ぼくたちの森が消えていく。
ぼくたちの森が消えていく。
生い茂っていた森があっという間になくなっていった。
ぼくたちの森。
ぼくたちが住む森。
人間がやってきて、大きな音を立てたモノが木を切っていく。
大きな木は大きな音を立てて倒れていく。
たくさんあった木がどんどん減っていく。
ぼくたちだけじゃない、他の動物も困っているんだ。
『人間ってやつは、なんでワイらの森を壊していくんだ!』
『あのでかいモノはなんだ?』
『おい、アレがこっちに来るぞ!』
『皆、逃げろ!』
森はけたたましく動物たちが逃げていく。
もうぼくたちの森はない!
ぼくたちは人間から、“森の住人”と呼ばれている。
ぼくたちの大事な森。
住むところがなくなった仲間は、人間に捕まえられて何処かに連れて行かれる。
これは聞いた話だが、鎖に繋がれてご飯ももらえず死んでいく仲間もいる。
人間は酷い生き物だ!
ぼくたちは仲間の復讐をする。
・・・でも? 人間ってやつは、いい奴もいる。
ぼくたちの仲間を助けてくれる人間もいるんだ!
ぼくもその一人。
森で住めなくなったぼくは人間社会に迷い込んでしまった。
行き場をなくしたぼくは、途方に暮れる。
そんな時、人間がぼくを助けてくれたんだ。
優しくぼくに話しかけてくれる人間。
とっても優しい声だった。
ぼくはこの人間に少し心を許した。
ぼくが連れて来られた場所は、“施設”という場所だった。
ぼくのように迷子になった仲間がたくさんいる場所。
優しくぼくに語りかけてくれる人間。
『もう大丈夫よ! ここは安全な場所だからね!』
どうやら? ぼくは助かったらしい。
ここでは人間がご飯をくれる。
ぼくたちと触れ合ってくれる。
そしてまたぼくたちを森へ帰す。
でも? それはぼくたちにとって本当の意味で幸せな事なのか?
ぼくたちの森はもうないんだ!
自然に帰れと言われても、住む場所が狭い。
仲間たちはまた施設に戻って来る。
ぼくはもう森には帰りたくないよ。
ここに居て! ここの人間たちと共に生きていきたい!
それなのにここの人間たちときたら、ぼくたちの気持ちを全然
分かってくれないんだ!
【ぼくは君たち人間と死ぬまでここに居たいんだよ!】
ぼくの言葉は人間には伝わらない!
ぼくの心の声も人間には伝わらない!
ぼくの想いはココにあるのに、、、。
森に戻る事だけがぼくたちの幸せじゃないんだ。
もうかつての森はない!
ココがぼくたちの居場所に変わったんだよ。
それが人間には分からない!
ぼくはもう森には帰りたくないよ。
ここがぼくの家なんだからさ。
最後までお読みいただきありがとうございます。




