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見知らぬ場所

 暖かな陽射しに照らされ、印象派の絵画の様な空の下、爽やかな心地よい風で目覚めた。

ぼくはどうやら木に凭れたまま眠っていたようだ。おかしい。こんな所で眠るつもりは無かったのだが…。

 大きなあくびをしながら立ち上がり、彷徨ってみる。しかし、辺りに広がる芝生の他には何も無い。目印になる大きな建物が1つも見当たらない。自分が何処に居るのか検討が付かない。それだけではなく、この場所は全体的にぼんやりとした雰囲気に包まれており、特徴が無い。しかも、よく目を凝らしてみると遠方はもやがかかったように白く何も見えない。 


 「うわぁ。本当に何処だここ……誰も居ないし。とりあえず、誰かに電話してどうにか迎えに来てもらおう。何時だろう。」


 スマホを見ると14時。まだ仕事中だろうなぁと思いつつも母に電話を掛けた。



 ―――おかけになった電話は、電波の届かない場所にあるか、電源が入っていないため……


 やはり繋がらない。想定内であるが今日に限っては出て欲しかった。だが致し方無い。そうすると父に電話するしかないが、怒られる事は確実だろう。休みの日に会社から呼び出されても仕事を優先する程の仕事人間である。それゆえ父は勤務中に家族からの電話に出たがらない。ぼくが学校で倒れて父に電話した時でさえもそうだった。怒られる事を覚悟し電話を掛けた。どうせ父の個人用携帯に掛けても繋がらないと踏んで父の勤める会社に直接電話した。



 ―――ツー…ツー…ツー…



 「あれ。話し中かな?」


 それなりに大きな会社である為、ごくたまに電話を掛けた時に話し中であった事は1度もない。直ぐに電話応対出来ない程、忙しい時に申し訳無いという気持ちで通話を切った。間をおいてまた掛け直すとしてもメールは入れておかねば。“目が覚めたら知らない所に居た。迎えにきて。”と送信した。しかし、送信後直ぐにブブっと送信失敗のメッセージがでる。おかしいなと何度かやり直したが同じ。なんで?と画面の右上を良く見てみると圏外、インターネット未接続。


 「え?」


 その瞬間、スッ……と顔だけではなく身体全体から血の気がひいた。なんで?え?ネットに繋がらない?まじで?と酷く動揺した。情報インフラが整備されている現代に於いてネットが使えなくなる場面はそれ程多くない。地下鉄でさえソシャゲが出来る時代である。確かに繋がり難い時もある事はある。が、それは緊急事態か格安キャリアであることが多いだろう。契約しているのは有名キャリアだ。ぼくが余程の山奥にいるかサーバーダウンででも無い限り繋がらないという事は無いはずだ。念の為にデータ通話量を確認したが十分にある。理由は全く分からないが兎に角、ぼくは今、誰かに電話して助けを呼ぶ事もSNSで情報発信する事もマップアプリで自分の位置を確認する事も出来無い事だけは分かった。不安だけが大きくなり嫌な汗がダラダラと流れる。いい歳の男が1人見知らぬ場所で迷子なんてシャレにもならない。


 「よし……よし。ひとまず落ち着こう。」


 不安と焦りを落ち着かせるために独り言を言った。

 そうだ。緊急時こそ冷静に行動だ。状況を客観的に見よう……。


 「ぼくは今、知らない場所にいる。周囲には何も無いし誰もいない。ここが何処なのか調べる手段も無い。助けも呼べない。帰り道も分からない……うん……大ピンチだ。」


 どうしたものかと片足立膝の状態で思案する。

 ふと、視界の端に何やら建物があるのが見えた。もしかしたら彼処に行けば何かあるかも知れない。希望的観測ではあるが、ぼくは突然現れた助け舟に飛び乗る様に歩いていった。

短編のつもりで書き始めたら意外と長くなってしまいました。 

小説を書くのはあまり得意ではないので読み難い部分等あると思いますが温かい目で読んで頂きたいです。


推敲しすぎていつまでも投稿出来ないのでもう出してしまいます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 急展開なスタートですね! 今後が期待です [一言] 頑張ってください!
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