表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/22

手紙

「続・命を継ぐ者 (ラシル)の旅」第64部、代償、の数日後のお話です・・・。


学期試験が終わり、双子達はアルマー村に戻ってきました。

この休みを利用して、猿王に “びよ~ん” の作り方を教えてもらう約束をしています


「猿王早く来ないかな?」

タマキちゃん、”びよ~ん” の作り方を習うのが待ち遠しくてたまりません・・・。


そんなある日、珍しく手紙が双子達に届きました。ユミル国内で質の良い紙は作られておらず、連絡のやり取りは言伝で行うのが普通です。


「タマキが読む~。字もたくさん覚えた~!」

珍しい手紙に、双子達は興奮気味です。


「え~っと、拝啓、ミサト殿、タマキ殿、お元気ですか?」

「うん、元気~!」

タマキちゃん、文面にいちいち返事します。


「ちょっと、タマキ、いいから早く読んでよ!」

「は~い! え~っと、この冬、お嬢達に “びよ~ん” の作り方を教える約束をしていましたが、遠国への用事でそちらに戻れなくなること、お詫びいたします・・・」


え~? 猿王来られないの・・・?


「ぶ~」 

タマキちゃん、思わず文句が出ます。


「しょうがないでしょ、猿王たぶん仕事だもん・・・」

タマキちゃんを慰めるミサトちゃんです。


「もう! ・・・つきましては、手紙にて作り方を記しておきますので、そちらをご覧ください」


“びょ~ん” の作り方、あった! 数枚に作り方がまとめられています。

タマキちゃん、そちらに夢中で、残りの手紙を読むことはすっかり忘れています。


「もう、タマキ! 残りの手紙は?」


タマキちゃん、作り方を書いたものを手元に残すと、2枚だけミサトちゃんに渡します。しょうがないわね、と続きを読むミサトちゃん・・・。


「・・・?」

「ミサト、どうしたの?」

(そば)で聞いていたお母様、読めない字でもあったのか、と(いぶか)ります。


「ううん、・・・訓練校に通うこと許して下さった母君に感謝を忘れず、しっかり学びを修めていただければ、猿王この上ない喜びです。旅先では、直接お嬢達の風よけや、分かれ道の道標になれないのが残念です。しかし、お二人ならば、もう自ら道を切り開いて進めると信じております。今後のご活躍楽しみにしておりますぞ。返信不要にて、 猿王」


う~ん、何か変なのよね、この手紙から受ける感覚なのかな・・・?

ミサトちゃん、何となくもやもやします。


「返事書く~!」

「もう、返信不要、って書いているでしょ! 旅先なのよ」


でも、旅から帰ったら読める~。そう言って母様から紙をもらい、お礼の返事を書くタマキちゃん。ミサトちゃんも礼状を書きます。


二人の返事は、ルグシャ外れの猿族の街に届けられます。そして、療養中の猿王の元へ無事届けられました・・・。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ