてくれる!」


ネオス「くっ!」


天満「『白皇天竜刃』っっっ!」


ネオス「ぐっ……『クリムゾンデルタ』!」


天満「ぐぅっ!」


ネオス「ははは!僕は負けない!不滅だ!」


天満「お…俺は……か…勝つ…んだ……勝つんだぁぁぁーーーーーーーーーっっっ!」


ネオス「何だと!ぐ…ぐわぁぁぁーーーーーーーーっっっ!」


天満「はあはあはあ……ぐぅっ!」


シンセーテン「天満!」


天満「さ…すがに……二度目は……き…きつ…い…な…。」


シンセーテン「よくやったよ天満!本当に…。」


天満「そう…だ…真雪は……。」


シンセーテン「あそこだよ!」


天満「真雪!ぐ……真雪…。シンセーテン?」


シンセーテン「へへ…僕も体が……天満は真雪のとこに…行ってあげて。」


天満「君も一緒だよ。ぐぅっ!」


シンセーテン「天満!……ありがとう。」


天満「真雪!真雪!」


シンセーテン「でも確か今はアーミアのはずだけど…。」


アーミア「う…。」


天満「真雪!」


アーミア「あなたは…天満さんですね。」


天満「!」


シンセーテン「アーミアか…。」


天満「くそ…。」


アーミア「そんな悲しい顔をしないで下さい。大丈夫です。真雪さんはまだ消えていません。」


天満「本当に!」


アーミア「はい。私はもともと生きているわけじゃありません。真雪さんの中に残留思念として存在していただけですから。今はネオスの手によって一時的に強く出ているだけです。ですから安心して下さい。」


天満「よ…良かったぁ…。」


にゅう「本当に良かったにゅ〜!」


天満「に、にゅうっ!何で!残ったはずじゃ!」


にゅう「天満が心配でついてきたにゅ〜!」


天満「はあ…全く……にゅう…君には負けるよ…はは…。」


にゅう「にゅ〜!にゅ〜!にゅ〜!にゅ〜!」


アーミア「かわいい…。」


天満「何か言った?」


アーミア「な、何でもないです!」


天満「そう?ならいいけど。」


シンセーテン「みんなは大丈夫かな?」


天満「大丈夫さ。みんなは強いから。」


アーミア「あの…『アオス』はやはり…。」


シンセーテン「うん…天満が倒したよ。」


アーミア「そう…ですか…。」


天満「君にとっては複雑だろうけど……でも…。」


アーミア「いえ、いいんです。…彼は……昔の『アオス』は本当に優しい人でした。」


天満「うん…ディークも『アオス』を信じてた。いや…もしかしたらディークは今も…。」


アーミア「あの二人が争うなんて、本当に考えられませんでした。お互いを信じ、助け合い、本当に親友同士と呼ぶにふさわしい二人でした。」


天満「でも王達に君を殺され、『アオス』は『破壊神』として再びディークと相対した。」


にゅう「でもにゅ…アーミアは何でイジメられてたにゅ〜?」


アーミア「王達にですか?」


にゅう「そうにゅ〜!」


アーミア「私は『光の民』の中でも、『特別』だったからです。」


天満「『特別』?」


アーミア「はい。『オルフェリア』の声を直接受け取っていたのは私なんです。」


天満「え?『光の民』なら、全員聞けるんじゃないのかい?」


アーミア「正しくは、私一人で声を聞けたんです。」


シンセーテン「…そうか……一人一人が声を聞けるなら、わざわざ『光の民』を何人も作る必要はないもんね。」


天満「あ、そうか!『光の民』が皆で集まって、初めて声を聞けるのか!」


アーミア「はい。一人一人の『伝心の光』は弱いんです。ですから神の声を聞くために、皆の光を集めるのが普通だったんです。」


シンセーテン「だけど、アーミアだけが、一人でも声を聞けた。」


にゅう「アーミアすごいにゅ〜!」


天満「ということは…アーミアさんの『伝心の光』は、『光の民』の中でも、極めて強かったんだね。」


アーミア「はい。」


シンセーテン「その『特別』が王達の目に止まり、調べるために、君は捕えられたんだね。」


アーミア「はい…。」


天満「それでその結果、『ドリューマ』を封印するために、君の命が使われた。」


シンセーテン「もとは『ドリューマ』と相対する『オルフェリア』から生まれた種族だからね。相反する力だからこそ、封印するのにはもってこいだったんだね。しかもアーミアはその中でも強力。ディークが命を使い、相対するアオスを封印したように、君も命を封印に使われた。」


アーミア「少し…違います。」


天満「何が違うの?」


アーミア「私は自ら、この身を差し出したんです。」


天満「え!どういうこと?」


アーミア「確かに、王達に捕まり、色々な実験もされました。特にエーテル王には…。」


にゅう「ひどいにゅ…。」


アーミア「だけど…ラフォール王は…私を助けてくれたんです。」



(アーミアの過去)



ディーク「では行こうか『アオス』。」


アオス「ああ。じゃあアーミア…。」


アーミア「どうか気を付けて…アオス……ディークも…。」


アオス「君が好きなこの世界…僕が守る。それが…かつて世界を支配して、霊神達を苦しめていた僕の償いだから…。」


アーミア「アオス…。」


ディーク「我々を生み出した親を止められるのは、やはり我々だけだからな。」


アオス「ああ。行こう!アーミアも気を付けて…。安全なところへ避難していて。『ミーファ』と一緒に。」


アーミア「うん…。」


アオス「行こうディーク!」


アーミア「気を付けて…アオス…。」



(数日後)



光の民1「うわぁぁぁっ!」


アーミア「ん?何かあったのかしら?…あれは!何故王軍の兵士が!」


兵士1「一人残らず捕えるんだ!我がエーテル王の命令だ!抵抗する者はかまわん、殺せっ!」


光の民2「やめ……ぐわぁぁぁっっっ!」


アーミア「嘘……はっ!」


兵士2「さあ、お前も来い!」


アーミア「嫌…!」


?「ママ…?」


アーミア「『ミーファ』!来ちゃ駄目!」


ミーファ「え?」


兵士2「何だガキか。お前も来い!」


ミーファ「あんた誰?」


兵士2「黙って従え!」


ミーファ「は?あんた何言ってんの?」


兵士2「いいから黙れ!」


ミーファ「意味分からないんだけど?」


兵士2「ええいっ、うるさいっ!…なっ!」


?「へ、女の子に手をあげんなよ!」


ミーファ「『レイダー』!」


兵士2「霊神だと?」


アーミア「二人とも、止めなさい!静かにしてなさい…。」


ミーファ「何でよママ!」


レイダー「そうだぜ!コイツら程度…俺が!」


アーミア「駄目っ!お願い…。」


ミーファ「ママ……分かった…。」


レイダー「ちっ…。」


兵士2「よ…よし、ついてこい!」


アーミア「行きましょう。」


ミーファ「ママ…何でなの?レイダーなら…。」


アーミア「そんなことをすれば、私達が助かっても他の者が…殺されるかもしれない。大丈夫よ……アオスがきっと来てくれるわ。」


ミーファ「…うん…分かった。」



(アーミア達は『エーテル城』へ)



兵士1「連行完遂致しました!」


エーテル王「ご苦労。ほう…これが『光の民』か…。」


ミーファ「あれが王…?嫌な顔…。」


アーミア「しっ!黙ってなさい!」


エーテル王「ところでアーミアという者は誰か?」


アーミア「え?」


エーテル王「ほう…お前か?なら他の者にはもう用は無い。『錬』を取り……殺せ…。」


アーミア「!」


エーテル王「本当の神を履き違えてる種族など……生きる価値は無い。」


アーミア「これが王なの…?」


エーテル王「意外か?これが王だ……世を統べる神なのだよ!さあ、我を崇めよ!ふふ…。」



次回に続く





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