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人形少女は魔王様依存症  作者: やまね みぎたこ


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人形少女は絶望する

新しくまた始めさせていただきました!よろしくお願いします!

全てが煩わしい。

そう思いだしたのはいつの頃からだろうか。

幼いころから私はよく、いわゆるいじめのターゲットにされていた。

誰もかれも何が気に入らないのか寄ってたかって私を攻撃する。しかし私はそれで大人しくしているほどできた人間でもなくて…そうして起こったことはだいたい無駄に金だけは持っている親がもみ消してくれた。

もちろん私に愛情の欠片も持っていなかった両親が私のためにそんなことをするはずもなく、全ては自分たちの体裁のため。

そんなことが続くとすべてが煩わしくなると思わないだろうか?思わない人もいるかもしれないけれど私は思った。

そんな私が行きついたのはネットゲーム…このオンラインの世界だけが私を受け入れてくれた。

そこで人形遣いという職業でプレイをしてそこそこ有名になって…パペットマスターのリリと私のプレイヤーネームを言えば通じるほどだった。


そしてそんな私の小さな世界も、家におしいってきた強盗に殺されて終わりを迎えるという…ほんとくだらない人生…。



「どうする?こういう人間が一番振り分けが難しいんだよな~」

「どうするもこうするも今まで通りでいいでしょうに」

「とはいってもな~」


何処からともなく声が聞こえる。

でもどこから聞こえてくるのかわからないし、ここがどこなのかもわからない。

ただただ真っ白な場所で…いや、眩しい場所で自分の姿すら見えない。


「非はなく死んだけども善人とは言えない…かといって極悪人でもない…微妙だな~」

「もうさくっとやってしまいましょうよ。こんな経歴な人間なんていっぱいいるんだからいちいち悩んでたら進まないわ」

「う~む」


なに…?いったいなんなの…?


「ではとりあえず一つ罰を与え、その後は一般通りの判決としよう」

「は~い異議なし~」

「うむ」


「よし、そこの人間、我らの声が聞こえているか?」


私の事…?


「そうだ、お前の事だ。状況が飲み込めぬとは思うがまずは聞いてくれ。お前は死んだ」


私が死んだ…?いや…そういえばさっき部屋に男が入ってきて私を…。


「まぁそういうことだ。そこで一つ聞きたい。お前はこれからどうしたい?」


どう…?どうってなによ。死んでるんでしょう?私。

ならもうこのまま死なせてよ…もう私は疲れた。


「ふむ…これはどうするべきか…」

「いちいちどうするとか悩むなって言ってるのよ。このまま死にたいって言うのなら罰は決まりでしょう」

「うむ」


「…よかろう。人間よ、これからお前を我々が管理する別の世界へと飛ばす。そちらにわかりやすい言葉を使うのなら…転生、というやつになるのだろうか?それを持ってお前への罰とする。」

「それ以降は私たちは特に干渉しない」

「何をするも自由…好きに生きるがいい」


ちょっと待ってよ…なによそれ!

抗議しようとした私の意識がどこかに落ちていく…そんな感覚がする。

なんで…なんでこうなるの…訳が分からないことばっか!なんなのよ…!

そして意識はそのまま薄れていき…。



次に目を覚ますと私の目の前に怪しい出で立ちの不健康そうな男がいた。

その男は私を見ると狂ったように笑いだした。


「はははははははははは!成功だ!ついに成功したぞ!はははははははははは!」


相変わらず状況が全く分からない。

とりあえず色々確認しなければと辺りを見渡す。

ぎぎぎぎといびつな音を私の首が立てる。

なに?この音…?


次に腕を上げようとしてみる。やはりぎぎぎという音を立てて腕が動く。そして私は絶句した。

自分の腕がおかしいのだ。人間の身体じゃない…いや、見た目という点では限りなく人間に近い…だけど違う。

肌の色はおおよそ生きた人間のようだとは言えず…その質感も柔らかい物ではなく無機質なものだ。

そして肘関節…そこが球体の様になっている。

これは…人形の腕だ。

目線を下げ自分の身体を確認する。どうやら黒いドレス…いわゆるゴスロリのようなものを着ているがところどころのぞく肌などがやはり人形のそれだった。


私は…人形になってしまったの…?


「ふふふふふふふ!さあ行くぞ!「アークパペット」!私を見下したあのカス共に裁きを降しにな!はははははは!」


男がその枯れ木のような腕を動かす。

私はその男の指から小さく光る糸のようなものが伸びていて私につながっているのが見えた。

そして男の動きに連動するように私の身体は勝手に動き出す。


脳裏によぎるのは私が遊んでいたゲーム…この男は人形遣いで…そして私は使役される人形…?


それからは地獄だった。

私はどうあがいても人形…自由などなく男の操られるままに動くことしかできなかった。

喋ることはできそうだが…私は喋らないことを選択した。この男に私が意志を持っていることを知られてもいい事なんてないと思ったから。

というのもこの男…見た目通りヤバいやつらしく。私を使って男がしていることは殺戮と強奪だった。


まず最初に私がやらされたことはどこかの王様を殺すことだった。私を引き連れてお城に乗り込んだ男はそこで殺戮の限りを尽くした。

もちろんたくさんの人が抵抗したがどうやら私はそうとうに強い人形らしく鎧を着こんだ騎士のような人も、きらびやかな剣を持った強そうな人も私にはかなわなかった。

そして強制的に人の命を奪わされ、最後には玉座に座る王様をも惨殺し男は財産などを奪い逃亡した。


それからは賞金でもかけられたか、たくさんの人が男を殺そうと現れるも…やはり私にはかなわず無残な肉塊になってしまった。

情報なんて自由のない私にはほとんど入ってこないが…どうやら男は史上最悪の人形遣いとして知られるほどになっているようだ。


「ふふふふふふふふふ…ふはははははははははは!俺は最強だ!このアークパペットがいれば何も怖いものなどない!世界は俺のものだ!はははははは!」


そんな日々が数十年続き、ある日ぽっくりと男は寿命で死んだ。

私はもしかしたら解放されたのかもしれないと期待したが…私は男から男の息子に継承されただけだった。


「くっくっくっく!父上から受け継ぎしこの最強の人形があれば…俺に逆らえるものはいない!そうでしょう!父上!はははははは!」


やはりあの男の子供だ。何も変わらない。

そして繰り返される殺戮…正直もううんざりで…何もかもを忘れて心を閉ざしてしまいたい。

しかし私は人形で…心が壊れるなんて機能はついていないのだ。

一生このまま、私は誰かの思い通りに動き続けるだけの人形。


そしてそこから数百年の時が流れた。

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