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四神伝説~散々支配してきたブリキ共に鉄槌を下してやんよ~  作者: 統氏


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23/33

23話 奇数は前半パート偶数は後半パートアニメだと12話だね

一旦CM入りまーす

訓練室に、低く安定した駆動音が響いていた。


 タートルウェアは前に出る。

 重心は低く、動きは最小限。

 派手さはないが、崩れない。


「いい動きだ、守」


 剣の声が通信に入る。


「そのまま、立ち位置を崩すな」


「……はい」


 守は短く答え、構えを解かない。


 訓練用の敵機が動いた。

 だが、守が一歩踏み出しただけで、動きが鈍る。


「……相変わらず、安定してるな」


 昇がモニター越しに言った。


「前がこうだと、無駄に焦らなくて済む」


「だな」


 焔も同意する。


 守は返事をしなかった。


 動きに問題はない。

 判断も遅れていない。


 それでも、胸の奥に引っかかるものがあった。



 訓練終了の合図が鳴る。


 タートルウェアが停止し、コックピットが開いた。


「お疲れ」


 昇が軽く声をかける。


「今日も守の安定感凄かった」


「……はい」


 守はそう答えたが、視線は下がったままだった。


 昇は、その様子に気づく。


「どうした?」


 守は一瞬、言葉に詰まる。


 それから、ゆっくりと口を開いた。


「……もし、敵が来た時に」


 一拍。


「僕は、どうすればいいんでしょうか」


 昇は、すぐには答えられなかった。



 守は、続ける。


「……戦うのが、怖いんです」


 昇は、言葉を挟まずに聞いていた。


「父さんたちが、機械兵の支配を終わらせるために

 どれだけやってきたかも、知っています」


「だから……覚悟は、しているつもりです」


 守は拳を握る。


「それでも……怖いんです」


「僕が前に出て、失敗したら」

「皆に迷惑をかけるかもしれないって思うと……」


 声は小さかったが、真剣だった。



「……正直に言うとさ」


 昇は頭をかいた。


「俺、それがよく分かんない」


 守が顔を上げる。


「え……?」


「怖いとか、怖くないとか」


 昇は少し困ったように笑う。


「考えたこと、あんまりなくて」


「説明もされないまま放り込まれて」

「気づいたら、こうなってたし」


 守は黙って聞いていた。


「親父の理不尽とか、説明不足とか」

「それに耐えるのが、普通だったからさ」


 昇は肩をすくめる。


「だから……」


 言葉を切る。


 守を見る。


「でも――」


 昇は、何かを言おうとした。


 訓練での動き。

 周りを見ていたこと。

 一番冷静だったこと。


 それを伝えようとした、その瞬間。



《警報》


 低く、鋭い音が施設に鳴り響いた。


《未確認反応 接近中》


「……来たな」


 焔の声が硬くなる。


 剣の指示が続く。


 昇は守を見る。


 さっき言おうとした言葉が、喉に残ったままだ。


「守――」


「……はい」


 守は答えたが、その表情にはまだ迷いが残っていた。


 敵の姿は、まだ見えない。


 それでも、時間は待ってくれない。


 警報音が、間を詰めるように鳴り続ける。


 守は、静かに拳を握った。


 答えは、まだ出ていない。


 だが――

 考える暇は、もうなかった。


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