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序章
数日前、僕は初めての入院生活を体験することになった。理由は簡単だ。病気になったからである。
二ヶ月前ほどから身体が気だるいと思いつつ放置しておいて、つい数日前に立っているのがつらくなったために近くの病院へ行って診察を受けると医者は苦笑いしながら「一ヶ月入院ね。てかよくこんなになるまで放っておいたね」と言ってくれた。
診断結果を親に言うと父親には馬鹿にされ、母親には笑われた。
父親曰く「いつも女々しいからそんなことになるのだ」との事だ。女々しく生んだのはアンタらだろうが。
母親は「コウちゃんのそういうところもカワイイ」とわけのわからないことを笑いながら言ってくれた。