アルマー村
アルマー村の設定や背景などを追加します。
ユミル王国は、東西に長く伸びた主要街道で結ばれています。東はアサラ宮殿がある国都から、西は辺境都市の領都ガルバまでです。旅程は、女性の足で約30日でしょうか。途中には、商都バーキル、穀倉地帯ウルクークと街道の要衝トゥルクを挟みます。
私、ラシルは、領都ガルバから山間の道を2日歩いた、西の国境近くの湯治で有名なアルマー村に今は宿を取っています。山道の南側には豊かな森があり、それ横目に進めば、湯けむりと微かな硫黄の匂いが、村に着いたことを知らせてくれます。
村の人口は、周辺地域も含めて数百人ぐらいとか。でも、私のように宿泊しながら働く、準村民という人も含めて、だそうです。
道を少し下り、小さな川に沿って進みます。そして、急な坂道を上がる途中に、私が滞在している宿があります。宿の作りは、石の土台にたくさんの木を組んで作られています。お部屋はシンプルですが木目の美しさが際立ち、くつろいだ雰囲気を醸し出しています。
宿の女将は、双子のお子様を育てているお母様です。とても美しい方で、二人のお子様がいらっしゃるようには到底見えません。ちなみに、私はこのかわいい双子の大ファンです!
さて、宿を出て再び坂道を下り、川向こうの坂道を登れば、広場と村の寄り合い所、そして村営の大浴場が見えます。大浴場は、村の宿泊客にとって利用しやすく、私は頻繁に通っています。
温泉は、私が大好きな乳白色の湯に、びっくりするくらい肌がつるつるになる透明な湯もあります。湯上りの楽しみは、大広間で村の皆さんと一緒にまったりとお喋りする事かしら・・・。
村の人は、皆優しいですね。旅人の私にも気兼ねなく接してくれ、それがとても心地いい・・・。
話は変わって、皆さんが来ている衣服ですが、綿製の貫頭衣と呼ばれる衣装に、女性は色鮮やかなストールで着飾っています。ここは山間の村なので、気候が温暖なユミルにしては、冬は寒く雪が降ることもあるそうですよ。
実は、ここユミルでは、少し驚くことがあります。普通の人に交じり、いわゆる獣人という方でしょうか? 鳥や猿の姿をした人を見かけます。ユミルには、猿族や鳥族の街もあるとか。
アルマー村でも、鳥族の方を何人か見かけます。
主要都市や辺境の村に、情報や小さな商品を運ぶお仕事をしているそうです。
猿族の方は、一人だけお会いしました。
双子たちが猿王と呼び、宿にたまに顔を出される長い手が印象的な方です。
では、今日はこの辺りで終わります。少しずつですが、こうやって普段は話さない周りの様子をお伝えします。私、時々、周りが見えてない、って言われることがあるので念のため・・・。