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魔王の花嫁  作者: 諒夏
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強敵は姉!?

悠里のお世話係の人が…実は…!?

泣きじゃくった悠里を抱え、部屋へ向かう睡蓮に使女が目を見開いた。

『睡蓮様…』

「いいのよ、悠里を寝かせたいの。お布団の用意をして頂戴」

抱えたまま睡蓮は廊下ですれ違う使女の一人にそういうと使女は駆け足でその場所に向かう。

「本当に馬鹿な弟でごめんなさいね、悠里」

申し訳なさげに呟く睡蓮。

本当に私の弟は馬鹿だわ。

悠里を部屋に寝かせると掛け布団を掛け、使女の一人に悠里が起きたら呼んで欲しいと告げるとその足で紅の部屋へと向かった。



「くぅ〜〜れぇなぁ〜〜いぃーーーーーーーーーーーー!」

ドアを蹴破って入ってきたものすごい形相の女性は間違いなくさっきまで悠里といた睡蓮だった。

「あね…うぇ!?」

執務中だった紅は驚きを隠せない。

「あんたって子はぁ!!」

拳を振り上げ、紅めがけて振り下ろす。

「ごふっ!!」

机に沈み込む紅に補佐役の者達が慌て出す。

こんな魔王の姿は見たことがない。

すぐにあのぐらいの攻撃を交わせないはずはないのに…

「あんな小さな子の両親目の前で殺して、あげく名前も名乗らなかったってどういうこと!?しかも攫って来るなんてどういう了見!?」

私にわかるように説明して!!

机にドンと座ってぶっ倒れた紅を助け起こした瞬間そういわれて、紅は殴った相手をにらみつけた。

だが、そんな睨みなど屁でもないと目を細められてしまった。

その瞳は反論なんて許さないというもの。

「………そんな暇がなかっただけだ」

「へぇ〜、食事も一緒にとらない、それってどういうこと?」

補佐官、あんたもあんたよ、あの子とは疎遠にするつもりなの?

どういう管理してるの、あんた。

睡蓮にまくし立てられ、たじたじの補佐官。

「姉上、とりあえず落ち着かれよ」

「落ち着いてるわよ!!」

猛一発ぶっ飛ばそうかしら?

拳を握り、紅に詰め寄る睡蓮に補佐官が待ったをかけた。

『お、落ち着いてくださいませ、魔王様も、睡蓮様も、ただいまお茶をお持ちしますから…』

どうか、どうか、お怒りをお鎮めに…

補佐官は必死だった。

二人を止めなければ魔王城が破壊されかねないと想ったからだ。

たじたじの補佐官の言葉に仕方ないといった表情の睡蓮。

それに汗を拭き、使女に茶の用意をするようにせかす補佐官だった。



一旦休憩を称し、茶を飲むためにテーブルに移った二人。

「で、どういうことかしら?」

「言葉どおりだ。」

「攫っておいて名前も言わずにほっぽり出した事が?」

「…仕方ないだろう…」

待ったが利かなかった。

「待ったが利かなかったじゃすまないでしょぉに!!」

あの子、あんたの事怖いっていってたわよ。

「……逢ったのか?」

「ええ、世話係よ。私ぐらいでしょ?」

あの子が脅えないように世話できるのは。

睡蓮も紅同様魔物。

でも人型を保っていられる魔物は魔王、5大将、睡蓮ぐらいなもの。

後の使女達は式であり、もともとの形はない。

ので、睡蓮が自動的に彼女、悠里の教育係となる。

「……そうだったな」

紅はあまり関心のないような顔で紅茶を口に含む。

「マジでむかつくわね、我が弟ながら…」

「姉上がもっとまともに仕事をしてくだされば俺はこんな風に…」

仕事をしなくてもよいんだが?

一概にそういわれ、睡蓮は苦笑い。

だって、仕事は面倒だし、魔王という役職は男にしか受け継がれないのだから…

「私は魔女でいいわよ。王様なんてめんどくさい。」

「姉上がそうだから俺が魔王になったんだが?」

「うっさい。とりあえず悠里ちゃんは行く所がないんだから私が面倒見るけど?」

食事ぐらいは共にしなさい。

話も出来ないんじゃ他の人に持っていかれても仕方ないわよ?

「…あれは我が物ぞ。」

「だから?」

怖い顔をしても実の姉では効力はないらしい。

「あの子は私が育てるわ。まだ4つでしょ?」

かわいそうだもの。

「…明日婚礼を行う予定だが?」

「…ばっかじゃないの!?」

あまりの急さに睡蓮は呆れてものが言えないという態度を見せる。


まだ四つである。

婚礼とは魔の力を受け入れるための行為を行う事。

そんなの出来るわけがない。

こいつ本当に馬鹿ではなかろうかと睡蓮は想った。

弟ながら育て方を間違えたのではないかと。


「とりあえずあんたは婚約者から嫌われてるの、分かる?」

「それがどうした。」

ここでは我が法律。

そうきっぱり言い切る弟に呆れながら睡蓮は言葉を続けた。

「あんたが今後もそういう態度で彼女に接するなら婚約破棄ぐらいは覚悟してちょうだい」

「なっ!?」

慌てた様子の紅に睡蓮はにやりと口元を緩ませた。

「だって、あの子はまだ4つ。それにあんたとあんまり面識もない、魔族でもないから魔界の規則も関係ない。なんなら私が引き取るわ。そしたら血縁もあるし、あんたとは結婚できない。文句ある?」

私に逆らえると想って?

「姉上でもあれを我から引き離すなら容赦はしない」

紅はそういうが、姉である睡蓮に勝てた事が今までないのも事実。

「どうぞ、戦争でも何でもしましょう。まとめて魔界の屑にしてあげるわ」

本気出してもよければどうぞ。

「………」

紅は黙るしか方法がなかった。


魔王様タジタジです。

マジに怖いんでしょうね?

きっと。

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