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四神伝説~散々支配してきたブリキ共に鉄槌を下してやんよ~  作者: 統氏


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19話 訓練回で大体教えてくれる人って自分語りする人多いから掘り下げも出来るから超便利

訓練施設の中央に並ぶ装置を見て、昇は首をかしげた。


 四獣王のコックピットに似た座席。

 だが、装甲も武装もなく、むき出しだ。


「……なにこれ」


「訓練用マシンだ」


 剣が淡々と答える。


「四獣王に乗らなくても、戦闘感覚を擬似的に再現できる」


「つまり」


 昇は座席を見下ろす。


「壊れないし、怒られない?」


「壊れないだけで、怒られはする」


「ちぇ」


 焔が楽しそうに覗き込む。


「へぇ〜、便利じゃん。これなら何回でもやり直せるね」


 守は少し緊張した様子で聞いた。


「……本物と、感覚は同じなんですか」


「ほぼ同じだ」


 剣は言う。


「だからこそ、癖がそのまま出る」


 昇は嫌な予感がした。



 訓練開始の合図と同時に、視界が切り替わる。


 仮想空間。

 目の前に、機械兵を模した敵影が現れた。


「よし、行くぞ!」


 昇は迷いなく踏み込む。


 大きな回避。

 派手な踏み込み。

 力任せの攻撃。


《エネルギー消費 急上昇》


「え、もう!?」


 数値を見て、昇は思わず声を上げた。


「まだ始まったばっかだろ!」


「始まっている」


 剣の声は冷静だった。


「無駄な動きが多い」


「無駄って言うな!」


 言い返しながら、昇はさらに動く。


 結果、敵影は倒れた。


 だが――


《エネルギー残量 低下》


「……あ」


 昇は口を閉じた。


 次の瞬間、剣が前に出る。


 動きは驚くほど小さい。


 一歩。

 半身。

 わずかな体重移動。


 敵の攻撃は自然と外れ、

 剣の一撃が正確に急所を突いた。


 敵影が、静かに消える。


《エネルギー消費 軽微》


「……は?」


 昇は目を見開いた。


「今の、何が起きた?」


「いなしただけだ」


「いや、俺のと全然違うんだけど!?」


 剣は淡々と説明する。


「子供の頃から、四獣王に乗る前提で訓練を受けてきた」


「子供の頃から?」


「武術、体術、重心移動」


 剣は言う。


「機体性能を無駄にしないための動きだ」


 焔が感心したように言った。


「燃費がいいって感じだね」


「違う」


 剣は即答する。


「無駄を出さないだけだ」


 その言葉が、昇の胸に残った。


(無駄……か)


 自分の動きを思い返す。


 大振り。

 全力。

 一撃で終わらせる前提。


(……そりゃ、減るわ)


 その時、ふと考えが浮かんだ。


(じゃあ、もし――)


 だが、すぐに首を振る。


「……今はまだだな」


「何か言ったか」


「いや!」


 昇は顔を上げる。


「もう一回やろうぜ!」


 剣は少しだけ目を細めた。


「……いいだろう」



 訓練が終了し、仮想空間が解除される。


 次の瞬間、警告音が鳴り響いた。


《警戒レベル上昇》

《未確認機械兵反応 接近中》


 空気が一変する。


「……」


 一瞬、静まり返る。


 そして――


「――来た!」


 昇の声は、明らかに弾んでいた。


 拳を握り、ニヤリと笑う。


「ちょうどいいじゃん」


「昇?」


 焔が怪訝そうに見る。


「今、なんか思いついたんだよ」


 昇はモニターに映る反応から目を離さない。


「訓練じゃ試せないと思ってたけどさ……」


 ぐっと拳に力を込める。


「本番なら、試せる」


 剣が昇を一瞥する。


「……無茶はするな」


「無茶はしない」


 昇は即答した。


「今回は、考えてやる」


 守が小さく息を呑む。


「……表情が、さっきと違います」


 焔が笑った。


「うん、完全にワクワクしてる顔だね」


「だろ?」


 昇は振り返らずに言う。


「失敗したら怒られるだろうけど」


 一歩踏み出す。


「成功したら、ちょっと楽しくなりそうだ」


 警報が鳴り続ける中、

 昇の胸は、不思議と高鳴っていた。


(――使い方次第なんだ)


 まだ言葉にはしない。

 だが、確信はある。


 ドラゴンウェアは、

 もっと“無駄なく”戦える。


 その答えを、

 昇はこれから戦場で試すつもりだった。


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