第十一羽 死刑宣告
僕は昼に来た道を戻り、自分の病室に戻った。
もちろん自分の名前を見ないように。
自分のベッドに入り込んでマンガでも読もうと母親に持ってきてもらった紙袋を探ると一枚の紙切れが入っていた。
母からのメッセージかと思いきや、字体が独特の丸みを帯びた字でなく、止め撥ね払いがしっかりとしているお手本のような字だった。
それにはこう書かれていた。
『ネコっちへ
せっかくお見舞いに来てあげたのにいないとはどういうことさ
明日の二時にもう一回行くからちゃんといなさいよ
それと今日のことの償いをしてもらうんだから
鷹見刹那』
「……」
僕のことをネコっちと呼ぶ人は今のところ一人しか思い浮かばない。
いじめっ子で美人な刹那が今日来ていたってことはこの字が証明している。
「明日はナユのところに避難させてもらおう」
とりあえず刹那からのメッセージはゴミ箱にインしてマンガを読むことにした。
しかしマンガに集中できなかったので、マンガを閉じて物思いにふけることにした。
ナユの奴は十年も前から入退院してたんだな。
僕の人生とはまったく違う。
それよりも何で彼女はソラを飛ぼうと病院の窓から飛び降りているんだろう……
自殺志願者のようには見えないけどもしかしたら心の闇があるのかもしれないから可能性はゼロではない。
流石に昨日の今日では飛んだりしないだろう。
いつかソラを飛ぶのを手伝えとか言われそうだけど今は考えないようにしよう。
それにしても今日の瑠香さんの一撃は強烈だった……
脳細胞がかなり死んだはずだ。
もともとそんなに詰まっていないからそこは気にしないが、痛かった。
次脱出するときは点滴を成功した場合も考えて抜け出そう。
今日の夜の散歩は……昼間のこともあるし、やめておこう。
見つかったら殺されるだけじゃすまないかもしれない。
明日も今日の時間に行っても問題ないかな。
今日の感じからなら大丈夫だろう。
ナユには悪いけど刹那から逃げるために使わせてもらおう。
見つかったら何されるかわからないからなぁ。
そんな風に時間を潰していたらいつの間にか辺りが真っ暗になっていた。
「さて……と。寝るかな」
僕は目を閉じて夢の中に落ちることにした。