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カジマ・ソルジャー・コーポレーション

今日も今日とて盗難生活、調査しようにも金がない。ロンダリング先が無くなった。犯罪組織は金払い次第で潰した方が都合が良い。競合が激しい、しかし潰せば戦火の拡大になる。

「俺か僕か私か妾か・・・。」

「ダンちゃんでいこう。」

「それ音ゲーと被るんですよ。」

「大丈夫だこの作品実質ミニチュア要素抜いたダン〇ール戦機だし。」

彼女は今仕事を探している、カジマとの戦闘に向けて裏では着々と進んでいる。カジマも聞きつけて着々と準備を整えた。

カジマと五人の後継者、あの一家は今分裂している。誰がどちらに加担するか、兄弟によっては互いに敵となる事で双方に加わるなんて事も。

「仕事はどうだ?」

「武器調達・・・って言っても型番無しとか設計とか、土地提供とか・・・あんま支援しない方が都合良いかと。」

「・・・調査系が少ない、もう既に調べたかの様に。」

「そうですね、それは引っかかります。」

・・・と、話し方を変えて少し清楚気味な女から提案された。

「私の身分を使ってお金稼ぎしませんか?という提案です。」

「と言うと?」

「動画サイトとデート、上流階級のデートは監視されています、その対価として金銭面をサポートし、投資する。・・・金融の世である事は変わってないって証明でもありますけど。」

確かに、学生の頃の恩というのは質が違う、量を凌駕する。先に恩を売り込む事で利益を得る。会話内容次第では市場を操作しうる。

「設定的には海外の大地主で良いかな。亡命すれば土地が丸々手に入れれて戦争から外れるか国力の強化に繋がるから向こうの国全体で加担する可能性があるとチラつかせると。」

カジマの製品で子を殺された一家、名義も貸してくれたし、偽装として写真も用意し、それを少し漏洩させた。今後困る可能性もあるが、問題は無い。

「少し整形はしていく、臭いをどう誤魔化すか・・・だな。」

「臭い訳じゃないが薬品とエンジンオイルの臭いしかしないぞ。」

「怪我はさせるが殺しはしない、経済的にな。」

それはそれとして、ダンジグ側はどうだろうか。

「・・・私か、私の本名は『倉内シフ』、北欧のクォーターだ。北欧神話由来の名前を付けられた。」

「じゃあ俺は洗礼名がコーヘイって事で。」

「借り物競走でもしたんかお前。」

「借り物競走で洗礼名与えたり変えたりする機会はねぇだろ普通。」

部下設定はどこかに捨てられた。気高いAiとはいえ流石に譲らなければと我慢した。

再度確認しよう、カジマ一家、カジマ・ソルジャー・コーポレーション。私設軍隊の一つで、兵器提供は業界最大・・・しかし現状取り合いが大きいので開発や技術に関してではなく、資材調達の上手さだけでやっている・・・外交家として圧倒的な実力を持つ一家である。・・・結婚して損なし、血縁に価値がある為裏切られる事はないし、裏切る人間は大した地位でない。強過ぎてインフラ化し、その関係を絶やさぬ為に子や血縁全てに投資され、戦闘の規模は拡大している。それはカジマの元締め、鹿島浩三においても例外ではない。

全兵力足して十万、今回それが分裂しているとしても敵は推定五万、全員がそうなるとは限らないが、少なくとも一万人が同じ戦場で戦う事にはなるだろう。

「工場用拠点、足して一個の市。昔から大地主が居て買ったのさ。そこには発電所も工場も揃っている。機械兵力もあるだろう・・・が、育てるなら熟練の兵士の方が良いからな。」

カジマ・シティ。そこが多分決戦の地になる。設計図も入手出来た、だが、彼の目的を達成するなら、経済的利益の最大を達成するなら、これを犠牲無く終わらせるしかない。

「火事だ。カジマだけに。」

現代の建物にスプリンクラーは搭載されていない。プラスチックにする位なら医療機器と燃料に回すべきだし・・・そして、燃える物が大きく減った。

「つまり、建物が燃える演出をすれば素早く反応するし、逃げる。戦場を使えなくするのさ。中性子爆弾の時代に見る事は無くなった火炎を見せてやろう・・・浪漫はあるだろう?」

「・・・そりゃあ良い、盛大に燃やしてやろうぜ!!」

・・・と、ネットを扱うには若干宜しくない事を交わし、別れを告げた。


あまりにも清潔な都市、吐いても色合いのせいで気付かれないだろう。差があるとすれば輝いている事だけだ。都市にはパスが要る、それか来賓としてのパス。これは指定のカードが無いと開けない。

「・・・将来設計としてはどうだ?」

「生理周期的にはね〜。」

動画サイトでいきなり足切り中である。ふるいにかけるでマグニチュード9になっている。

「あのカジマ一家の問題、どう判断する?」

「さぁな、関与するつもりはない。戦争の武器供与は優れているが内戦を起こした際に優れているとは思わない。・・・戦争慣れしていない点が弱点となる、そう思うんだ。」

「戦争慣れしてる企業は逆に関与したくないんだけど。株価的に。」

「それはそうだな。変動し過ぎて妥協しても百葉箱みたいになる。」

どっちもロールケーキを丸々一本買って上品に食べる。いつもは雑だが美味いせいで時間が掛かっている。

「だから今回すべきは投資する奴にちょっかいを出す事だろう。それなら安全に儲けられる。」

完璧な誘導だ、やはり旦那は最高に気が合う。意思疎通に言葉が要らない、思考回路がどこまでも同じだ。

「俺はカジマが倒産する事に賭ける。この投資において調査が起き、外交力に依存する・・・兵器提供のシェアは奪われるだろうな。どの道破綻は免れない。だが、落ちた所で大きく儲ける可能性がある。キャピタル・ゲインの狙い時がな。」

決して視聴者は多くない、だが、一人一人の影響は大きいったらありゃしない。今も確実に動き始めている。

「お前ロールケーキ三本目かよ。」

「はぁ四本目の奴には言われたくないんだが?」

ハングリーに、今の内に準備は済ませろよと食い続け、視聴者に暗に伝えた。

そうだ、我々が前線に立ち、大穴になって全部呑み込んでやると教えた。後はどれだけ金と成果を得られるか次第だ。


・・・一通り金は集まった、そして情報も出て来た。

「カジマは燃やさなければいけないのは確定として、もう一つ問題が浮上した。」

調査の進行において、簡単に行える周囲の調査、その結果だ。綿密な調査を行われる箇所があった。そして、発信機も確認したと。

「・・・劫掠作戦、それを秘匿で行う。」

「報復作戦において民間を犠牲にする予定がある・・・確かに相手はならず者が大半、自分達は手一杯だと思わせている間にすれば誤魔化せる。」

そして、格差こそあれ収穫は決して少なくない。

どの立場が行っているかも不明だ、そうある以上今回先手を打つ真似は出来ない。かと言ってまたデートをすると市場操作の信頼が落ちる。

「・・・戦力を考えると先に劫掠をする可能性が高い。試し撃ちとして。」

劫掠地点に先回り、敵を気付かれない様に倒しつつ攻める。

「脆弱な場所なら民間用Ai乗っ取ってゲリラ作戦も出来ます・・・が、電磁パルスライフル使われたら白雪姫しちゃうんで頬っぺたにキスしてくださいね?」

「キス・・・キスって何だ?」

「そのお口で一番触りたい箇所を推測するだけです。本能の儘に。」

何となく予想はしていたが学校こそあったが識字率が壊滅的、機械関係の事以外は全部削ぎ落としたらしい。

「取り敢えず、今すべきは弾薬又は電力の調達だけど・・・これは報酬金の一部からで良いか。」

神経麻痺弾・麻酔弾は弾丸の中身を入れ替えれば製造出来る。空洞弾で調達しよう。致死性はあるがそれを抑えるべく向こう側も毒ガス対策等で死なない程度の対策はしてくる筈だ。

「・・・逆に住人が報復だと言ってボコり始めたら間違いなく死ぬ。」

本当に気付かれてはいけない、バレるなら子供相手だけだ。

「よし、準備次第そこに向かう。」

「おう!・・・早く話し方の設定ランダムから固定にしてくれ。」

「じゃあこのイケメンとかいう奴を・・・というかイケメンって何だ?新手のAiか?」

「お前の事さ、美少女の類義語だって覚えてくれりゃ良い。」

「なるほどなぁ。美少女って何?」

「私が美少女、美少女が私、それ以外は美少女じゃない。お前もだ。」

「そうか・・・俺はイケメンだったのかぁ!」

「そうだ!イケメンと美少女が組んだら無敵なんだぜ?攻撃して来る奴がカス以外いなくなるからな。稀に本体がカスな事もあるけど。・・・ダウンロードは容量的に一週間後ですかね。戦闘中は流石に切ります。集中出来ないかもしれませんし。」

その手を掴み、弾薬の調達に向かう事にした。



さぁ、太陽が何度目か過ぎた頃、飛び起きる様に俺達の桶狭間に向かう。暗夜行路を進み、常闇を切り開く。

作戦は火と油、如何にトラウマを植え付けるか。その前座を今回は行う。

サプレッサーで撃ち抜き、喉を壊す。

「私ブ〇リーみたいな足音しますけど大丈夫ですかね。」

「パークは付け替えて来いとあれほど・・・。」

「アンタにもないじゃろがい!!」

敵が来る、敵が来る・・・そう、覚悟していた。

奴はそこに現れた。目を疑った。

・・・そうだ、奴は電気メスを用いて様々な人間を救ってきた。その数万を優に超える。一日に三回以上の手術を平気で決行する、狂気の医者。

・・・その狂気はどこから来る?・・・その答えは簡単だ。・・・上流階級への報復だ。・・・カジマ・シティの近くは富裕層が多い、劫掠の対象である理由は当然、金があるから。

・・・彼等を潰す為に、徹底的に落とす為にデマを広める準備をし、そして証拠を残した。住民の悲鳴が絶えず響き渡る。

「・・・駄目です。」

利益が失われる、人が死ぬ・・・その暗闇に向き合う事をダンジグは許さなかった。

「今の私は、貴方の死が最大の損。全人類の命と秤にかけても迷う位に。」

悲鳴が聞こえない様に耳を塞がせ、涙は拭えないが、腕の隙間から溢れ出る。

貴方は泣ける良い子なのだから。

その焔が家を焼き、山に広がり、ソーラーパネルも、風力発電も、何もかもを燃やし尽くす。・・・幸か不幸か、作戦の成功率は上がってしまった。

炎は近くからも遠くからも手を伸ばす。動けずに諦めて、只管待ち続ける。

自分は我慢ならなかった、一人飛び出し、箪笥から物をくすねる一人を、壁を壊し銃で撃ち抜く。ここでも生かす事は忘れない・・・だが、もっと苦しむ羽目になる。喉は切られ、焼かれて治らない。水路に落ちて流れるしかなくなった。次の遺体を漁る一人はブレードで腱を切られ、しかし声が通らない様に肺を壊す。・・・元からある程度炎でやられていたが、決定打が刺された。

「・・・不味い・・・けど。」

あの魔術師が離れている、シティの方に行った。・・・これは好機だ。本来の作戦よりも良いものになる。

「取り敢えず全員仕留めてカッパみてぇに流してやるよ、ウチの旦那に手を出したんだから覚悟位してんだろうなぁ!?」

ミニガンの重低音が、動物の叫びの様な着弾音が、消え入らない足音が、確実ににじりよってくる。

ゾンビが這い寄る様な音と共に、その恐怖がやって来た。

「死神がやって来たぜ!可愛い可愛い最高な死神がよォ!!残念だが目は先に潰してやるから見せてはやらねぇけどなァ!!」

敵は凡そ百人、取るに足りないチンピラ共だ。



・・・本当にあっさり終わった。逃亡阻止様に何か組まれていたが、こんな悪手を打つとは・・・中々センスがない。・・・しかし一瞬で裏切る可能性を見越していたらこれ位当然かもしれない。意外と大変らしい。

一通り終え、鋼平を助け、少し治して休ませる。意識が混濁しているのだ。返り血は僅かに残っているものの、ほぼ蒸発している。

「・・・よしよし。」

念の為持ってきた物がある。前回回収した『クリックスアンドモルタル』含めたAiコンピュータを遺体に埋め込み再利用する。自分と同じ仕組みだ。

「もう死体だ、躊躇する事はねぇな。」

最低限のコマンドを入力し、爆破物を詰め、ナパームと同じ仕組みで内部も焼かれる様にした。これで証拠も消せる。

これを使って自分達が助けた痕跡を残し、同時にカジマ以外の人間が略奪をしていたと広める。疑心暗鬼にし、投資を揺らがせる。・・・仮想通貨が次々入ってくるのが心地良い。

「・・・生きてるな、お前は逃げろ。南にメディア関係の人間がいる。手出しは出来ない筈だ。生放送中らしい。」

「え・・・あ・・・。」

「・・・その心臓は、アンタの夫のものだ。もう生きていない。」

そうくだらない嘘を言って送り出した。そうした方が走り出し易いと思って。

電野鋼平→電ノコ

倉内シフ→クランクシャフト

名前に関しては過去一手抜いている気がする。

カジマは・・・言わん方が良いか。


字数の制約が無いだけで気分次第な書き方出来るからマジで楽。

ダンジグの話し方は鋼平の感情に依存する・・・という設定が後で出て来ます。だから結構変わる。

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