第15話 べ、別に連携に使えるからってバルカンを急に設定に入れたんじゃないんだからね!?
やっべ
ロボットSFでバルカンないのダメだろ
入れろ入れろ
施設上空に、警報が鳴り続けていた。
《機械兵部隊 接近中》
「……マジでしつこいな」
青空昇は操縦席で深く息を吐く。
視界の端に、エネルギー表示が映った。
《エネルギー残量 23%》
「……まだこれだけかよ」
さっきの戦闘で7%まで落ちたドラゴンウェアは、
施設の防衛エリア内に入ったことで最低限の回復をしていた。
だが――
「“動ける”ってだけで、“戦える”ってレベルじゃねぇな……」
『施設の供給ラインから、緊急補助を受けている』
剣の落ち着いた声が通信に入る。
『だが、出力は制限されている』
「だよな。動きが重い」
ブーストをかけても、反応が遅い。
剣のタイガーウェアが一歩前に出る。
『前衛は俺が引き受ける。昇は無理をするな』
「……言われなくても分かってるよ」
だが、敵は待ってくれない。
機械兵たちが散開し、包囲するように距離を詰めてくる。
「くそ……この数、剣一人に任せるわけにもいかねぇだろ」
昇は武装パネルを睨みつけた。
そこに、見慣れない表示が浮かぶ。
《ドラゴンバルカン 使用可能》
「……は?」
一瞬、思考が止まる。
「なにそれ。初耳なんだけど」
『胸部内蔵の実弾兵装だ』
剣が即座に説明する。
『威力は低い。主に牽制用』
「……つまり、あんま効かねぇってことだな?」
『ああ』
「親父の説明不足、ここでも発動かよ……!」
だが、使わない理由はない。
「やるしかねぇ……!」
昇はトリガーを引いた。
――ダダダダダッ!
ドラゴンバルカンの弾幕が、機械兵へ降り注ぐ。
だが、装甲を貫くことはない。
火花が散るだけだ。
「……だよな。知ってた」
それでも――
機械兵の動きが、一瞬だけ鈍る。
『今だ』
その瞬間、白い影が突っ込んだ。
タイガーウェアの爪が、関節部を正確に切り裂く。
一体、また一体と、機械兵が崩れ落ちていく。
「なるほどな……!」
昇はすぐに理解した。
「俺が止めて、剣が斬る!」
『その通りだ』
短い返答。
だが、迷いはなかった。
昇はドラゴンバルカンを連射する。
効かない。
だが、動きは止まる。
その隙を、剣が確実に刈り取っていく。
二人の連携で、数は確実に減っていった。
だが――
残った機械兵たちは、同時に後退を始めた。
「……あ?」
煙幕のような粒子を撒きながら、距離を取っていく。
『撤退行動だ』
「逃げるのかよ……!」
追おうとした瞬間、警告が鳴った。
《エネルギー残量 18%》
「……無理か」
深追いは出来ない。
昇は歯ぎしりしながら、機体を止めた。
「チッ……」
『防衛目標は守れた』
剣の声は冷静だった。
昇は大きく息を吐く。
「……まあ、今回はそれで良しとするか」
隣に並ぶタイガーウェアを見る。
「剣」
『なんだ』
「さっきの連携……悪くなかったよな?」
『ああ。理にかなっていた』
「だろ?」
昇はニヤリと笑う。
「次はもっと上手くやろうぜ」
『そのつもりだ』
敵は退いた。
だが、戦いが終わったわけじゃない。
エネルギーも、情報も、まだ足りない。
それでも――
二人でなら、前に進める。




