表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/22

ザルード大公

前作「命を継ぐ者 (ラシル) の旅」 第66部(トゥルク2)の後のお話・・・。

これは、ラシルさんが訓練校の開校準備を任され、悪戦苦闘していた頃のお話です。アルシュ藩王ルドラさんは、トゥルクの街から帰国した後、ここパルバク王国の都ヴィラハにやってきました。そして、国王の叔父にあたるザルード大公のお屋敷を密かに訪問中です。


「ザルード大公殿下、今日はお時間を頂いて感謝いたしますわ」

「いやいや、わざわざルドラ卿にお越しいただくとは光栄です・・・」

きりっとした正装姿のルドラさん。その言葉に、ゆっくりと笑みを深めます。


豪華な貴賓室で、お茶を飲みながらゆったりとした時間が流れます・・・。

そして話題は、大公殿下のご令孫、アルージュ卿のお話へ・・・。


「・・・そう、あれももう15になるが誰に似たのか女性には奥手で、儂らも少し手を焼いておる・・・」

「あらあら、そうですか・・・。 実は、そのアルージュ卿に紹介したい方がおりますの・・・」

「ほう・・・」

「ただ、お相手はユミルの貴族ご令嬢・・・」

「むう・・・」

大公殿下、ユミルと聞いて少し眉を(ひそ)めます。


「率直に申し上げますわ。パルバク国王陛下におかれましては、かの国には長きに渡り含むところがおありのご様子。しかし、このままでは周辺国も緊張が解けないのです。そこで、ユミルの姫君を輿入れさせることで、互いに歩み寄りを図られてはいかがかと・・・」

「人質か・・・。 しかし陛下は、未だ王女様たちの扱いに心を痛めておられる」

ルドラさん、大公殿下のお答えに、当然の話ですわ、と理解を示します、


「ですが、このまま(やぶ)をつつけば、蛇がでるかもしれません・・・いや蛇ならまだ良いのですが・・・」

「ふん、龍に守られた国か・・・」

大公殿下、ユルザード大王の伝説が頭をよぎり、眉間のしわが一層深くなります・・・。


「実は、かの国で龍の兆しがすでに表れております・・・」

「何?」

ルドラさん、声を落として話を続けます。


「潮目が変わるかもしれません。このまま力押しをされるのも結構ですが、別の選択肢をお考えになっても損はないかと・・・」


「・・・もう少し詳しく話を聞かせてもらえぬか?」

ルドラさん、大公殿下の言葉に満足げに(うなず)きながら、龍の兆しと、アルージュ殿下のお相手について話し始めました。


話し合いは遅くまで続けられ、ルドラさんは数日後、パルバク王国の都ヴィラハを後にしました・・・。



ルドラさん、訓練校開校の交換条件で、この縁組の橋渡しを頼まれていました・・・。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ