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第十八羽 賭け
「あ、それロン」
何回目のロンだろう。
僕が捨てる牌はことごとく彼らが待っているものらしい。
「ネコっち弱いわね~いくら素人だからって弱すぎよ」
「何でそんなに強いんだよ」
「コウが弱いだけよ」
親が一周する前に僕の点数がゼロになって一局が終わった。
「んじゃもう一回いこー」
「もう勘弁してくれ……」
「じゃあ次は負けたら罰ゲームね」
刹那のヤツ、まったく人の意見を聞いてない。なら逃げるしか……
「ちなみに不戦敗はもっとひどい罰だよ」
……この人は人の心を読めるのか。
「わかったよ……やればいいんでしょ……」
諦めて立ちかけた身体を戻す。
結果は目に見えているけど……
こういう予想は絶対に裏切らない。
昔からそうである。
駄目だろうと思ったら駄目であるのが世の常だ。
昔のトラウマのときもそうだった。
「で、肝心の罰ゲームだけど……」
刹那がニヤリと笑う。
何故か寒気を感じた。
「男子が負けたら女装して病院一周。女子は恥ずかしいコスプレをして病院一周ね」
……これは負けられない。
僕のプライドに関わる。
再び牌を並べて、麻雀を始める。