表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/40

第十八劇『疾風』

シンセーテン「な〜にが、アンダスタ〜ンド?だよ!」


バラード「あらん!そのキューティなお声はん!」


シンセーテン「久しぶりだねバラード。」


バラード「やっぱりシンセーテン様ん!」


シャウト「相変わらずのようだな。」


バラード「その渋いお声はん?シャウト様ん!お二人揃ってどうしましたねん?」


シャウト「実はだな…。」



(理由を説明)



バラード「なるほどねん。ディーク様のお舟を……。わかりましたわん。ですがその者達を通す訳にはいきませんわん。」


剣斗「何でだよ!」


バラード「好みじゃないからだわん。特にアナタはねん。」


剣斗「な、関係ないだろ!このクネクネオカマ!」


シンセーテン「ああ!その言葉は駄目…。」


バラード「オ…カマ?」


剣斗「な、何だよ!」


バラード「今、オカマっつたか?お?」


剣斗「へ…?く、口調が…?」


バラード「ふざけんなよコラァ!あ?お?俺のどこがオカマなんだよ?調子に乗ってんなよ?は?お?死なすぞぉ〜?このクサレブタが!あの世に行くか?ああ?」


剣斗「ふ、普通に喋れんだったら、そうしろよ!」


バラード「うるせえな!テメエに何か迷惑かけたかぁ?お?え?殺すぞぉ〜?」


剣斗「す、すいませんした…。」


シンセーテン「はあ…。」


ノア「何ですかアレ?」


シャウト「この山の守人だ。いわゆる門番みたいなものだ。」


ノア「そうなんですか。それにしても…凄い方ですね。」


シンセーテン「バラードはね、オカマ呼ばわりされたら、スイッチが入ってしまうんだよ。普段はただウルサイだけの奴なんだけど、一度スイッチが入るとああなる…。」


天満「バラードさん。」


バラード「ああ?…!ディーク様ん!何故ディーク様が!?」


シンセーテン「違うよバラード。よく見てみなよ。彼は『ディーノ』だよ。」


バラード「え?……似ている…わん。そうですかねん…。お会いしとうございました『ディーノ』様ん。」


天満「バラードさん、どうかここを通して欲しいんだ。」


バラード「バラードとお呼び下さいねん。もちろん『ディーノ』様なら、お止めする理由はありませんわん。ですがこの神聖な場所に、どこの誰とも分からぬ者達を通す訳には参りませんわん。」


天満「どうしても?」


バラード「ディーク様の意思を守るのが、私の役目でございますわん。」


シンセーテン「ディークの意思がここを通せと言ってると言ったら?」


バラード「そうなのですかねん?」


天満「俺の意思がディークの意思なのかは分からない。だけど、俺達はどうしても舟がいるんだ。頼むバラード!通してくれ!」


バラード「了解しましたわん。ただし一つ条件がございますわん。」


天満「条件?」


バラード「あの者達を試させて下さいねん。」


天満「え?」


バラード「あの者達を見極めさせて頂きたいですわん。」


天満「で、でも…。」


剣斗「いいぜ!」


天満「剣斗!」


琴花「何するか分からないけど、いいよ!」


ミラァ「アタシだって!」


アイズ「試されるのは気にくわないが、面白そうだ。」


ノア「そうですね。」


ユズキ「私もです。」


天満「みんな…。」


シンセーテン「それで、どうするのバラード?」


バラード「むふふん、簡単ですわん。それはん……。」


アイズ「戦いか?」


剣斗「それとも、また鏡の試練みたいなのか?」


ミラァ「どちらにしろ、覚悟がいるよね。」


バラード「鬼ゴッコねぇぇぇん!」


皆「へ………。」


剣斗「お、鬼ゴッコぉ?」


アイズ「く、くだらん。」


ミラァ「そんなのでいいの?」


バラード「とにかくアチキを捕まえてみなさいねん。どんな手を使ってもいいわよん。もちろんアチキを殺すつもりでもいいわよん。」


剣斗「な、何か拍子抜けだけど、まあいいや。とにかく、すぐ終わらせてやる。」


アイズ「ん?ちょっと待てよ…。アイツ…。」


バラード「むふふん。では始めるわよん。時間は一時間よん。それでは、始めねんっ!」


剣斗「さっさと終わらせてやる!はっ!」


バラード「へえ〜『法術』ですわねん。少〜しはできるみたいですわねん。」


剣斗「もらったぁ!」


バラード「むふふん。」


ノア「な、バラードが増えた!」


バラード「すぐ終わらせてみなさいねん。できるものならねん。」


天満「す、凄い!一体何だ?」


シンセーテン「ただ単に早く動いてるだけだよ。」


天満「ということは、これって残像なのか?」


剣斗「はあはあはあ…くそ…どれが本体か分からない…。」


琴花「はあはあはあ…速すぎ…。」


ミラァ「はあはあはあ…『法術』使ってもついていけないなんて…。」


ノア「はあはあはあ…何か…手はないか…?」


ユズキ「はあはあはあ…さすがは守人ですね…。」


バラード「ほらほらん、あと〜三十分しかないわよん。」


アイズ「『疾風丸ハヤテマル』か…。」


バラード「へえ…懐かしい名前だわねん。よ〜くご存知ねん。」


アイズ「暗殺者が守人だとはな。」


剣斗「どういうことだ?」


アイズ「言葉のとおりだ。昔はバラードと呼ばれてはいなかった。金を出せば、どんな奴も殺す、名も無き暗殺者。その手際があまりにも刹那的で、神速をもって仕事をこなすことから、『疾風丸』と呼ばれたんだ。」


バラード「詳しいのねん。そうよん、アチキは元暗殺者よん。ディーク様に会ってアチキは暗殺者をやめたけどねん。」


アイズ「何故やめたんだ?」


バラード「あの方に名前を頂いたのよん。昔のアチキは名前なんて無かったのよん。知ってる…名前の無い地獄を…。そんな地獄からディーク様は救ってくれたのよん。だからアチキはあの方のために生きるって決めたのよん。ああそうそう、ディーク様はアチキを簡単に捕まえたわよん。」


天満「!」


バラード「さあ〜時間が無いわよん。」


天満「俺もやる!」


バラード「『ディーノ』様?アナタはこんなことをなさらなくてもよろしいんですわよん?」


天満「いや、俺もやる!ディークには出来たんだろ?だったら俺も負けてられないよ!」


バラード「ですが…。」


天満「捕まえてやるよ!君の足は俺が止めてやる!」


バラード「ふ、不可能ですわよん…。」


天満「だったら、可能に変えてやるさ。」



(バラードの過去)



疾風丸「アンタにアチキは止められないわよん。アンタだけじゃない、誰もアチキを…。」


ディーク「何て悲しい目なんだろう。君の闇には光は無いのかい?」


疾風丸「黙りなさい!殺すわよん!」


ディーク「君の名前は何て言うんだい?」


疾風丸「ふん。知っててアチキに会いにきたんじゃないのん?アチキは『疾風丸』よん。」


ディーク「私が聞きたいのは君の名前だ。」


疾風丸「…!アンタに教える義務なんてないわよん!」


ディーク「無いのか。」


疾風丸「か、勝手に決めないでよん!アチキは…アチキは…。」


ディーク「辛いだろうな。名前が無い地獄はとても辛いよな。」


疾風丸「な、何泣いてるのよん?アンタには関係無いじゃない…。」


ディーク「すまない。」


疾風丸「もういいわん!アンタといるとおかしくなるわん!行くわよん!」


ディーク「君の足は私が止める。」


疾風丸「不可能よんっ!」


ディーク「だったら、可能に変えてみるさ。」



(数分後)



疾風丸「そ、そんな…こんな簡単に。」


ディーク「バラード…。」


疾風丸「え?」


ディーク「君の名前だよ。どうかな?」


疾風丸「な、何勝手なこと言ってんのよん!」


ディーク「バラード…意味は……『暖かな光』。」


疾風丸「バラード…。」


ディーク「私についてきてほしい。君は…光に生きるんだ。」


疾風丸「アンタ…。」



(現在へ)



バラード「あの時と同じですわねん。行きますわよん『ディーノ』様ん!」


天満「ああ!」


剣斗「天満!」


バラード「さすがは『ディーノ』様ん!早いわねん!ですが!」


天満「うわぁ!」


アイズ「天満!」


天満「痛っつぅ…大丈夫大丈夫。それより皆、耳を貸してくれ。いいコト思いついちった。」


皆「?」


天満「………。」


アイズ「なるほどな。なかなか面白そうだ。」


ミラァ「さすが天満だね!」


バラード「話しててよろしいんですかねん?あと〜五分ですわよん。」


天満「行くぞみんな!」


皆「おう!」


バラード「バ〜カ正直に来ても駄目ですわよん。」


天満「今だっ!剣斗!」


剣斗「ああ!こっちだ!クネクネオカマーーーーーーーーっ!」


バラード「な、何だとゴルァァァァァッッッ!またテメエかぁぁぁぁぁっっっ!」


剣斗「うわぁ来た来た!今だノア!」


ノア「はい!こっちです!変態オカマさんっ!」


バラード「はあ?ちょっと顔がいいからって調子に乗んなよ!オルァァァァァァッッッ!」


ミラァとユズキ「こっちこっちバカオカマ!」


バラード「お、女だからって許さんからなあっ!ツオルァァァァァァッッッ!」


アイズ「オカマオカマオカマオカマオカマオカマオカマダメオカマ。」


バラード「な、な、何度も言うんじゃねえっ!ガキィィィィィッッッ!」


アイズ「ふ…今だ!光よ!」


バラード「ぐ!眩しい!」


天満「へへ、カッとなると周りが見えなくなる。君の弱点だよ!バラード、チェックメイトだよ!」


バラード「しまっ……!」


皆「やったーーーーーっ!」


シャウト「お見事。バラードを怒らせ、逃げ道の無い場所へ誘導して捕まえる。バラードの負けだな。」


天満「時間ピッタシだよな?バラード?」


バラード「あ……ふふ……あはははは!やられましたわん『ディーノ』様ん!」


天満「あは!それじゃあ!」


バラード「ええ。認めますわん。見事なチームワークでしたわよん。」


天満「よーし!やったーーーーーっ!」


バラード「ま〜さか本当に捕まるとは思わなかったですわん。シャウト様達が連れてくるはずですわねん。」


シャウト「では通ってもいいんだな?」


バラード「はい…『ディーノ』様ん?」


天満「何?」


バラード「アチキの力が必要でしたら、いつでもお声をかけて下さいねん。命をもって、駆けつけますわん。」


天満「ありがとう。でも、一ついいかな?」


バラード「何でしょうかねん?」


天満「『ディーノ』って呼ばないでくれるかな?今の俺は天満だから。そう呼んでほしい。」


バラード「かしこまりました天満様ん。」


シャウト「では行こうか。」


バラード「あの天満様ん!」


天満「ん?」


バラード「どうか気を付けて下さいねん。どうやら侵入者がいるみたいなんですわん。」


天満「侵入者?」


バラード「何者かは分からないですが、アチキに気配を悟られることなく、上に行ったもようなんですわん。私はここから動けませんから、どうか気を付けて下さいねん。」


天満「ありがとうバラード。助けが必要な時は、力を貸してくれ!」


バラード「はい!お待ちしておりますわん!」



(天満達は『第二景』へ)



アイズ「霧?いや、雲か?」


天満「さすが一番高い山だな。まだ半分も行ってないのに…。」


シャウト「………。」


シンセーテン「侵入者のこと、考えてるでしょ?」


シャウト「ああ…。バラードに気付かれない程のてだれ。一体何のためにここへ来たのか…。」


シンセーテン「まあ、いくら考えても分からないよ。会って直接聞けばいいんじゃないかな?」


シャウト「そうだな。敵でなければいいが…。」



(山の何処か)



?「段々近付いて来てるな。かなりの人数だが、何故だ?この感じ……知ってる感じがする。……まさかな。」



次回に続く






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ