表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
12/40

第十二劇『不穏』

琴花「というわけだよ。」


天満「そうか…三人とも無事だったか。良かった…。」


アイズ「それで、どう強くなったんだ?」


琴花「ふふ〜ん。見せて欲しい?」


アイズ「エルフには無い力なんだろう?だったら少し興味はある。」


琴花「アンタは素直に見せて下さいと言えんのか…?」


天満「まあまあ。見せてくれよ琴花。琴花が手に入れた新しい力を。」


琴花「扇くんがそこまで言うなら見せてあげなくもないよ。」


アイズ「さっさとやれ。」


琴花「………まあいいや。じゃあいくよ!はっ!」


天満「体が光ってる。」


琴花「これが『法術』の光。これだけでも、身体能力はかなりアップしてるんだ。そしてこの光を私の『錬術』と融合させて発動させれば『法錬術』になるんだよ。私の術が今までより数段強力になるんだよ。見ててね。『エアショット』ッ!」


天満「す、すげえ!岩が粉々だ!」


琴花「ふぅ〜今までの『エアショット』は対象物を吹き飛ばす程度だったんだけど、それに破壊力がついたんだよ。」


アイズ「なるほどな。」


琴花「へへ〜ん!少しは見直したか?」


アイズ「調子に乗るな男女。」


琴花「お、お、男女……!こ、このやろう…。エアショ…!」


天満「わあわあわあわあ!ダメだって琴花!」


琴花「離して扇くん!アイツをぶっとばせと私の心が言っている!」


天満「お、落ち着けって!アイズも素直に凄いって認めろよ!」


アイズ「ああ、凄いな。」


琴花「え…!」


アイズ「その怒った時の不細工な顔。」


天満「あちゃあ…。」


琴花「し、死んでしまえーーーーっ!」



(その頃剣斗は)



剣斗「ふぅ……よし、あらかたかたずいたか。それにしても、邪霊の強さが増してるような気がするな。ま、でも今の俺にとって、こいつらはもう敵じゃねえな。」


?「本当にありがとうございました。」


剣斗「いやいや。困った時はお互い様でしょうよ。」


?「我々『ミュングル』の住人は戦う術を持ってないんです。ここ『ルーバル地方』は長い間、海の国『メイルーン』の近くにあるせいか、邪霊が寄ってこないんです。ですから戦う必要なんてないので。」


剣斗「ああ、さっき聞いたな。なんか神秘的な力で守られてるんだってな、その海の国は。」


ミュングルの住人「はい。ですが…。」


剣斗「確か、その海の国が何者かに破壊されたんだよな。それで、神秘的な力が無くなり、邪霊が寄って来るようになった。」


ミュングルの住人「はい。一体誰がそんなことを…?」


剣斗「確かこっちの方向だったよな?『天地海テンチカイ』は。」


ミュングルの住人「そうですが、何か?」


剣斗「『メイルーン』に行ってみる。この目で何が起きたのか見てみるよ。それにもうすぐで『エデン』の人達が来るので安心してくれていい。ここら辺の邪霊は俺がかたずけておいたんで。しばらくは大丈夫だと思う。」


ミュングルの住人「本当に本当にありがとうございました。どうか気を付けて下さい。」


剣斗「サンキュ。それじゃ。」



(剣斗は天地海へ)



剣斗「ここが『天地海』か……天の国と地の国を分け隔てる境界線。でも、それにしても綺麗な海だなぁ〜。きらきら光ってるし、なんか力が湧いてくる感じがするな。」


?「もし?そこのお方?」


剣斗「え?だ、誰…だ?」


?「やはり、人間……やっと見つけた!」


剣斗「なんだ……コイツ?顔まで隠して、忍者みたいなかっこしやがって?」


?「私は『ユズキ』。貴方を殺す者です。」


剣斗「はあ?」


ユズキ「覚悟!『イズナ手裏剣』っ!」


剣斗「な!くっ!あ、危ねえ…!てめえ、一体何のつもりだ?」


ユズキ「とぼけても無駄です。貴方がこの海の国を滅ぼした者でしょう?私は貴方を絶対許すわけにはいきません!」


剣斗「ち、ちょっと待って…!」


ユズキ「貴方のせいで、私の家族が……さあ、知らばくれてないで戦いなさい!『氷の悪魔』!」


剣斗「こ、『氷』?な、何のことだ?」


ユズキ「『イズナ手裏剣』っ!」


剣斗「やべっ!仕方ねえ!はっ!」


ユズキ「その光……長に聞いたとおり。やはり、貴方だったようですね。」


剣斗「悪いけど、勘違いで殺されるわけにはいかないんだよ!はっ!はっ!はっ!」


ユズキ「くっ!……さすがは悪魔です。矢の三連射とは。ではこちらも本気を出します。行きますよ『シズマ』。」


シズマ「あいよ!」


ユズキ「『木の葉イタチ吹雪』。」


剣斗「な!ぐぅわぁぁぁ!」


ユズキ「どうです私の相棒の力は?」


シズマ「へっへ!オレッチは『木の霊神シズマ』。よろしくな!」


ユズキ「シズマ、とどめです。」


シズマ「あいよ!」


剣斗「はあはあはあ……はっ!」


ユズキ「今更無駄です!『大樹雪崩タイジュナダレ』っ!」


剣斗「うおぉぉぉぉっっ!『雷電爪狼牙ライデンソウロウガ』っっっ!」


ユズキと剣斗「うおぉぉぉぉぉっっっ!」


?「止めぃっ!」


二人「!」


?「この神聖な場所で争うとは何事じゃ!」


ユズキ「あ…お…長…。」


海の国の長「このバカモノがっ!それでも次期長かっ!」


ユズキ「すみませんっ!で、ですが、この者は…。」


海の国の長「人違いじゃバカモノ!その者の霊具を見てみよ!『雷』の属性じゃろうが!」


ユズキ「え?あ、ああ…。」


海の国の長「それにじゃ、あの『氷の悪魔』とは似ても似つかぬじゃ。あの氷のように冷たい目で国を破壊しおった。じゃがこの者は違う。目を見れば分かるじゃろ!」


ユズキ「す、すみません!」


海の国の長「ワシに謝ってどうする!」


ユズキ「はい!あの…すみませんでした!どうか許して下さい!」


剣斗「はは…なんか前にも勘違いで死ぬ思いを経験したような……。」


海の国の長「本当に失礼なことをした。ワシからも、どうかこのとおりじゃ。」


剣斗「え、あ、いや、いいっていいって。勘違いだったんなら。俺もろくな説明もせずに戦っちゃったし。」


海の国の長「おお〜許して下さるか。なんと心の広いお方じゃ。これユズキ、顔を隠してないで素顔でもう一度謝罪しなさい。」


ユズキ「はい。」


剣斗「う、うわぁ………すげえ美人…だ…。」


ユズキ「本当に失礼しました。」


剣斗「え?ああ、いいですよ!全然気にしてませんし!」


ユズキ「ありがとうございます。」


海の国の長「ところでお主はここで何を?」



(剣斗は説明した)



海の国の長「そうじゃったか。エルフのために邪霊退治を…。それなのにコヤツは。」


ユズキ「申し訳ありませんでした…。」


剣斗「はは…ところで『氷の悪魔』っていうのは?」


ユズキ「私達の国である『メイルーン』を破壊して、『神器』を奪った人間です。」


剣斗「人間?俺達以外の人間がいるのか…。」


ユズキ「貴方みたいに体を光らせて、『氷』の『錬術』で攻撃をしてきたんです。」


剣斗「『法術』の光だな。ということは、やっぱり人間か。『氷』…『氷』か……。」


ユズキ「私はその人間を必ず倒して、皆の仇を討ちます。」


海の国の長「じゃが、本当はユズキが戦うことは許してないんじゃがな。」


ユズキ「長っ!私には力があります。皆を傷つけた悪魔を、私は許すことはできません!次期長として!」


海の国の長「確かに海の国のエルフは戦う術は備えておらん。お前だけが霊神に認められ契約し、戦うことができる。しかし…。」


ユズキ「私に今できることがしたいのです。だから…。」


剣斗「ユズキさん…。え…と、長さんだっけ。ユズキさんに何を言ってもダメだと思うな。」


海の国の長「ぬ?」


剣斗「ユズキさんは本気だよ。そうじゃなきゃ、涙なんて流せないな。」


ユズキ「は…!」


海の国の長「ユズキ…………分かった。」


ユズキ「長…。」


海の国の長「お前は海のエルフの希望じゃ。そして柱じゃ。お前がそう決めたのなら、ワシ達もお前についていくわい。」


?「そうだぜユズキ!」


ユズキ「みんな…。」


海の国のエルフ1「ユズキは次期長なんだから、ユズキが決めた道なら俺達はどこまでもついていくぞ!」


剣斗「へへ…。」


海の国のエルフ2「あの悪魔を追うんだろ!ユズキなら絶対悪魔を倒せるって!」


海の国のエルフ3「ユズキ姉ちゃん、気を付けてね。また遊んでね。」


ユズキ「う、うん。ありがとう……みんな。」


海の国の長「これが皆の意思じゃ。」


剣斗「ユズキさん。いいエルフ達ですね。」


ユズキ「はい。私の大切な……家族ですから。」


剣斗「俺にもいい仲間がいる。ユズキさんの家族にも負けない仲間が。」


ユズキ「そうなんですか。それは会ってみたいですね。」


海の国の長「じゃがユズキよ。これからどうするつもりじゃ?」


ユズキ「それは…。」


剣斗「『エデン』に来ればいい。きっと『氷の悪魔』の情報も入ってくるはずです。俺が案内するから。」


ユズキ「あ、ありがとうございます。え…と?」


剣斗「俺は剣斗って言うんですよ。」


ユズキ「剣斗さん、ありがとうございます。」


海の国の長「剣斗とやら、ユズキを…ワシ達の希望をよろしく頼む。」


剣斗「任せてくれ。それじゃ、行こうかユズキさん。」


ユズキ「はい。よろしくお願いします。では皆、行ってきます。」


海の国のエルフ達「俺達も頑張るよ!ユズキも頑張れ!」


ユズキ「みんな…、行ってきます!」


剣斗「はは…天満、俺達人間も負けてられないぜ。」



(『マドラド』に向かう)



ユズキ「………。」


剣斗「大丈夫ですよ。必ず見つけましょう。」


ユズキ「はい。ところで剣斗さん。貴方はなぜ『オルテナ』へ来られたのですか?」


剣斗「大切な友達を助けたいからですよ。今『オルテナ』に起こっている変な出来事とかも気になりますし。」


ユズキ「そうですか。何だか安心しました。」


剣斗「何がです?」


ユズキ「人間というモノが怖かったですから。」


剣斗「まあ、仕方ないですよね。自分の国を破壊されちゃ。」


ユズキ「ですが、剣斗さんみたいな人間もいるのだと知って安堵してます。」


剣斗「それは良かった。これから会う奴らも皆いい奴らばかりですよ。この世界を救うために命を懸けてる連中ですから。」


ユズキ「それは楽しみです。ん?」


剣斗「どうかしたんですか?」


ユズキ「この音…。」


剣斗「音?聞こえないけど…?」


ユズキ「こっちです。」


剣斗「あ、ユズキさん!」



(音のする方へ)



ユズキ「あれは!」


剣斗「はあはあはあ。ユズキさん、一体何が…。ああっ!」


ユズキ「邪霊ですね。」


剣斗「あの橋は?」


ユズキ「あの橋は『アレスナル地方』へ行く三つの橋の一つです。」


剣斗「あいつ、壊してないか?」


ユズキ「止めなければ。剣斗さん、行きましょう!」


剣斗「は、はい!」


ユズキ「止めなさいっ!」


邪霊「ん?何だ貴様らは?」


剣斗「てめえ!何で橋を壊しやがる?」


邪霊「貴様らには関係ないことだ。邪魔するなら死ぬぞ。」


剣斗「てめえがな!」


ユズキ「行きますっ!」


邪霊「グフフ…。」


ユズキ「は!剣斗さん待って!」


剣斗「どうしたんですか?」


ユズキ「す、すごい力を感じます。」


剣斗「え?」


ユズキ「あの者の後です!」


?「なかなか鋭い奴だな。あと一歩気付くのが遅かったら殺せたんだがな。」


剣斗「誰だ!」


邪霊「グフフ…もう終わったのですか『ツァビデル』様。」


ツァビデル「ああ。ここで最後だ。」


ユズキ「ま、まさか残りの橋を!」


剣斗「てめえ!なんてことしやがる!」


ツァビデル「やかましいな。なんだ…クソ虫か。」



次回に続く



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ