残り100日 バトルと幼なじみ
「で、どうやってやっつけるの!?」
『……』
あんなカッコいい事言っときながら無視!?
考えても、わからないって。
こんな見上げるようなロボットを、こんなへっぴり魔法でどうやっつけろって言うの?
足元はお留守だから、えっと地面に穴を開けて体勢を崩して……わぁ!?危なっ!!今のは、危なかったよ!!
焦げた服の匂いを風で飛ばして、頭を回しながら走り回る。
「女の子の、身体って軽いんだね。なんか、まだ動けるって感じ!!」
『爽やかですね。命の危機だと言うのに』
「こうでもしないと、まともじゃあいられないっての!!」
……ん?ロボット、だよね。
だったら誰かが操縦してるか操作してる訳だよね。
「アンリ!!これって操縦してるの!?」
『私が知る限りは、そうです。場所は、あそこです』
やっぱり脳の部分なんだね。
ならあそこを狙えば、いいんだ。さっきの考えで行こう。態勢を崩してあそこに集中攻撃する。
「行こう、アンリ」
『はい。仰せのままに』
駆け出しながら地面に手を当てて、足元を陥没させる。大きな音を立てて崩れるロボットを見て風をいくつも足元に集約させる。
「ぶっつけ、本番っ!!」
軽く薙ぎ払われた巨大な腕が横腹を抉り、胴体が千切れて行く感覚に残った意識で指を弾く。
戻る身体に違和感凄いけど!!今は動くことを止めないで私っ!!
ジャンプに合わせて足元に撃った火で風を上昇気流に変えて、飛び上がる。
コックピットを今使える全開の火で熱して、すぐに水で冷やす!!昔、実験でやったよね。膨張したものはすぐに冷やされると割れるって!!
入ったヒビに思い切り振りかぶったアンリを叩きつけて、コックピットに向けて火を投げようとして固まってしまう。
「なっ!?」
『こ、こいつは!!』
「やるじゃんか。新しい魔法少女さん」
コックピットに居た女の子は立ち上がり不敵に笑って、長い黒髪を指で巻くその仕草。
「わたしの顔を、覚えておくといいよ。
これからは何度も見ることになるからね」
覚える?そんな必要あるのかな。
だって、お前は。
私の幼なじみじゃないか。