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人形少女は魔王様依存症  作者: やまね みぎたこ


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人形姉妹のお手伝い

おまちかね幼女姉妹のほのぼのタイムです

「子供…?おい、誰かの娘か?」

「いいえ、こんな子たち見たことないわ。それに…」

「ああ、見た感じ人間の子供に見えるぞ」


突如現れた二人の幼い少女にその場にいた魔族たちはざわめきだしたがただ一人レザだけは少女たちの片割れを見て不思議な感覚を覚えていた。


(誰かに似ている…?)


レザはたった今、色々な事が重なり思考がままならない頭で必死にその少女が誰に似ているのか思いだす。

そうしなければ何かまずい事が起こりそうな気がしたからだ。


「ぺくちっ」


ピンク髪の少女が可愛らしくくしゃみをした。

それを見たもうひとりの少女が手にしたハンカチをピンク髪の少女の口元に当てた。


「大丈夫アマリ?ここ空気悪いから嫌だね。これ当てて」

「うん…ありがとお姉ちゃん」


少女たちはこの場には似つかわしくない、綺麗なドレス風の服を着ており、それがいっそうのこと二人の異物感を演出していた。


「お前たちは…誰だ」


記憶をたどっても霧を掴もうとするかのようにその正体を突き止められなかったレザは直接問いただした。


「ん~?誰?むむむ~知らない人に名前教えるのはダメってメイラちゃん言ってたから教えられないなぁ~」

「うん…教えちゃダメ…ぺくちっ」


ぬいぐるみを抱えた不思議な髪色をした少女は興味深げに部屋の中をキョロキョロと見渡し、ピンク髪の少女はもう片方の少女の背中に隠れるようにして口元をハンカチで押さえている。


正体は不明、名前も名乗らない、そんな二人に対してしびれを切らした魔族の一人が苛立たし気に二人に近づき乱暴に手を伸ばした。


「どこのガキかは知らんが怪しすぎる。とっ捕まえてどこのガキか吐かせるべきだ」


そんな男にぬいぐるみの少女のガラス玉のような特徴的な瞳が向けられる。


「お兄さん汚いから触らないでほしいな~」


何でもないその言葉に何故か男は逆らえず、何もされていないにも関わらず男はその場から身動き一つできなくなってしまった。


「な、なんだこれは!?」

「お、おい…どうしたんだよ」


再びざわめきだす魔族の中でただ一人、その少女たちから異常な何かを感じていたレザがごくりと唾を飲み込み、問いかける。


「お前たちは…なんだ…何をしにここに来た…?」

「えっとね、私たち最近寂しいの」


寂しい。


それは先ほども聞いた言葉。


いや、さっきのは寂しかったと過去形だったか…とレザは魔王の姿を思い浮かべた。

その瞬間、頭の中に小さな電流が流れたような感覚を覚えた。


「なんだ…何を言っている…?」

「だから寂しいの~!少し前からママもリリちゃんも忙しそうにしててお屋敷にいないから私もアマリも退屈なのーっ!ねぇ?アマリ」

「うん…ママもリリちゃんも…遊んでくれなくて寂しい…」


ママ…そしてリリちゃん。

そこでようやくレザは少女に感じていた不思議な感覚の正体を突き止めた。


ぬいぐるみを抱えた少女はあの二人に似ているのだ。


その特徴的な瞳に底知れない闇のような不安感を覚える黒髪…そして顔立ちは記憶の中で笑う幼い魔王によく似ているように見えた。


この少女たちは…魔王とリリの娘だとレザは確信した。


(ピンク髪の少女のほうは二人に似ていないが、もう一人のほうを姉と呼んでいるあたり間違いないだろう…だがなぜここにそんな子供がいるんだ…?)


今のレザは全くと言っていいほど頭が回っておらず、どうすればいいのか思考が定まらない。


(まさかリリかアルソフィアが送り込んだ…?いやそんなはずはない。あの二人がこの場所を知っているはずがないし、そもそも子供をこんなところに送り込んでくるような奴らではない…はずだ)


たとえ敵対している相手といえどもあの二人が子供たちの事を愛していたのはなんとなくわかる。

ならば余計に何故?とレザの思考はさらに困惑していく。


「お前たちは…アルソフィア…魔王とリリの娘だな?どうしてここにいる」

「あれ?お兄さん私たちの事知ってるの?でも私はお兄さんの事知らないしちゃんと挨拶しないとだよね!リリちゃんが挨拶は大事っていつも言ってるからね!私はリフィル」

「えっと…アマリリスです」


二人の少女、リフィルとアマリリスがぺこりと頭を下げた。

その脈絡もなく、状況にも合わない会話の仕方や浮かべた笑みも随分とリリにそっくりだと感じられた。


「…」

「あれ?お兄さんは挨拶してくれないの?リリちゃんに怒られても知らないんだからね~。それでどうしてここにって言うのはだから寂しかったの!ママもリリちゃんも帰ってこないから帰ってきて私たちとたくさん遊んでほしいの~!」


先ほどと同じような事を頬を膨らませてぷんぷんと擬音が聞こえてきそうな感じで可愛らしくリフィルとアマリリスは怒っていた。

しかしリフィルから発せられた次の言葉に場の雰囲気は一変する。


「だからね私たちはね?ママたちに早く帰ってきてもらうためにお仕事をお手伝いしようって思ったの。私たちからママとリリちゃんを奪うあなた達にみ~んな死んでもらおうって思ったの!」

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[一言] なんて親想いのいい子たちなんだ(白目)
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