死からの転生1
普通の人生を送っているとは思った事がない。小学5年生までは超幸せだったと思う。それからは波乱万丈な人生を送った。現在20歳の大学2年生、身長は高めな方だし顔はイケメンかは分からないが、悪い訳でもない。彼女は居ないが生まれた時からの幼馴染8人といつも一緒。小6の時に両親と姉兄が亡くなってからは、同じ境遇の幼馴染達と生活していた。もし、家族に会えるなら、絶対に守りたいし、幸せにしたい。
毎年、毎月、お墓参りの時にそう考えてしまう。
「みんな、毎年お墓参り来てくれてありがとな?」
「何、水臭いこと言ってんの?俺らがおばさん達にどんだけお世話になったと思ってるの?」
「そうだぜ、俺と兄貴が大変だった時どんだけ救われたか」
「そうだよ!あたし達が家族なくして、辛かった時おばさん達が居たから楽しく暮らせたんだから!」
「それに優衣は私達にとって大切な幼馴染兼家族なんだから!」
「そうそう!ぁ、今日の夕飯何?」
「今更言う〜?ま、僕も気になるけど」
「私も、優衣の、料理、好きだし、何?」
「叶恵は本当優衣の料理好きだな?まぁ、私も好きだけどね」
笑顔で言ってくる4人の美少女と美人に、4人のイケメン達。
最初に声をかけてくれた爽やかイケメンこと、先崎瑠花は、高身長イケメンという言葉がとても似合い、口元にホクロがあるのが特徴。その隣に居る瑠花の双子の弟が、先崎美花は高身長イケメンで目元にホクロがあり少し口が悪い。
明るく声をかけてきたのは徳原美蘭は少し小柄だが、活発で天然馬鹿なところがある。その隣に居るのが、謙野愛琉は剣道の達人だけど優しく、おとなしい性格だ。
その隣の少し小柄な青年は忍田雷亜は運動神経抜群で結構大食いで優しい性格である。雷亜に突っ込んだメガネイケメンは菅野凛は成績優秀で僕らに勉強を教えてくれて辛辣でクールだが、初対面には猫をかぶっている。
ボソボソっとフワフワしてる女の子は清田叶恵は超が付く程の大食いで、小柄でか弱そうだが結構怪力。その隣で笑ってるのが風間流羽は結構ピュアで僕ら以外の男子には顔が真っ赤になったりするぐらい。
僕の大切な存在であり、家族と同じぐらい守りたい掛け替えないもう1つの家族だ。家族が亡くなってからの8年間僕のそばに居続けてくれた人達だから。
墓地から駐車場まで、帰っている最中だ。
「そうだな。ん〜、ハンバーグとか?」
「!!ハンバーグ!優衣のハンバーグ好き!」
「あたしも!」
「叶恵と美蘭は、優衣の料理なら何でも好きでしょ」
「それ、瑠花君にだけは言われたくないと思うよ」
「「うんうん」」
「何で!?」
「兄貴、優衣の料理ならいくらでも食えるじゃん」
「、、まぁ、否定はしないけど」
「ほら〜、凛君、何の本見てるの?」
「ん?あぁ、新作の医療本、結構面白いんだよね。雷亜も読む?」
「遠慮するよ」
楽しく話しながら、信号が青になるのを待っていたら、ある事を思い出して隣に居る運転手でもある愛琉に話しかけた。
「ぁ、愛琉、帰りにスーパー寄って?」
「優衣?別に良いが、買う物でもあるのか?」
「うん、ゆずと生姜チューブ、あとピーマン買っとかなきゃ」
「ピーマンヤダ!!優衣ヤダ!」
「ハハッ 美蘭、逃げたら承知しないからね。美花、流羽、逃がさないでね」
「「了解」」
「優衣の鬼〜!!」
「鬼でけっこーこけこっこ〜だよ。良い加減好き嫌いは辞めなさい」
「優衣に、だけは言われたくないと思うけど」
「分かった。瑠花は3種のネバネバ丼が食べたいんだね。今日は大量に作ちゃ 「俺が悪かった」 次はないから」
「瑠花、優衣、怒らせちゃ、メッ!」
「叶恵ちゃん、それは僕らも重々分かってるよ」
「ぁ、信号が青になった!」
気付けば信号が青になっていたので、歩き出そうとしていたら、左側から大きく騒がしい声が聞こえてきた。
「きゃー!」 「おい!運転手、寝てねーか!?」 「警察早く!」
「?何か、あったのかな?」
「事故でも?」
「巻き込まれない様に、早く渡っちゃいましょう」
「だね」
「「優衣、あぶねー!!」」
ドンッ ガシャン
そう言って前を向いた次の、一瞬の出来事で、僕らの目の前に大型トラックが突っ込んで来た。僕らは動かずにモロに当たり、轢かれてしまった。
全身に言葉に出来ない痛みを感じ、頭から血が出ている感覚は分かった。倒れていて、力もあまり入らないが、瑠花達の状況を確認して、目を開ける。
「る、瑠花、、、、みん、な。だ、大丈、、ぶ、」
「「「「「「「「、、、、、、、、、、、、」」」」」」」」
目を開けて見えた景色は、僕の声に反応せず、目を閉じ口や頭などから血を流し息をしない幼馴染達の姿だった。
瑠花と美花の2人は僕を守る様に包み込む様に僕を抱きしめていた。
「ヤ、ダ、ヤダ、よ。みんな、とまだ、色々し、たかっ、、た!」
「死ぬんだ、ったら、せめて転生、させ、て、、、、出来、たら、神に、でも何、でもなって、やる、、、、よ」
そう言って僕も息絶えて、また目を閉じ、息を引き取った。
《オッケ〜!君の願いは僕らが叶えてあげるよ!》
が死ぬ直前、脳内にそう明るい声が聞こえた。再び目を覚ます時、まさかあの言葉が本当になるとは、思いもしなかった、僕である。