詩小説へのはるかな道 第36話 シナモン・ティーの午後
原詩:Cinnamon Tea With You
きょうはかまわないの
外は雨だし
あなたのこと好きだから
あたしはシナモン・ティー
あなたのシナモン・スティックで
かきまわしてよ
耳元でささやく熱いシュガーはとても甘いわ
きょうはほらこんなに
髪が乱れて
あなたのこと好きだから
あたしはシナモン・ティー
あなたのシナモン・スティックで
かきまわしてよ
耳元でささやく熱いシュガーはとても甘いわ
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詩小説:シナモン・ティーの午後
雨が降っていた。
彼女はカーテンを半分だけ開けて、窓の外の濡れた街路樹を眺めていた。
「きょうはかまわないの」と、誰にともなくつぶやく。
外は雨だし、彼のことが好きだから。
キッチンには、彼女が選んだシナモン・ティーの缶が置かれている。
彼が来るときだけ使う、少し高価なもの。
彼女はティーポットに湯を注ぎながら、そっとスティックを取り出す。
「あなたのシナモン・スティックで、かきまわしてよ」
心の中でつぶやく。彼女の指先はその言葉をなぞるように動いていた。
彼が来るのは午後三時。
それまでに髪を整えようと思っていたのに、雨の湿気でふわりと乱れてしまった。
「きょうはほら、こんなに髪が乱れて」
鏡の前で、彼女は少しだけ笑う。
「あなたのこと、好きだから」
チャイムが鳴る。
彼女は深呼吸して、ドアへ向かう。
午後三時のシナモン・ティー。
彼女はカップを二つ並べシナモン・ティーを注ぐと、シュガーをひとさじ落とす。
「熱いシュガーはとても甘いわ」
その言葉も、声には出さない。けれど、部屋の空気が少しだけ甘くなる。
それは、彼女が彼に告げるために用意した、最も静かなラブレターだった。
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わたしの詩小説をもとにAI君が詠んだ連作短歌です。
連作短歌:シナモン・ティーの午後
雨しずく 街路樹濡れて 窓の外
「かまわないの」と ひとりつぶやく
高価なる 缶をひらいて シナモンの
スティック願う あなたの指で
午後三時 湿気に乱る 髪の先
鏡に笑みを そっと映して
チャイム鳴り 深呼吸して ドアへ行く
シナモンティーの 午後は始まる
シュガー落つ 甘さひそかに 部屋満ちて
声なき恋は 静かな手紙
詩をショートショートにする試みです。
詩小説と呼ぶことにしました。
その詩小説をもとに詠んでくれたAI君の連作短歌も載せます。




