第26話 俺たちの戦いはこれからだ(まだまだ続きます)
敵の動きは、明らかに変わっていた。
数が多い。
配置が整っている。
無駄な突撃はない。
「……来たな」
昇が前を見る。
「今までと違う」
「こちらを学習している」
剣の声は淡々としていた。
表示される敵配置が、次々と更新される。
「単独では対応できない」
その一言で、判断は決まった。
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四機が並ぶ。
ドラゴンウェア。
フェニックスウェア。
タートルウェア。
タイガーウェア。
同時出撃は、これが初めてだった。
「……やっと、全員だな」
昇が小さく息を吐く。
「浮かれるな」
剣はそれだけ言った。
「役割を守れ」
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戦闘開始。
機械兵が一斉に動く。
焔が先に仕掛ける。
高火力を“置く”ように撃ち、敵の進路を歪める。
だが、数が多い。
「チッ……!」
昇が踏み込もうとした瞬間、敵が想定外の動きを見せる。
「ズレてる!」
焔が即座に調整するが、完全には噛み合わない。
「……まだだ」
剣は全体を見続けていた。
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「……僕が止めます」
通信に、守の声が入る。
一歩、前へ。
タートルウェアが戦場の中央に立つ。
動かない。
構えを崩さない。
それだけで、敵の動きが目に見えて鈍る。
「……来た」
焔が気づく。
火力を置く場所が、はっきりした。
「今なら――!」
昇が踏み込む。
無駄のない動き。
エネルギー消費を抑えた一撃。
「――ドラゴナックル!」
一体、沈黙。
⸻
側面から回り込もうとする敵。
その瞬間。
タイガーウェアが動いた。
一気に距離を詰め、
無駄のない一撃。
派手さはない。
だが、正確だった。
機械兵の動きが止まる。
「……剣、すげぇな」
思わず、昇が呟く。
「今さらか」
焔が軽く返す。
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戦場が安定していく。
守が前で止める。
焔が流れを動かす。
昇が決める。
剣が全体を見る。
完璧ではない。
だが、崩れない。
機械兵たちが、静かに後退を始める。
「撤退……?」
昇が目を細める。
剣は、何も言わなかった。
ただ、前を見ている。
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戦闘終了。
四機が、その場に並ぶ。
息は荒い。
だが、誰も倒れていない。
「……悪くないな」
焔が肩を回す。
「はい」
守が短く答える。
「……でも、まだ足りない気がする」
昇が拳を握る。
剣は、何も言わなかった。
否定も、肯定もせず。
ただ、次を見るように。
今日の戦いは、通過点だ。
それでも――
今度は、仲間達がいる




