28話 30話にやりたい事あるから27話と28話は尺稼ぎ
許せサスケ
訓練区画に警告音が響く。
《模擬戦闘プログラム 起動》
四機が配置についた。
前に立つのはタートルウェア。
左右にドラゴンウェアとフェニックスウェア。
少し離れた位置から、タイガーウェアが全体を見る。
「始める」
剣の短い合図で、模擬敵が動き出した。
⸻
守が一歩前に出る。
止める。
確実に、動きを抑える。
「今だ!」
昇が踏み込む。
だが――
「早い!」
焔の声と同時に、敵の配置が崩れる。
焔の火力が、想定より敵を弾いた。
「そっち行くのかよ!」
昇が軌道を修正する。
守が止めようとするが、間に合わない。
《警告 防衛ライン接近》
「……下がれ」
剣の指示が入る。
だが、一瞬遅い。
《模擬戦闘 失敗》
無機質な音声が、結果を告げた。
⸻
訓練空間が解除される。
誰もすぐには喋らなかった。
「……悪くはないんだけどな」
昇がぽつりと漏らす。
「分かってはいるんだ」
「誰が何をするかも」
焔が腕を組む。
「合わせようとすると、逆にズレる」
「火力、抑えすぎたかもしれない」
「いえ……」
守が首を振る。
「僕が、止めすぎたせいです」
「動きを限定しすぎました」
三人の視線が、自然と剣に向く。
剣は端末を操作しながら、淡々と言った。
「判断は、間違っていない」
それから、一拍。
「だが、噛み合っていない」
それだけだった。
⸻
「じゃあ、どうすればいいんだ?」
昇が天井を見る。
「作戦?」
「訓練回数?」
誰も即答できない。
分かっている。
足りないのは、技術だけじゃない。
「……俺たち」
昇が続ける。
「まだ、お互いのこと分かってないんじゃないか」
守が、はっとしたように昇を見る。
焔も、少しだけ考え込む。
剣は、何も言わない。
⸻
その頃――
施設の最深部。
「……ようやく、だな」
久しぶりに聞く声だった。
白衣の男たち――四人の博士が、同じモニターを見つめている。
「調整完了した、流石に疲れたー」
「これで、ようやく次の段階に進める」
画面には、まだ全容の分からないデータ。
設計図の一部。
起動待機の表示。
「……長かった」
「だが、間に合った」
誰かが、静かに言った。
「これで――完成だ」
その言葉の意味を、
まだ昇たちは知らない。




