22話 フェニックスだからって勝手に復活機能付けたら流石に怒るよ まあ付けたい気持ちはわかるけど...
フェニックスだからって蘇らないからな!!!
最後の機械兵が沈黙しても、戦場の緊張は解けなかった。
センサーが、再び反応を拾う。
《警戒レベル 継続》
《未確認反応 追加出現》
「……まだ終わりじゃねぇな」
昇は息を整えながら前を見る。
新たに現れた機械兵は三体。
距離を保ち、慎重に包囲を狙っている。
「さっきより、頭使ってる感じだな」
昇の言葉に、焔は短く返した。
「ああ」
焔は、すぐには動かなかった。
引き金にかけた指を止める。
(このままじゃ、今までと同じだ)
火力は足りている。
だが、それをどう使うかが違っていた。
「昇」
「ん?」
「今回は――俺に合わせてくれ」
昇は一瞬だけ考え、すぐに頷く。
「任せる」
⸻
最初に動いたのは、機械兵だった。
一体が昇の正面へ進路を取る。
焔は即座に高出力へ移行する――
だが、狙いは敵ではない。
敵の進路上。
灼熱の光が地面を焼き、爆圧が空間を歪めた。
機械兵は反射的に方向を変える。
「……来るな」
その先にいるのは、昇。
「今だ!」
焔の短い合図。
昇は考えない。
最小限の踏み込み。
拳にエネルギーを集中。
《エネルギー消費 10%》
「――ドラゴナックル!」
一体目が沈黙した。
⸻
「次、右!」
焔は高速移動しながら、次の火力を“置く”。
直接当てない。
逃げ道を削るだけ。
機械兵は選択肢を失い、一直線に動く。
「……分かりやすいな」
昇は無駄に動かず、二体目を破壊した。
残るは、一体。
機械兵は距離を取り、撤退しようとする。
「逃げる気か」
昇が言った瞬間、焔が静かに告げる。
「――いや」
フェニックスウェアの出力表示が跳ね上がる。
《制御展開》
《領域固定》
「フェニックス・ジャッジメント」
赤い光が空間に走り、
機械兵を中心に閉じた領域が形成された。
攻撃ではない。
だが、逃げ場は完全に消えた。
「……閉じ込めたのか」
「トドメは俺が決める!」
焔はそう言って、視線を一点に定める。
⸻
次の瞬間。
フェニックスウェアの胸部が開いた。
《高出力モード》
《エネルギー集中》
警告音が重なるが、焔は止めない。
「……一点でいい」
灼熱の光が、一本の線へと収束する。
「フェニックス・レイ」
放たれた高出力レーザーが、
フェニックス・ジャッジメントの内側を一直線に貫いた。
逃げ場のない空間で、
機械兵は内部から耐えきれず崩壊する。
光が消え、
戦場に残ったのは、焼けた地面と静寂だけだった。
⸻
《エネルギー残量 ――%》
数値は、前よりも明らかに良い。
守の声が、少し驚いたように入る。
「……効率、上がっています」
昇は大きく息を吐いた。
「……やりやすかった」
焔はゆっくり高度を下げる。
「俺もだ」
少し間を置いて、言った。
「俺、殴る役じゃなかったな」
「だな」
昇は笑う。
「相手の動きが制限されてやりやすかった」
通信に、剣の声が入った。
「……悪くない連携だ」
二人は、同時に顔を上げる。
一拍置いて、剣は続ける。
「朱雀が動かせば、敵は逃げ場を失う」
短い沈黙。
それだけで、十分だった。
焔は小さく息を吐く。
「……しっくり来た」
昇は拳を握る。
まだ完璧じゃない。
だが――
四獣王は、
確かな形を掴み始めていた。




