残り100日 さよなら日常、こんにちは超常
そして、時は今。
私は魔法少女になってしまっていた。
ってあれ?私って言った、よね。今。
「ねぇ、アンリ?何故か頭で考える事も出る言葉も全部変換されてる気がするんだけど?」
『よくアニメとかであるでしょ?いくら姿を変えても喋り方で気付くというような。それを避ける為の処置です』
「へぇーそうなんだぁってならないからね!?
もう、私なんだか変なんだけど!!」
見た目も男だった頃の私とは全く違っていて。
腰まで伸びる光のような白い髪に、さっきのフリフリ衣装を着て……ぺったんこというかスレンダーというか。
『こうゆうのが好きなんでしょう?部屋のフィギュア等はみんな胸がぺったんこ「もう言わないで。なんだか変に傷付いちゃうから」
ロボットは目の前で独り言を言う私をじぃっと見て大きく口を開ける。
その奥に、一瞬見えた大砲のようなもの。
そこから出た光線に、私の右腕は吹き飛ばされた。
一瞬の事に、痛みを感じるよりも驚きが脳を埋める。
腕、取れた。見えなかった。光線が武器なんだ、それよりも、すぐに時間を戻さな、いと。
5秒を、過ぎたら面倒に、なる。
『シキ。指を、弾いて』
まだある方の手で指を弾くと、目の前で口を開ける所だった。無様に転がり光線を避けると汗と同時に動悸が激しくなる。
私の、腕が。これは、やらないと消される。
向こうは四足歩行だけど、身体は大きいし多分砲台は口の中だけ。
「アンリ。魔法、使えるのリストちょうだい」
『これです。今はまだ、少ないですが』
使える魔法は。
火を手に付ける簡単なものと、水を手から出すだけ……軽く地面に穴を開けるもの、膝上程度の竜巻を呼び出す……ね。
初歩の初歩と言った感じなのかな?
まぁ話を聞く限り私は属性特化とかではないようだし。仕方ないよね。
『時間逆行はあと9回』
「わかってるよ」
口を開けるのを目視してからだと遅い。
予測して、避ける事を意識しないとっ!!
『一応やる気ですね?』
「もう、仕方ないじゃないの。私は、なっちゃったんだし、死にたくないしっ」
『そうですか。大丈夫ですよ。
死ぬ時は一緒ですから。1人では逝かせません』
少し笑ったような声を出すアンリ。
わかんないって、ステッキだもん。そう悪態を吐く暇もない。
私は、手に握り拳程度の火を付けて走り出した。