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人形少女は魔王様依存症  作者: やまね みぎたこ


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人形少女は後始末をする

さてさて、無事勇者たちを退けたわけだけど…自由になるためにはもう一仕事終えてしまわないといけないのよね~。めんどくさいな~でもやらないとだしな~。


「でもそれが終われば自由だし…そのあとはどうしようかなぁ?」


人間の世界に溶け込むのは無理だろうし…というか嫌だし。

人間なんて碌なもんじゃないからね!ならどうする?気ままに旅を続ける?

いやしかし私はやっぱり安心して暮らせる場所が欲しい。旅に出るかどうかはひとまず置いておいて帰れる場所が…居場所が欲しいのよ。

ということはやっぱり誰かに接触しないといけないのかなぁ?でも人間はな~もしかしたら私は顔が割れてるかもしれないし…力で脅すか?それもありだなぁ。

というかこの世界、私みたいに言葉を話せるモンスターっていないのかな?勇者がいるんだし魔王とかいないかな!?探してみようかな。


「とか考えている間に到着っと」


目の前にそびえたつのは怪しい雰囲気がやばいボロボロの洋館。

ここはどこだって?ここは私がいた洋館…つまりあのカスの血筋が代々住んでいる家だ。

私はここでやらないといけないことがあるのよね、めんどくさいけれど。


無駄にでかい門を力任せに開き中に入る。

すると黒いローブを羽織った人間たちがじろじろと私を見て近づいてくる。


「な、なぜパペットだけが帰ってくるのだ?」

「我らが主様はいずこに…?」


やはり私だけがここにいることが疑問なようだ。

まぁわざわざそれにこたえてあげる義理もないし始めてしまおう。

私は関節をギシギシと鳴らしながら腕を持ち上げ指を動かす。この不気味な動き…もはや癖だな。

そして私は両腕から刃をはやすと手近なところにいた人間の首をはねた。


これもいつの間にかできるようになっていた私の不思議能力の一つで、私は自分の身体のあらゆるところから刃物を出すことができるのだ!


「ひ、ひぃいいいいい!パペットがひとりでに首をはねたぞ!?」


あーあー、のんびりしてたから大声上げられちゃった…面倒だなっと。

すぱっと声を上げた人間の首もはねた。

私がここにきた目的…それは私の情報を全て消すことだ。

この館には数百年分の私の研究された情報や知識…そしてそれを受け継いだあのカス共の手下というか何なのかみたいなのがいっぱいいる。その全てを葬りに来たのだ私は。

全ては自由のために。


「い、いやぁあああああああ!た、たすけ…!」

「く、くるな!こっちに来るなぁ!」


ものの数分であら阿鼻叫喚。

大人しくしていれば恐怖なんて感じるまでもなくすぱっとやってあげるのに逃げるものだからさぁ大変。誰も逃がすわけにはいかないからアグレッシブに動いてれっつザクザク。


「な、なぜこんなことに…!パペット様!我々はあなた様の主人に忠誠を誓った…」


だからお前たちはここで死ぬんだよ、ばーか。

誰もかれも平等に首を落としていく。

何度でも言うけど別に殺すのが好きなわけじゃないからね。いたぶる趣味はないのよ?私。


「とにかく動きを止めるんだ!」

「わかったわ!」


いつの間にか私を囲んでいた黒ローブたちが魔法の詠唱を始める。

こういう時は待ってあげたほうがいいのかな?待たないけれどね。

私は足をその場で踏み込み、適当な魔法を発動させた。

するとローブ達の足元に黒い魔方陣が現れ、そこから鋭い無数の槍が生えてローブ達を串刺しにした。

確かイビルランスとかいう魔法だ。


「そ…そんな…パペットが魔法を使うなんてありえない…しかもこれは闇の上位…がふっ…」


解説ありがとうローブくん。安らかに眠り給え。

そんな感じで順調に人間たちの始末は進んでいき…たった今、最後の一人の首をはね終えた。

え?なんで最後の一人ってわかるかって?なんとなく生きてる生物の反応がわかるのよね!これも私の不思議能力の一つ…ふふ、すごいでしょう?


「あとは魔法でも使ってこの屋敷を消し飛ばせばオッケーかな~…うん?」


今の一人で最後だと思っていたけど…なんだかもう一人分反応がある?

…まぁたまにはミスを犯すこともあるさ~人形だもの。

やけに反応が小さいから見落としてしまっていたよ…瀕死とかかな?あまり苦しませるのもあれだし、すっぱりと終わらせてあげよう。


「と、言ってみたもの…これはどうするかな~」


私の目の前にいるのは確かに人間だ…ただしまだ産まれてまもなさそうな赤ん坊だった。


「う~ん…」


これは悩む。私が消したいのは私に関する情報だ。そういう点ではこの赤ん坊は除外される。

それにここにいるやつは普通に悪人だからそんなに心は痛まないけれど赤ん坊はなぁ…。

うん、この子は見逃そう…そうしよう。

と思ったところで私はふと思ったことがあった。


「こんなところに普通の赤ん坊がいるか?」


馬鹿みたいに黒魔術だとかに熱狂してる連中が普通に子供を産み育てるか?怪しい…少し調べてみるか。

勇者たちの力量を測れたように、これまた私の不思議能力の一つで他人の情報的なものを読み取れるのだ!

そして案の定、この子は普通の子供ではなかった。

身体になにか変な術式を刻まれている…おおかた実験のために作られた子供といったところだろうか…。


そしてその術式には私から得た情報であろうものも含まれているようなので完全にアウトだ。


「…君も災難だね。こんなところに産まれちゃってさ」


きっとこのまま生きていてもどのみちこの子は幸せにはなれないだろう。

だからここで終わらせてあげよう。


「…でもなぁ」


驚いたことに私はこの子供に同情してしまっているらしい。

前世の事もあるからだろうか…?だけどどうしようもない。私は覚悟を決めた。



「よーし!すっきりしたな!」


燃えて跡形もなく崩れ去っていく洋館を見て私は満足感に包まれていた。

一仕事終えた後の満足感だ。

ここから私の新しい人形生が始まる…さぁまずは一歩踏み出そう。


「っと、その前に一応身体に取り込んでおこう」


私は掌のなかで輝いていたそれを口に含んで飲み込んだ。

それは先ほどの赤ん坊の魂…やっぱりどうしても殺してしまうのは私の中の欠片くらいに残った人間としての心が痛むので存在を許せない身体だけを始末して魂だけ引きぬくことにした。

なんかやってみたら意外と簡単にできた。するりと魂だけ引きぬけたのだ。

すげえな私、もう神じゃん。

ただこの子の事を思うなら一思いに殺してあげたほうがいいのかもしれないけれど…その答えを出すのは今じゃないということでとりあえず保留だ。

私に余裕ができたらまたその時に考えようじゃないか。


そんなこんなで私の居場所探しが始まったのだった。

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