16話 とりあえず修行パートいく流れは大事だけどそのままじゃ4人揃うのに何話かかるかわからないので揃ってから修行パート
16話のタイトル考えた時に長いなとも思ったけど勢いが欲しかったからしゃーない
警報が完全に止んだ。
施設上空に漂っていた煙も、ゆっくりと晴れていく。
「……とりあえず」
昇は操縦席で大きく息を吐いた。
「施設は無事、か」
モニターに表示される損傷報告は、どれも軽微なものばかりだった。
致命的な破壊はない。
『目的は達成したな』
落ち着いた声が通信に入る。
「だな……正直、もっとボロボロになるかと思った」
ドラゴンウェアの動きを止め、昇はようやく肩の力を抜いた。
その時。
タイガーウェアが、ゆっくりとこちらに向かってくる。
「……あ」
今さらながら気づく。
戦場では並んで戦っていたが、
ちゃんと“顔を見て話す”のは、これが初めてだった。
ハッチが開き、白虎のパイロットが姿を現す。
落ち着いた目つき。
年は昇とそう変わらない。
「……剣、だよな」
「ああ」
短く答える。
一瞬、沈黙。
気まずいというより、どう切り出すか迷っている空気だった。
「……た」
先に口を開いたのは昇だった。
「助けてくれてありがとな。マジで」
「当たり前だ」
剣は淡々と言う。
だが、その視線は昇の機体に向けられていた。
「……正直に言う」
「ん?」
「お前の戦い方、エネルギーを使いすぎだ」
昇は一瞬、言葉を失った。
「……え」
「悪いという意味じゃない。だが――」
剣は少しだけ間を置く。
「全力を出すのが早すぎる」
胸を突かれたような感覚だった。
「……それ、親父にも言われたことある」
「だろうな」
剣は頷く。
「力はある。判断も悪くない。だが、常に全力だ」
「……」
「長期戦になれば、必ず先に息切れする」
昇は視線を逸らした。
否定できない。
実際、さっきもエネルギー切れで何も出来なくなった。
「……じゃあさ」
昇は意を決して剣を見る。
「俺に戦い方、教えてくれ」
剣が目を見開いた。
「……教える?」
「そう」
昇は真っ直ぐ言う。
「俺、今まで勢いでやってきた。でも……」
少しだけ言葉に詰まり、それでも続けた。
「このままじゃ、足引っ張る」
一瞬、剣は黙った。
だがすぐに、静かに頷く。
「……分かった」
「マジで?」
「理にかなっている」
剣は言う。
「お前が長く戦えるようになれば、全体の戦力が上がる」
「……言い方がドライすぎる」
「事実だ」
だが、その口調はどこか柔らかかった。
「よし! じゃあ早速――」
昇が一歩踏み出した、その時。
通信が同時に割り込む。
『青龍、白虎。こちら制御室』
聞き慣れない声だった。
『適合反応を確認』
「……適合?」
剣が顔を上げる。
『朱雀、及び玄武』
その言葉に、二人とも息を呑んだ。
『両ウェアの適合者が、今ここに到着した』
昇は思わず目を見開く。
「……は?」
剣も、わずかに目を細めた。
「……揃った、か」
昇は思った。
まだ自分は何も分かっていない。
戦い方も、全体像も。
だが――
確実に、仲間は増えていく。
四獣王。
その全員が、今ここに集まり始めていた。




