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第十六羽 綺麗→綺麗→可愛い
次の日、朝の検査が終わって病室に戻ると翼と刹那が僕の病室まで来ていた。
「お~」
「元気~?」
「頼まれた本を持ってきたよ」
「サンキューな」
僕たちは三人で一緒にナユの病室に向かった。
「わざわざ悪いな」
「いいよ。それに紅が従っちゃうほどの子に会えるのも面白いし」
「お、コウ。友達かい?」
特別病棟に入るところで瑠香さんが僕に声をかけてきた。
「あ、昨日はありがとうございます」
「いえいえ。それにしてもハンサムと美人と……ちんちくりんだねぇ」
最後のは僕だろう。
この人に攻撃をすると確実に返り討ちにあうので何も言わないことにしよう。
「ま、これくらいの比のほうが、バランスがいいかもよ」
「そーですかー」
「あんたら那由多のところに行くの?」
「はい。昨日私は友達になりましたっ」
「ハハッ。そりゃよかった。仲良くしてやってくれよ?那由多はずっと一人ぼっちだったから」
そういい残して瑠香さんはナースステーションの中に戻っていった。
「じゃ、行こう」
僕たちは少し急ぎ足でナユの病室まで行った。