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ソラノヒト  作者: 雪兎
31/33

第三十羽 恐怖再び

 三人で話していて、気が付くと二時間ほど経っていた。


「あ、もうこんな時間か。何かおやつでも買ってくる?」


「いや、僕らは間食とかあんまりしちゃダメだから」


「残念だなぁ……じゃあちょっと下の売店で自分のを買ってくるから二人でどうぞ~」


 そう言ってリコ姉は部屋を出ていく。


「明るい人だね。衣莉子えりこさん」


「まぁ、明るすぎるのが問題だけどね」


 リコ姉が出ていってから僕たちは次の休みの刹那せつなへの罰ゲームについて話した。


「次の日曜は刹那の罰ゲームかぁ……」


「コウは何をさせるつもりなの?」


「そうだなぁ……特にこれと言ってないけど、前の日曜日に僕がやったことをやってもらおうかな」


「自分は本を買ってきてもらおうかな。つばさが持ってきてくれた本、もう読み終わりそうだし」


「それはいいかもね」


 僕たちがそんなことを話していると突然ドアが開けられた。


「リコ姉、やけに早……刹那っ」


「やっほ~なんとなく来ちゃった」


「部活はどうしたんだよ」


「今日はおさぼりなのだ~ま、元々そんなに活発な活動はしていないし」


 ドアのところにいたのはリコ姉ではなく、刹那だった。

 時間はちょうど授業が終わってから二十分ほど経った時間だった。


「何よぉ~私か来ちゃまずいことでもしてたのぉ?」


「そんなことはしていないけど……」


「じゃあいいじゃないさ」


「こんにちは、刹那」


空閑くがちゃんは相変わらず可愛いわね~」


「そ、そんなことはないわ」


 そう答えるナユの頬は少し赤かった。


「やっほほ~い。リコ姉のお帰りだ~い……およ?刹那ちんじゃないかね?」


「あ、リコさん。お久しぶりです~」


「相変わらず、コスプレしてるのかい?」


「バッチリですっ♪ あ、この前のネコっちの……」


「ワーッワーッ」


 それだけは言わないでくれっ。もう一生自分の記憶から消し去りたいことだから。

 ……まぁ無理だけど……


こうクン、うるさい」


「むぐ」


 そう言ってリコ姉は僕の口を塞いだ。


「で、刹那ちん。紅クンが……?」


「まぁまずは現物を見たほうが早いですよ」


「むぐぐむーっ」


 せめてもの抵抗をするが、リコ姉に頭を叩かれて僕は沈黙する。

 そのあと刹那がデジカメをカバンから取り出し、少し操作をしてからリコ姉に見せる。

 見せるのはもちろん先日の写真だった。


「おぉ~さすが紅クン♪ 今度この格好して私に奉仕してよ~」


「むぐっ」


「そうかそうか、やってくれるのね♪」


「むむぐぐーっ」


 誰も肯定なんかしていないっ。

 てか首を横に振ったでしょうがっ。

 僕が叫んでもがいていると、突然ドアが開かれた。

 ……デジャブ?


「うるさいっ」


 案の定、そこにいたのは瑠香るかさんで、瑠香さんのスリッパ攻撃が僕の顔面を直撃する。


「ぶっ……きゅ~……」


「アナタ、誰よっ。紅クンをいじめていいのは私だけよっ」


 いや、アンタもいじめないでくれ……


「ん~……誰?」


「私は東狐とっこ衣莉子よっ。紅クンの愛……」


「むがーっ!」


 僕は無理やりリコ姉の手を振りほどいた。

 この人はまた勝手に愛人とか言おうとしたな。


「僕のいとこですっ」


「ほぉ~彼女がねぇ~コウの周りには美人がいっぱいだな」


 その中に貴女が含まれているのかは知りませんが、一応否定はしておかない。

 後が怖いからね。


「アタシはこんななりだけど一応この病院の看護師さ。よろしくね」


「よろしく。……えっと」


「あぁ、アタシは瑠香さ。猿渡さるわたり瑠香」


「じゃあ瑠香さん、そんなに紅クンをいじめないでね?」


「ん~でもコウっていじめたくなる雰囲気がない?」


「あぁ~わかる気がする」


 ちょっと待ってくれ。

 誰も僕をいじめないでください……


「ま、いじめはしないでからかう程度にしとくよ」


 てか、この部屋には僕をいじめる人しかいないな……

 刹那に瑠香さん、ナユにリコ姉……早いうちに逃げたほうがよさそうな……


「じゃ、じゃああとは女性たちで……」


「まぁ待ちなよ」


 そう言うのは刹那だった。

 ……嫌な予感しかしないんですが……


「ネコっちがこれを着ればノープロブレムさ~」


 刹那は自分のカバンをあさって取り出したものは……先日着なかったミニスカのコスプレだった。


「ちょ……ちょ……」


 てかなんで学校帰りなのにそんなものを持っているんだっ。


「にゅっふっふ~逃がさないよ~ん」


 ドアから逃げようとそっちを振り向いたがそこには瑠香さんが立っている。

 流石にあれの横は抜けられなさそうだ。

 そしてリコ姉はニヤニヤと笑っているだけ。

 ナユはくっくと笑いをこらえていた。


「いやだーーーーっ」


 なんでもないこの平日が忘れられない一日になりそうだ……もちろん、悪い意味で。

久々の『ソラノヒト』更新です~

待ってくれていた人たちはお待たせしました。そうでない方たちはぜひこれを機にw


さてはて、今回の話で完全に猫羽少年はいじられキャラ確定ですw

紅君のコスプレ姿を誰かに描いてもらいたいですね~w


で、今回の話を書いていてふと思ったことなんですが、『男が女装して生活』と『女が男装して生活』、どっちの方が長くごまかせるんですかね~?

『女が男装』の方は『はなきみ』ですかね~

『男が女装』の方は思いつきませんが

実際は可能なんですかね~?可愛らしい男子、かっこいい女子はいっぱいいますけどその人たちができるのかな~って思いますw


話の内容とは特に関連性はないですw


では今回はこの辺で~ノシ

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