コント「かける能力」
配役・・・A=教師 B=能力者 ●=ト書き
●チッチッチッ・・・(時計の音)
A「おいおい高木、こんなこともできないのか?ん?」
B「ミスった!もう取り返しがつかない。こうなったら、能力を使うしか・・・」
A「おい高木。何をするんだやめろ!」
●ガシャーン!(ガラスが割れる音)
A「高木ー!」
●チッチッチッ・・・
B「・・・よし!ループ成功だ!これが俺の能力。絶命することで時間をさかのぼることができる。この無敵の能力で、俺は新世代の王になる!だがその前に、この課題を攻略しなければ」
A「高木、やれるか?」
B「はい、やります!2×1=2、2×2=2」
A「4だろ。おいおい高木、こんなこともできないのか?ん?」
B「ミスった!」
●ガシャーン!
B「この通り、ミスっても窓から落ちれば無かったことにできる。しかし2の段は難しい。さっきの1の段とは比べ物にならない!だが2年生の俺がここでつまずくわけにはいかない」
A「高木、やれるか?」
B「はい。2×1=2、2×2=4、2×3=8」
A「6だろ」
●ガシャーン!
B「大丈夫。少しずつ攻略できてる。俺は同じミスは犯さない」
A「高木、やれるか?」
B「はい。2×1=2、2×2=4、2×3=8」
A「6だろ」
●ガシャーン!
B「犯してしまった。しかし一体、何回ループしただろう?1の段で13回、2の段で42回ループしたから合わせて・・・100回はループしている!これでは身体がもたない。こうなったらアレを使うしかないな」
A「高木、やれるか?」
B「はい。2×1=2、2×2=4、2×3=6・・・2×4=8」
A「こら!スマホで計算するな!」
●ガシャーン!
B「バレた。仕方ない、奥の手を使おう」
A「高木、やれるか?」
B「先生、トイレに行ってもいいですか?」
A「ダメだ。そう言って逃げるつもりだろ」
●ガシャーン!
B「見抜かれた。小細工は通用しないようだ。こうなったら正攻法で挑むしかない」
A「高木、やれるか?」
B「はい。2×1=2、2×2=4、2×3=6、2×4=10」
●ガシャーン!
B「2×1=2、2×2=4、2×3=6、2×4=8、2×5=10。いける!2×6=12!2×7=14!2×8=16!にくっにくっ・・・あーっ!」
●ガシャーン!
B「2×1=18!」
●ガシャーン!
B「1×1=1!あっ1の段やっちゃっ」
●ガシャーン!
B「鼻血が出てきた。身体ももう限界だ。だが、時も、命も、数字もかけたその先に、栄光が待っている!次の挑戦に、全てを賭ける!」
A「何をブツブツ言ってるんだ?高木、やれるか?」
B「はい!(深く息を吸う)すぅ~~っ・・・にいちゅっ!」
●ガシャーン!
B「嚙んだ。もうダメだ、どうにでもなれ」
A「高木、やれるか?」
B「(ふてくされて)はいはい。2×1=2、2×2=4、2×3=6、2×4=8、2×5=10、2×6=12、2×7=14、2×8=16、2×9=18。あれ?できた。やった!?」
A「そんなに嬉しいか?」
B「はい、やっとできました!」
A「やっと?まぁいい、それじゃ次は」
B「はい、3の段ですね」
A「いや、それがな」
B「何ですか先生?」
A「お前ももう2年生だろ?中2でこれじゃ遅すぎるから他の生徒に合わせろと校長先生に言われてな」
B「え?」
A「というわけで次は連立方程式だ。このxとyの値を求めてもらおう。高木、やれるか?」
●ガシャーン!