そのご マリア 二十歳 オタクのマーク
マークは可愛い。
まんまる大きな黒メガネがよく似合う、可愛い可愛い私の天使。
なぜか人口わずか300人足らずの国にある小さな本屋。
客がいるのを見たことない本屋は、自他ともに認める大天才、私、マリア・フォン・ランドルの知識好奇心を駆り立てる本がならぶ。
どの本め大国リオンの王立図書館ですら見たこともない珍品ばかりだ。
そんな本屋のひとり息子マーク。
可愛い可愛い私の天使は、はっきり言ってオタクだ。
その雑学や否や、老害教授も真っ青な博識だ。
7歳でレオが海から海竜王の息子に拾わせた古代生物の骨をあっさりなんの動物か鑑識するくらい、オタクだ。
ちなみに私も老害もその生物は頭になかった。
お伽話にでてくるタイやヒラメじゃなく海竜もいる海に、伝説化していた巨大なカブトガニがいるとは思わなかった。
よくよくレオに聞けば、海竜王の大好物らしいのだが。
「マリア先生!見てみて、新しいサナダムシのフィギュア作ったよ」
15歳になった私の可愛い天使は、今日も不気味なフィギュアを持ってくる。
まんまる大きな黒メガネ。
可愛い可愛い私の天使。
ー決して私はゲテモノ好きではないのだが。