表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ぼくたちの森が消えていく。

作者: 七瀬
掲載日:2022/08/02







ぼくたちの森が消えていく。

生い茂っていた森があっという間になくなっていった。

ぼくたちの森。

ぼくたちが住む森。

人間がやってきて、大きな音を立てたモノが木を切っていく。

大きな木は大きな音を立てて倒れていく。

たくさんあった木がどんどん減っていく。

ぼくたちだけじゃない、他の動物こたちも困っているんだ。




『人間ってやつは、なんでワイらの森を壊していくんだ!』

『あのでかいモノはなんだ?』

『おい、アレがこっちに来るぞ!』

『皆、逃げろ!』




森はけたたましく動物たちが逃げていく。

もうぼくたちの森はない!

ぼくたちは人間から、“森の住人”と呼ばれている。

ぼくたちの大事な森。

住むところがなくなった仲間は、人間に捕まえられて何処かに連れて行かれる。

これは聞いた話だが、鎖に繋がれてご飯ももらえず死んでいく仲間もいる。

人間は酷い生き物だ!

ぼくたちは仲間の復讐をする。




・・・でも? 人間ってやつは、いい奴もいる。

ぼくたちの仲間を助けてくれる人間もいるんだ!

ぼくもその一人。

森で住めなくなったぼくは人間社会に迷い込んでしまった。

行き場をなくしたぼくは、途方に暮れる。

そんな時、人間がぼくを助けてくれたんだ。

優しくぼくに話しかけてくれる人間。

とっても優しい声だった。

ぼくはこの人間に少し心を許した。

ぼくが連れて来られた場所は、“施設”という場所だった。

ぼくのように迷子になった仲間がたくさんいる場所。

優しくぼくに語りかけてくれる人間。



『もう大丈夫よ! ここは安全な場所だからね!』




どうやら? ぼくは助かったらしい。

ここでは人間がご飯をくれる。

ぼくたちと触れ合ってくれる。

そしてまたぼくたちを森へ帰す。

でも? それはぼくたちにとって本当の意味で幸せな事なのか?

ぼくたちの森はもうないんだ!

自然に帰れと言われても、住む場所が狭い。

仲間たちはまた施設に戻って来る。

ぼくはもう森には帰りたくないよ。

ここに居て! ここの人間たちと共に生きていきたい!

それなのにここの人間たちときたら、ぼくたちの気持ちを全然

分かってくれないんだ!




【ぼくは君たち人間と死ぬまでここに居たいんだよ!】






ぼくの言葉は人間には伝わらない!

ぼくの心の声も人間には伝わらない!

ぼくの想いはココにあるのに、、、。




森に戻る事だけがぼくたちの幸せじゃないんだ。

もうかつての森はない!

ココがぼくたちの居場所に変わったんだよ。

それが人間には分からない!




ぼくはもう森には帰りたくないよ。

ここがぼくの家なんだからさ。




最後までお読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ